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筆者について

スコット・フェジェット(Scott Fegette)

スコット・フェジェット(Scott Fegette)は、アドビのデベロッパーリレーションズグループでプロダクトマネージャを務めています。 マクロメディア社時代には、Dreamweaver製品チーム、コミュニティサポートチームなどで活躍。2003年のマクロメディアサイトのデザイン変更プロジェクトでは、エンジニアリングマネージャも経験しました。 2000年にマクロメディアに入社する前の5年間は、グラフィックソフトウェア会社のMetaCreations(旧Santa Barbara)で、Webマスターおよびオンラインサービスディレクタとして経験を積みました。忙しい合間を縫って、プロのミュージシャン、写真家としても活動し、また映画にまつわる小道具類をこよなく愛する収集家でもあります。

ブログスフィアへようこそ

このご時世にブログという言葉を聞いたことがないとしたら、あなたは南極の洞窟にでも住んでいるに違いないでしょう。もし本当にそうだとしたら、きっと地元のペンギンがブログとは何かを教えてくれるでしょう。ブログとは、ウェブログを短くした言葉で、ここ何年かの間に生まれた画期的なパブリッシング方法の中でも、根源的な意味で最も重要なものの1つです。簡単に言うと、ブログは誰でも自分の意見を発表し(ブログフレームワーク)、他の人たちと議論を交わし(ブログコメント)、世界に向けて簡単に配信できる(RSSフィード*Atomフィード*)という方法です。 僕が働くアドビのデベロッパーリレーションズグループでは、何年も前からこのブログカルチャーが根付いています。ブログアグリゲータ のMXNA*では開発者コミュニティの会話を覗いたり、みんなの話の輪に参加できるし、僕を含めて大勢のスタッフが個人のブログを持っています。 だから、もしまだ君がブログを知らないのなら、ぜひ僕が「ブログスフィア*」へ案内しましょう。 ようこそ、ブログの世界へ!

まず簡単な歴史の勉強から始めましょう。 Webが出現した当初から、ホームユーザやプロによってWebパブリッシングが行われてきたけれど(パブリッシングのマークアップ言語はSGML*で、あれが結局、いま知られているHTMLの前身だった)、Webパブリッシングが本当に活発になったのは、90年代後半にブログのフレームワークとサービスが公に利用できるようになってからのことです。そこで初めてWebでのパブリッシングが大衆化され、Webブラウザがあれば誰でも言いたいことを発表できるようになったのです。 その後の数年間で多くのコミュニティが、Web上で意見や情報を交換する方法として、急速にブログを取り入れるようになりました。

それでは、ブログを始めるには何が必要だろうか?実際のところ、ブログをホスティングするアプリケーションかサービス、そしてブログ上で言うべきしっかりした意見さえあれば、ブログはすぐに始められます。ブログサービスの中でも人気のGoogle's Blogger*とBlogspotは、共有サーバ上でブログのホスティングとメンテナンスのサービスを提供しているので、初めてブログの世界に足を踏み入れる人にとっては技術的なハードルが非常に低いと言えます。 Movable Type*WordPress*といったブログアプリケーション(他にもたくさんあるけれど)を使用すると、大抵の場合は最小限の技術的知識があれば、自分の専用サーバ上で比較的簡単にブログをメンテナンスできます。 最近では、ほんの数分あればブログを立ち上げられるようになりました。 さあ、ためらわずに始めてみましょう。

さて、ブログで意見やコンテンツを公開してはみたものの、誰も見てくれないのでは意味がありません。そこで役に立ってくれるのがRSSとAtomフィードです。いま一番ポピュラーなXMLベースのスキームと言えば、間違いなくRSSだろう(RSSとは、Rich Site Syndicationのことだと言う人もいれば、Really Simple Syndicationだと言う人もいなす)。それから新しく登場したAtomフィード。これらのフィードを使えば、ブログコンテンツのサマリーがXMLベースで作成されるので、更新したコンテンツの一覧に他のサイトやアグリゲータからアクセスできるようなります。MXNA*のニュースアグリゲータを見れば、記事のリストがあるのが分かるだろう。そのリストは、個々のライターが公開したコンテンツのフィードから直接集めたものです。 コンテンツを更新した場合、アグリゲータに情報を読みにきてもらうプロセスには、3つの段階があります。まず、ブログのフレームワークかサービスを使用して、新しいコンテンツを公開します。次に、これはフレームワークやサービスによって自動的に処理されるのが普通ですが、新しいコンテンツのサマリー情報に更新されたRSSフィードが発行されます。そして最後に、様々なニュースアグリゲータに直接「ピング(更新通知を送信)」して、コンテンツを更新したことを知らせると、アグリゲータがサーバやサービス上に置かれた新しいRSSフィードを読みに来てくれて、更新したコンテンツを世界中の人に見てもらえるという仕組みなのです。

このアグリゲータは、サーバの中だけのものだと思ったら大間違いです。 FeedDemon*NetNewsWire*といったアグリゲータは「フィード情報収集」専用アプリケーション(RSSリーダー)で、クライアント側で見たいフィード(コンテンツ)を登録しておけば、その情報を好きなときにローカルで取り出すことができます。 RSSフィードの添付ファイルをダウンロードして管理できるアグリゲータも多く、ポッドキャスティング*ではその方法が一般的に使われています。RSSフィードから通知を受けたクライアント側のソフトウェアが、指定されたインターネットラジオ番組の音声の入ったMP3オーディオファイルをダウンロードするという方法です。 (インターネットラジオに関してひとこと付け加えておくと、ポッドキャスティングは、iPodとブロードキャスティングという言葉を掛け合わせたもの。)ユーザはMP3をデスクトップで聴いてもいいし、MP3プレーヤーで持ち歩くこともできます。話を思い切り簡単にしてしまうと、インターネットラジオ番組にとってのアグリゲータは、テレビ番組にとってのTiVoみたいなものなのです。好きな番組を登録しておき、新しいコンテンツをいつでも好きなときに聴くことができます。基本的な考え方はとっても簡単だけど、使ってみると病み付きになる便利さです。

ところで、なぜブログは僕たちにとって重要なのでしょうか?それは、メーリングリストやニュースグループ、オンラインフォーラムではできないことが、ブログではできるからです。ブログなら、自分ひとりの意見やメッセージを世界に提示して、議論を膨らませていくことができます。大雑把な言い方をすれば、それは巨大ビルの中で一部屋ずつ回って会話していたのが、ステージに立ってマイクで意見やテーマを語り、観客みんなを会話に巻き込めるようになったようなものです。このパワーはすごい。それに、企業は印刷物やオンライン、プレスリリースなど、言いたいことを言えるチャネルをいくつも持っているのが普通ですが、顧客の側にはそれがありません。企業の側も、顧客の会話に参加したい、顧客にも企業の議論に加わって欲しいと思っているのです。ブログスフィアでは、個人の声が多くの人々の共感を呼び、企業の意見と同程度、あるいはそれ以上に支持されているといった現象を見ることができます。企業も個人も同じステージに立てる状況が急速にできあがっていて、大企業であるメディアや新聞社と並んで個人の声も聞いてもらえるチャンスが生まれているのです。アドビ、Microsoft、Yahoo!をはじめとする多くの企業では、自社ブログを公開し、社内スタッフがメンテナンスを行っています。こうしたブログによって、企業は人間的なコミュニケーションの方法を手に入れたと同時に、新しい課題を抱えることにもなっています。ブログを介してコミュニケーションを行う企業は、顧客や得意先とのコミュニケーションを個人的で人間的なものにしていく必要があるけれど、その一方でマーケティングや広報部門は依然として公的な姿勢を保たねばならず、その両者のバランスをうまく取っていかなければならないのです。それを次のステップとして自然に考えている企業もありますが、そうでない企業にとっては対応の難しい変化です。いずれにせよ、企業ブログが全ての関係者にとって、より強力なコミュニケーションのパイプとなったことは確かです。

ブログスフィアには、どんなコンテンツや情報があるのでしょうか?これについては、例えばアドビのコミュニティが内容も場所も、テーマやジャンルも全てをカバーしているけれど、それと同じ現象がブログスフィアでも起きています。個人のブログから情報提供ネットワーク、技術評論家、それにマニアやプロまで、あらゆる分野のブログがあるので、興味のあるものを何なりと簡単にチェックすることができます。最近ではリソースも豊富になって、RSSフィードとAtomフィードを収集するのも便利になったので、どんな情報でも簡単に収集できるようになりました。ニュースやテレビ番組、サイトの更新情報、オンラインフォーラムの投稿など、数え上げるときりがありません。興味のあるテーマやコンテンツが何であれ、ブログスフィアにはその情報に辿り着くためのRSSフィードやAtomフィードがたくさん見つかるはずです。例えばMXNA*では、僕たちのコミュニティのメンバーやスタッフが公開しているブログの最新情報をはじめ、最新版のTechNotes、サポートチームが発行したばかりのナレッジデータベースのドキュメント、開発者センターの最新ニュース、それからWebフォーラムの新しい投稿なども見ることができます。

とっても面白そうに聞こえるけれど、どうやって仲間に入ればいいか分からないという人のために、 ブログ初心者向けのスタートガイドを紹介しましょう。

1) MXNA*Fullasagoog.com* を毎日チェックすることから始めてみましょう。何が話されているか、どんなふうに話が進んでいるか、誰が関わっているかが分かるでしょう。 ブログの世界には、誰にとっても必ず面白いと思うものが見つかるはずです。
2)ニュースやオンライン誌、WebサイトのRSSフィードに気をつけておいて、気に入ったものがあったらサーバ側かクライアント側のアグリゲータに登録しましょう。(MXNAからは、すべてのRSSフィードを受け取ることも、条件を絞りこんだRSSフィードだけを受け取ることもできます。サイトのヘッダにある「RSS Feeds」のリンクをクリックすると、条件設定オプションを表示できます。現時点では、FirefoxとSafariの各ブラウザが、RSSフィード自動検索・表示機能に対応。近日リリースされるInternet Explorer 7でもサポートされる予定です。)
3)自分から発信する準備ができたら、豊富なブログサービスの中から1つを選んでブログを立ち上げましょう。もし自分のWebサイトを持っているなら、いろいろなブログフレームワークを利用できるので、フリーウェアを使うのも1つの手段です。 さあ、ブログでパブリッシングを始めましょう!
4)立ち上げたブログがアドビのテクノロジに関連したものなら、フィードをMXNA*Fullasagoog.com*に送ってみれば、君のブログを世界中に紹介してもらえるかもしれません。他のサーバ側のアグリゲータにもフィードを送って、どんどん君の声を多くの人に聞いてもらいましょう。

基本は実にシンプルなブログですが、始めてみると可能性の大きさがすぐに分かるはずです。世界は語り合っている。君も仲間に入りませんか?