PDF/XファイルとAdobe Creative Suite 3
Acrobat 8 Professionalを使用したPDF/Xファイルのプリフライト
印刷業者に送る前に、すべてのドキュメントをプリフライトすることをお勧めします。Acrobat 8 Professionalのプリフライト機能を使用すると、PDF/Xファイルの作成時に次のような操作を実行できます。
ファイルが独自の要件を満たすかどうかを確認するために、どのプリフライトプロファイルを使用するかについては、印刷プロバイダや出版社と相談のうえ決定してください。印刷プロバイダや出版社からカスタムのプリフライトプロファイルが提供される場合もあります。
プリフライトプロファイルについて
Acrobat 8 Professionalのプリフライトダイアログボックスには、2種類のプロファイルが含まれています(図8)。
- 解析(検証)プロファイルでは、エラーの確認とレポートを行いますが、修正は行いません。これらはカテゴリーリストの下部に表示され、拡大鏡ツールアイコンで示されます。
- フィックスアップ(修正)プロファイルでは、PDFファイルの変換時に修正を行います。これらのプロファイルは、グレーのレンチアイコンで示されます(縁取りのみのレンチアイコンが表示されたプロファイルには、フィックスアップが含まれていません)。フィックスアップでは、カラー、フォント、画像、印刷工程、PDF/XやPDF/Aといった国際規格への準拠などに影響する様々なエラーを修正できます。プリフライトツールには、独自のフィックスアップを作成するためのツールキットも含まれています。詳しくは、Acrobat 8.0 Professionalのヘルプを参照してください。
例えば、ある検証プロファイルでは、PDF/X-1aに変換中のファイルにRGB画像が含まれることがレポートされるとします。これに対してフィックスアップでは、エラーのレポートに加えて、プリフライトプロファイル内のフィックスアップルールに従い、CMYKカラーモードへの画像の変換が行われます。

図8. 検証プロファイルを示す拡大鏡アイコンと、フィックスアップを示すグレーのレンチアイコン
PDF/Xファイルのプリフライト
単一のドキュメントをプリフライトすることも、プリフライトドロップレットを使用して複数ファイルの処理を自動化することもできます。
Acrobat 8 ProfessionalでPDF/Xファイルをプリフライトするには:
- PDF/Xファイルを開きます。
- アドバンスト/プリフライトを選択します。プリフライトダイアログボックスが開き、下部にドキュメントのPDF/Xステータスが表示されます(図9)。「PDF/X ファイルではありません。」というアイコン(図10)は、ファイルがまだPDF/Xに変換されていないことを示し、黄色い疑問符の付いたPDF/Xアイコン(図11)は、ファイルの変換を検証する必要があることを示します。

図9. PDF/Xステータスが表示されたAcrobat 8のプリフライトダイアログボックス

図10. 現在のPDF をPDF/X に変換ボタン

図11. PDF/X を確認ボタン
- 次のいずれかの操作を行います。
- 「PDF/X ファイルではありません。」の横にある、現在のPDF をPDF/X に変換ボタンをクリックします。
- 「プロファイル」タブで、PDF/X準拠カテゴリーの横にある矢印をクリックしてその内容を展開し、選択したPDF/X規格に変換するプロファイル(「PDF/X-1a(SWOP)に変換」など)を選択します。グレーのレンチアイコンは、プロファイルに組み込まれたフィックスアップによってPDFファイルがPDF/X準拠となるように修正されることを示し、アクティブな虫眼鏡アイコンは、プロファイルによってエラーがチェックされ、修正されずにレポートされることを示します。PDFファイルが作成元のアプリケーションで正しく保存されていることが確実である場合は、「フィックスアップを適用せずにプリフライトプロファイルを実行」チェックボックスをオンにします。
- 「実行」ボタンをクリックするとドキュメントがプリフライトされ、問題があればレポートされます。
- ファイルに関する詳細情報を表示するには、ダイアログボックスの下部に表示される「文書に関する詳細情報を表示」チェックボックスまたは「選択したページオブジェクトをスナップビューで表示」チェックボックスをオンにします。
PDF/Xファイルの検証
CS3構成製品またはAcrobat Distillerで作成したPDF/Xファイルは、有効なPDF/Xファイルになるはずです。ファイルの作成に使用された規格に対してファイルを検証する場合、特にファイルを他人から受け取った場合は、Acrobat 8 Professionalのプリフライト機能を使用して、そのファイルがPDF/Xに準拠していることを検証できます。
Acrobat 8 Professionalで特定の印刷条件に対してファイルを検証するには:
- 別のアプリケーションで作成されたPDF/Xファイルを開きます。
- アドバンスト/プリフライトを選択してプリフライトダイアログボックスを開きます。黄色い疑問符の付いたPDF/Xを検証するアイコンが、ファイルの作成に使用されたPDF/X規格とともにダイアログボックスの下部に表示されます。
- 次のいずれかの操作を行います(図12)。
- PDF/X を検証ボタンをクリックします。プリフライトの結果、PDF/Xがその作成に使用された規格に準拠しているかどうかがレポートされます。検証にパスした場合はアイコンの横に緑のチェックマークが表示され、パスしなかった場合は赤のXマークが表示されます。
- プロファイルウィンドウで、「PDF/X 準拠」の横の矢印ボタンをクリックしてその内容を表示し、「PDF/ X-1a:2001 への準拠を確認」などの検証プロファイルを選択します。プロファイルの横に縁取りのみのレンチアイコンが表示された場合は、プロファイルにフィックスアップが含まれていません。「実行」ボタンをクリックしてプリフライトプロファイルを実行し、警告が表示された場合は「OK」をクリックします。

図12.プリフライトでPDF/X規格への準拠を検証します
- 「結果」タブをクリックして、結果パネルでプリフライトの結果を確認します(図13)。

図13.検証プロファイルの結果を確認します
フィックスアップの適用
フィックスアップと呼ばれるエラー修正を含んだAcrobatプロファイルを適用するには、プリフライトプロファイルウィンドウを使用します。プリフライト機能には、プロファイルに追加できるフィックスアップが75個以上含まれています。これらのフィックスアップは、カラー、フォント、画像および印刷工程に影響する様々なエラーに対応します。プロファイルの横にグレーのレンチアイコンが表示された場合は、そのプロファイルにフィックスアップがあることを意味します。縁取りのみのレンチアイコンが表示された場合は、そのプロファイルに関連するフィックスアップがないことを意味します。
ワークフローによっては、PDF/Xプロファイルをそのフィックスアップも含めてカスタマイズしなければならない場合があります。例えば、デフォルトの印刷仕様とは異なるICC印刷プロファイルが印刷プロバイダから提供され、そのプロファイルにカラーを変換するようにPDF/Xプリフライトプロファイルをカスタマイズする場合などです。フィックスアップの使用について詳しくは、Acrobat 8.0 Professionalのヘルプを参照してください。
PDFファイルにフィックスアップを適用するには:
- フィックスアップの適用対象となるファイルのコピーを保存し、そのバックアップコピーを使用して適用作業を続行します。フィックスアップによって既存のファイルは上書きされます。
- アドバンスト/プリフライトを選択します。
- プリフライトウィンドウの上部で「プロファイル」タブをクリックし、「PDF フィックスアップ」までスクロールしてリストを展開します(図14)。

図14.プロファイルウィンドウに表示されたPDF/Xフィックスアップ

図15.プリフライト結果ウィンドウ
- PDFフィックスアップのリストで、対象のドキュメントまたはワークフローに適したフィックスアップ(「透明部分を統合(高解像度)」など)を選択し、「実行」ボタンをクリックします。
プリフライトレポートウィンドウの緑のチェックマーク(図15)は、ファイルが正常に変換されたことを示します。
- 別のフィックスアップを実行してファイルをさらに修正する場合は、手順4を繰り返します。
カスタムのプリフライトプロファイルの作成
ファイルがPDF/X規格に準拠しているかどうかを検証することで、よくあるファイル準備エラーの多くは解消されますが、すべてが解消されるわけではありません。例えば、規格には最低解像度の規定がなく、使用するプレートの数の制限もありません。ファイルが、PDF/X規格自体の要件だけでなく、印刷業者の要件もすべて満たすようにするには、カスタムのプリフライトプロファイルを作成するか、印刷業者から提供されたプロファイルを使用します。プロファイルは、最初から作成するか、または既存のプロファイルを複製して作成できます。
Acrobat 8 Professionalでカスタムのプリフライトプロファイルを作成するには:
- アドバンスト/プリフライトを選択します。
- プリフライトダイアログボックスの上部で「編集」タブをクリックします。プリフライト: プロファイルを編集ダイアログボックスが表示されます。
- 次のいずれかの操作を行います。
- 既存のプロファイルを基に新しいプロファイルを作成する場合は、ダイアログボックスの左のパネルで「PDF/ X 準拠」までスクロールし、必要に応じて矢印ボタンをクリックしてそのプロファイルを表示します。基本プロファイルを選択します(「PDF/X-1a:2001 への準拠を確認」など)。プロファイルがロックされている場合は、ポップアップメニューから「ロック解除」を選択してオプションにアクセスできるようにします。
- 新しいプロファイルを最初から作成する場合は、ダイアログボックスの左下にある新しいプロファイルボタンをクリックし、手順5に進みます。
- ダイアログボックスの左下にあるプロファイルを複製ボタンをクリックします。プロファイルが複製され(図16)、その名前に「( コピー 1)」が付加されます。
- 「名前」ボックスでプロファイルの名前を変更し、「用途」ボックスでカスタムの説明を追加します。

図16. プリフライトプロファイルを複製し、そのコピーに変更を加えてプロファイルをカスタマイズします。
- 左のパネルで編集する領域(「画像」など)を選択します。チェックとフィックスアップはプロファイル内でカスタマイズできます。
- 識別する必要がある問題の横のボタンをクリックし、必要であれば値を入力します。
例えば、解像度が300ppiを下回る画像がある場合に警告を受けるようにするには、「次の値未満 : 0 ppi」の横のボタンをクリックし、ポップアップメニューでエラー(赤いX)または警告(黄色の注意記号)を選択し、ボックスに「300」と入力します。
注:印刷プロセスにおける解像度などの数値設定が不正確であると、一部の画像がユーザが指定した値よりも低い値にダウンサンプルされるおそれがあります。例えば、設定が300ppiである場合、299.998ppiの画像を含んでいるファイルの処理は失敗します。この問題は、プリフライト操作の際に設定する数値の幅をわずかに増やすことで回避できます。
- プロファイルの編集が完了したら、「ロック」を選択して変更を防止します。
- 「概要」をクリックして、プロファイルによって識別されるエラーの概要を表示します(図17)。

図17. プロファイルの条件の概要を表示します。
- 「保存」ボタンをクリックします。プリフライトプロファイルがリストに追加されます。
プリフライトプロセスの自動化
プリフライトドロップレットを使用することで、複数のファイルを一度にプリフライトして、PDF/X規格およびプリフライトプロファイルに指定されたその他の要件に準拠しているかを検証できます。
Acrobat 8 Professionalでプリフライトドロップレットを作成するには:
- アドバンスト/プリフライトを選択します。
- プリフライトダイアログボックスで、オプションメニューから「プリフライトドロップレットを作成」を選択します(図18)。

図18. オプションメニューから「プリフライトドロップレットを作成」を選択します。
- プリフライト:ドロップレット設定ダイアログボックスで、使用するプリフライトプロファイルを選択します(図19)。

図19. プリフライトを自動化するプリフライトドロップレットを設定します。
- プリフライト条件を満たしているPDFファイルの移動先(サクセスフォルダ)、またはプリフライト中にエラーが識別された場合のPDFファイルの移動先(エラーフォルダ)を指定します。正常に処理されたファイルと処理に失敗したファイルに関するレポートを作成することもできます。
- 「保存」ボタンをクリックします。
- ドロップレットに名前を付け、その場所(通常はデスクトップ)を指定します。
ドロップレットを使用するには、個々のPDFファイルをドロップレットアイコン上にドラッグします。