Mordy Golding著『Excerpted from "Real World Adobe Illustrator CS2』より抜粋
従来から Adobe® Illustrator® CS2にあるグラデーション機能では、2つのカラーをブレンドしてオブジェクトを塗りつぶすことができます。 これは有用な機能ではありますが、線形または円形のグラデーションしか作成できないため、クリエイティブ表現という意味では使い方が限られてしまいます。 ところが、Illustrator 8からは「グラデーションメッシュ」と呼ばれる革新的な機能が導入され、どのような形のグラデーションも作成できるようになりました。 これを活用すれば、 Adobe Photoshop®で作成したように見える絵画的な効果を、ベクトル形式を使って表現できます。 また、意図したとおりのアピアランスがベクトル形式ファイルのままで実現されていれば、デザインの工程で、そのアートをいつでも自由に拡大/縮小したり編集したりできます。 例えば、グラデーションメッシュに使われているカラーの1つを変更することは、Photoshopファイル内のカラーを置き換えることよりはるかに簡単です。
とは言え、グラデーションメッシュツールの使い方を理解するのは簡単ではありません。 この機能を使いたい気持ちはあるのに動作の法則性をうまく理解できない、というユーザが多いのが実情です。 このチュートリアルは、グラデーションメッシュとは何か、どのように機能するものかを理解するために役立ちます。
まず、グラデーションの適用方法を学ぶ前に、メッシュとは何かについて知ることから始めましょう。 メッシュとは、メッシュポイントと呼ばれる複数のアンカーポイントによって構成されるグリッドです。

メッシュとは、メッシュポイントとパスで構成されるグリッドです。
各アンカーポイントはいずれも、メッシュのシェイプを制御するために引っ張ったり調整したりできます。 メッシュはIllustratorにおける構造物やオブジェクトとしては特殊なものであり、通常のパスのようには機能しません。 メッシュオブジェクトには塗りや線に関する通常の属性はなく、表示できるライブエフェクトの種類にも制限があります。 メッシュオブジェクトの使用目的は、グラデーションおよびエンベロープという、Illustratorが備える2種類の属性を保持することです。 メッシュによってグラデーションを定義する場合は、各メッシュポイントによってカラー分岐点が指定されます。また、1つのカラーを別のカラーとブレンドする方法もメッシュポイントによって決まります。
グラデーションメッシュオブジェクトを作成するには、ツールボックスからメッシュツールを選択し、ドキュメント内にある任意のベクトルパスをクリックします。 Illustratorでは、グラデーションメッシュオブジェクト自体を新規作成するのではなく、既存のベクトルシェイプを変換してメッシュオブジェクトにします。 メッシュツールでクリック操作をするたびに、メッシュオブジェクトに新しいメッシュポイントが追加されます。 また、オブジェクトにメッシュポイントが追加されると、オブジェクトの輪郭に従う形でメッシュポイント間を接続するパスが引かれます。

この円形の例では、追加したメッシュポイントによって直線ではなく曲線のパスが作成されています。
メッシュポイントを定義した後は、ダイレクト選択ツールに切り替えて個々のメッシュポイントを選択することにより、メッシュポイントの位置や方向ハンドルを調整できます。

メッシュポイントの編集操作は、アンカーポイントを編集する場合と同様です。
メッシュポイントを選択した状態では、コントロール、色見本またはカラーパレットから、そのポイントにおけるカラーを選択できます。 ‚Pつのメッシュポイントには1つのカラーしか指定できません。 各メッシュポイントの方向ハンドルとパスによって、そのカラーが別のメッシュポイントのカラーとどのようにブレンドするかが決まります。

メッシュポイント間を接続するパスによって、カラーをブレンドする方法と、グラデーションの形状や輪郭が決まります。
必要な場合は、メッシュツールに戻ってメッシュポイントをさらに追加することもできます。
また、既存のベクトルオブジェクトからもグラデーションメッシュを作成できます。 その場合は、目的のオブジェクトを選択して、オブジェクト/グラデーションメッシュを作成を選択します。 次に、メッシュに含める行と列の数を選択できます。オブジェクトがカラーで塗られている場合は、オブジェクトの中央またはエッジに向かってハイライトを指定することもできます。 グラデーションメッシュを作成した後は、前述の方法で何度でもメッシュを調整し直すことができます。
パスをメッシュオブジェクトに変換した後で、元のパスがまた必要になった場合は、メッシュオブジェクトを選択し、「パスのオフセット」機能を使用して0を指定します。 これを実行すると新しいパスが作成され、自由に編集やカラー指定ができます。