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細かいディティールのマスクを作る


目次

作成日:
01 November 2004

Type & Graphics, Inc.発行、「Adobe Photoshop CS One-on-One」より抜粋。

Adobe® Photoshop®のマスク機能の本当の実力は、画像から任意の部分を切り出すときに発揮されます。 このチュートリアルでは、RGBカラー写真が持つカラーチャンネルから2つを利用して、いかに複雑で自然なマスクを作り出すかについて説明します。 また、髪の毛を何本か束ねただけの非常に細いものをうまく選択するためのテクニックも紹介しましょう。

1. 写真を開く

今回の作例では、PhotoSpinイメージライブラリから女性の写真を使ってみます。

phs8kbhairmask_1

2. カラーチャンネルを個別に確認する

チャンネルパレットを表示させ、レッド/グリーン/ブルーといった個別のチャンネル名をクリックしてみましょう。 これらのチャンネルの中で、どれがマスクの作成に適しているかを確かめます (下で示してる各画像には区別がつきやすいように少しだけ着色してありますが、元の画像はすべて白黒です)。

phs8kbhairmask_2_int

ここでは、影やハイライト部分のコントラストが最も大きく異なっているチャンネルを探してみましょう。 この場合、最も良い候補はレッドとブルーのチャンネルでしょう。 レッドのチャンネルはコントラストが最も強く、ブルーのチャンネルは大部分がレッドのチャンネルとは異なることがわかります。

3. 通常の表示に戻る

使用するチャンネルが決まったので、チャンネルパレットでRGBを選択し、フルカラー表示に戻ります。

4. 演算コマンドを選択する

イメージメニュー/演算を選択して、演算ダイアログを開きます。 このコマンドは2つのチャンネルをミックスして、ブレンドモードや不透明度などに使用可能な新しいアルファチャンネルを作成します。

Tip: ダイアログが表示されたら、プレビューがオンになっているか確認しましょう。 プレビューがオンになっていれば、操作の結果を素早く確認できます。

5. ソースチャンネルを選択する

演算ダイアログでは、2つのチャンネルを重ね合わせることができます。 「第1元画像」は前面に、「第2元画像」は背景に位置するチャンネルとして扱われます。 したがって、前面にくる第1元画像の内容が強調されることになります。今回はこちらに、画像の中で最も高いコントラストを持つチャンネルを指定することにします。 つまり、以下のようになります:

  • 第1元画像と第2元画像の欄は、マスクする対象となる画像をポップアップメニューで選択していることを確認します。

  • レイヤーが単一の画像の場合は、レイヤー欄には自動的に背景が選択されます。 変更する必要はありません。

  • 第1元画像のチャンネルには、最もコントラストの高いチャンネルを選びましょう(この場合はレッドになります)。 第2元画像のチャンネルには、最初のチャンネルと最も異なる画像を選びます(この場合はブルーです)。

6. 反転とブレンドモードを試してみる

演算に関する理想的な設定は、使用する画像の内容や画面構成によってまったく違うものになります。そのため、設定を変えていろいろ試してみるという作業は、演算を行ううえで欠かせないものです。 背景部分を暗く、マスクしたい領域を白くすることで、前景の画像をうまく切り抜けるようにするのが目標だということを意識しておきましょう。 こうした作業では、どちらかのチャンネルを反転させる、もしくは両方のチャンネルを反転させる必要はけっこう多いと言えます。 画像を反転させるブレンドモードは、「差」や「減算」と同様に、便利な機能です。

phs8kbhairmask_3_int

上の画像(グレーの値を表現するために、少しだけ色を着けています)は、いくつかの設定を試してみた結果を示しています:

  • 一番上の画像は、両方のチャンネルで反転にチェックを入れ、描画モードは「乗算」に設定しました。 これにより、被写体を明るく、背景を暗くした画像が出来上がります。しかし、もう少しコントラストを際立たせたいところです。

  • 中央の画像は、ブルーのチャンネル反転をオフにし、描画モードには「差の絶対値」と設定したものです。 これは非常に黒色のエッジが際立った結果となりました。しかしハイライトの部分があまりにも黒すぎます。

  • 一番下の画像は、レッドのチャンネル反転をオフに、ブルーのチャンネル反転をオンにし、 さらに描画モードを「減算」にしました。 この描画モードを使うと、輝度の値について演算を行い、ブルーの反転した値からレッドの値を差し引いたものとなります。 さらにオフセットの値が+(正値)であるときは、画像全体が明るくなります。 ここではオフセットの値を50に設定しました。これにより、画像全体の輝度を引き上げ、「減算」による結果をほどよく適用することができました。

実際のところ、こうした作業中の画像はさして見栄えのいいものではありませんし、無理に良く見せる必要もありません。 マスクそのものは見た目にきれいなものではありませんから、決して表に出さないほうが賢明でしょう。

7. 理想的な設定を行う

今回の実験では、最後に試した結果が最も上質のマスクとして適用できることがわかりました。 最後の設定は以下の通りです:

  • 1番目(レッドのチャンネル)は反転チェックをオフにし、2番目(ブルーのチャンネル)は反転をオンにする。

  • 描画モードを「減算」にする。

  • 不透明度は100%、オフセットは50、スケールは1に設定します。

  • 一番下の「生成」は「新規チャンネル」にするべきです。 これは作成したマスクをアルファチャンネルとして追加することを表します。

すべての設定が完了したら、OKボタンをクリックします。

8. 新しく作成したアルファチャンネルの名前を付ける

チャンネルパレット上に作成された新しいアルファチャンネルをダブルクリックします。 今回は「R, B Inv, Subtract, Offset 50」という名称にしましたが、ここはそれぞれの好みや状況に応じて名前を付けてください。

9. 新しいチャンネルをコピーする

チャンネルパレットで一番下にあるチャンネル(先ほど作成したアルファチャンネルです)をクリックして、そのままチャンネルパレットの一番下にある小さなページアイコンにドラッグ&ドロップします。 これでチャンネルがコピーできます。 新しいアルファチャンネルをダブルクリックして、「最初のレベル調整」と名前を付けます。

なぜチャンネルをコピーするのでしょうか? それは、作業の安全性を高め、より確実なものにするためです。 もし1つのチャンネルだけで作業していると、別のレイヤーにアクセスすることができません。 これは違った設定を試したり、それらを混ぜ合わせるといった作業が不可能であることを意味します。 作業をやり直したり、別の設定を適用して試してみたりするときに、あらかじめアルファチャンネルのコピーがあれば安心ですし、便利です。 そうすれば、増やしておいたチャンネルから、いつでも作業をやり直すことができます。 ひとつの画像に対して56のチャンネルを作成できるので、それだけ多くの作業スペースを確保できるわけです。

10. 髪の毛のコントラストを増やす

イメージメニュー/色調補正/レベル補正を選択します。 より良いマスクを作成するために、レベルを調整しましょう。 この場合は、女性の髪の毛と背景のコントラストを際立たせるために、レベル補正の値を80-190に設定しました(入力レベルの左側を80、右側を190に設定します)。

下の図でわかるように、この作業は髪の毛と背景のコントラストを際立たせるのに非常に有効です。 しかし肩と背景の部分はあまり変化せず、画像の一番下にあったはずの非常に薄いグレーの部分は、ほとんど消え去っています。

phs8kbhairmask_4_int

なぜもっと良いレベル値の設定を見つけないのか? という点に疑問を感じるかもしれません。 しかし、この設定値には、ただひとつだけの正解というものはありません。 レベル補正の数値を変更することで、髪の毛の部分だけ、もしくは肩の部分だけを満足な結果にすることはできますが、 その両方を同時に満足させる結果は得られないのです。ここで、アルファチャンネルをもう1つコピーしておいたことが役に立ちます。

11. もう一度アルファチャンネルをコピーする

4~8のステップで作成したチャンネル(「R, B Inv, Subtract, Offset 50」)に戻り、パレットの下にドラッグします。 もうひとつ新しいアルファチャンネルのコピーができたら、 「2回目のレベル調整」と名前を付けます。

12. このチャンネルを使って、肩の部分のコントラストを調整してみましょう。

Ctrlキー+Lキー(Macの場合はCommandキー+Lキー)を押して、レベル補正ダイアログを開きます。 今度はどんなにコントラストの弱い部分でもしっかり際立つように、 数値の設定を170-190に絞りました。 数値を20だけ残したのは、髪の毛の間の微妙なグラデーションを残しておくためのグレー領域分です。 これのおかげで、肩の下の部分もいい感じに仕上がりました。

phs8kbhairmask_5_int