Real World Adobe Photoshop CS2
Bruce Fraser、David Blatner著
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Bruce Fraser、David Blatner著『Real World Adobe Photoshop CS2』より抜粋© 2005 Pearson Education, Inc.およびPeachpitの許可のうえ掲載。本書の購入については、www.adobepress.com*を参照してください。
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調整レイヤーが使用できる以前は、デジタル暗室のテクニックでは、編集レイヤーとして使用する背景レイヤーの複製の複製が必要でした。すべての編集は複製物に対して行われるため、元の画像が破損してしまうことはありませんでした。Adobe® Photoshop® CS2 の調整レイヤーでは同じことが行えます。ただし、調整レイヤーではこれが自動的に実行され、必要となるRAMもずっと少なくて済みます。今ここでこのことを説明した理由は、ベースとなる画像のコピーとして調整レイヤーを考えると、調整レイヤーで何が行われているかを理解することがずっと容易になるからです。調整レイヤーを描画モードと組み合わせて使い始める場合は特にです。
調整レイヤーでの制御は、フラットなファイルの制御とまったく同じように動作します。色調補正サブメニュー(イメージメニューの下にあります)の機能で、調整レイヤーとして適用できない機能は、カラーの適用、色の置き換え、シャドウ・ハイライト、露出量、平均化(イコライズ)、およびバリエーションだけです。レベル補正、トーンカーブ、色相・彩度、およびレンズフィルタは他の機能よりずっと多用されますが、試してみることをお勧めします。画像を統合しない限り、元の画像は背景レイヤーでそのまま残っているため、破損してしまうことはありません。とはいえ、まったく代償なしに、というわけには行きません。画像を統合すると、調整レイヤーは1つずつ計算されるため、それぞれが逆の方向となる連続した編集はやはり避けるべきです。例えば、あるトーンカーブレイヤーで画像をアンダーに調整し、別のトーンカーブレイヤーで画像をオーバーに調整するなどの操作は行わないでください。
調整レイヤーでの作業の最初のステップは、(当然ながら)調整レイヤーを作成することです。Photoshopでは、2つの方法で調整レイヤーを作成できます。

レイヤー/新規調整レイヤーを選択して、調整レイヤーの種類を選択します。
「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」アイコンをクリックして、調整レイヤーの種類を選択します。

どちらか一方が他の方法より優れているというわけではありません。マウスが近い方を選択すればよいでしょう。とはいえ、ほとんどの場合、次のヒントをよりどころにしています。
ヒント:調整レイヤーアクション。調整レイヤーを多数作成しようとしている場合は、アクションパレットに「調整レイヤーを作成する」アクションを作成すると便利です。Bruceは、画像を開いたらすぐに作業できるように、レベル補正、トーンカーブ、および明るさ・コントラストを追加するバッチアクションでRAW画像を処理しています。
調整レイヤーを使用する方法と、フラットファイルを編集する方法の大きな違いは、調整レイヤーではずっと自由に制御でき、より洗練した編集が行えることです。調整レイヤーを使用すると4つの方法で編集を制御できます。これらの方法はフラットファイルでは使えません。
レイヤーパレットの不透明度スライダを変更することで、調整レイヤーの不透明度を制御できます。これにより、全体に対する調整の強さを変更できます。実際に必要としているものより少しだけ編集しすぎてしまったということは頻繁にあります。その場合は、編集レイヤーの不透明度に戻って、必要なだけ効果を減らします。調整レイヤーダイアログボックスで補正を微調整するより、この方法の方が速く行えます。
調整レイヤーの変更を行う必要があれば、レイヤーパレットの調整レイヤーのサムネールをダブルクリックしていつでも編集(トーンカーブの変更や他のオプションの選択)できます。これを行うと、調整レイヤーのダイアログボックスで最後に使用した設定がPhotoshopに表示されます。ファイルの画像を統合するまでは編集内容は実際には適用されないため、画像の品質を低下させることなくこの操作を何度も行えます。

調整レイヤーのサムネールをダブルクリックして、調整レイヤーの設定を変更します
調整レイヤーは複数使用できます。必要な数だけ調整レイヤーを使用できます。それぞれの調整レイヤーは一番上に積み上げられ、連続した編集が行えます。このテクニックは、あるトーンカーブで画像全体を補正し、別のトーンカーブで選択範囲の画像を編集する場合に、特に便利です。ただし、ある調整によって別の調整が打ち消される場合、フラットファイルに連続して編集を適用したときに発生するものと同等の画像の品質低下が発生します。
調整レイヤーは、そのレイヤーの下にある表示レイヤーのすべてに適用されることに注意してください。その結果、各レイヤーの結果はその下にあるレイヤーに依存するため、積み重ねの順序によって結果が変わります。場合によっては、その差はかなり微妙ですが(その差を判別するには情報パレットの数値を確認する必要があることもあります)、顕著にその差が現れる場合もあります。
調整レイヤーを互いに結合することはできませんが、通常のラスタレイヤーには統合できます。必要なレイヤーが1つだけの場合、すべての画像を統合するか、レイヤーメニューの表示レイヤーを統合を選択できます(表示レイヤーの統合では、画像の透明性はすべて維持されます)。この方法は、それが必要な場合しかお勧めしません。というのも、これを行うと調整レイヤーの利点をすべて失いますし、調整レイヤーはほとんど領域を必要としないからです。そうせずに、プロジェクトが完了するまで、すべての調整レイヤーを有効にしたままにします。その後、別名で保存を選択して、別名で保存ダイアログボックスで「複製を保存」チェックボックスをオンに、「レイヤー」チェックボックスをオフにして、統合後のバージョンの画像を保存します。
不透明度スライダは調整レイヤー全体に適用されるのに対して、調整レイヤーのレイヤーマスクを描画することでレイヤーの不透明度を部分的に変更できます。レイヤーマスクの描画は、レイヤーパレットの調整レイヤータイルをクリックして、塗りつぶすだけで行えます。塗りつぶした部分は自動的にレイヤーマスクになります。黒で塗りつぶすと、調整レイヤーの効果を隠します。白で塗りつぶすと効果が現れます。灰色で塗りつぶすと効果が部分的に適用されます(25%黒のインクでは調整レイヤーの効果の75%が適用されます)。オプションバーでブラシの不透明度を変更することで、特定の領域での調整レイヤーの不透明度を厳密に制御できます。
レイヤーパレットで調整レイヤーを選択すると、必ず新しいチャンネルがチャンネルパレットに自動的に追加されることに注意してください。このチャンネルが、実際に描画を行うチャンネルです。レイヤーパレット内のレイヤーマスクでShiftキーを押しながらクリックしてマスクのオン/オフを切り替えたり、Optionキーを押しながらクリックしてレイヤーマスクの表示と非表示を切り替えたりするなど、通常のレイヤーマスクで利用できるテクニックをすべて使えます。
ヒント:塗りつぶしショートカットを使う。頻繁に使用するちょっとしたショートカットについて、再度ここで説明します。レイヤーマスクで塗りつぶす際には、必ずXキーを押して描画色と背景色を切り替えてください。数字キー(0~9)を押して、ブラシツールの不透明度を設定します(例えば、0を押すと不透明度は100%に、9を押すと90%に、45を押すと45%に、などとなります)。
調整レイヤーは画像とは別に保存できます。この方法は、同じカラー補正や階調補正の編集内容を複数の画像に適用する際に最も便利です。
調整レイヤーは、以下のようにして新しいドキュメントまたは別のドキュメントに保存します。
調整レイヤーをコピーする機能は、新たなワークフローの可能性も開きます。調整レイヤーがまだない頃は、必ずトーンやカラーの編集を行う前に、画像のレタッチ(ほこりや傷など)を行っていました。調整レイヤーがあれば、これらの作業の順序は気にする必要がなくなります。2人のユーザが、同じ画像に対して作業(一人がレタッチし、もう一方がトーンとカラーを編集)することさえ可能で、その後、調整レイヤーをレタッチした画像に適用できます。
その他のワークフローのオプションとして、大きなサイズの画像の低解像度バージョンでカラー補正と階調補正の編集内容を作成する、というものがあります。この編集は、低解像度バージョンではより速く行え、それが完了すると500MBほどの巨大な高解像度バージョンの画像にでも、その調整レイヤーを適用できます。もちろん、レイヤーマスクでの塗りつぶしが完了していた場合、高解像度のファイルに配置しても正しく変換されません(後述の「マスクの位置合わせを行う」を参照してください)。
ヒント:調整レイヤーをすばやくコピーする。レイヤーの複製機能は便利ですが、単純に画像のレイヤーパレットから調整レイヤーを他の画像の一番上にドラッグしてコピーした方が速いでしょう。繰り返しになりますが、2つの画像の縦横のピクセル数が異なる場合、レイヤーマスクはおそらく正しく転送されません(次のヒントを参照してください)。
さらに良いことに、Photoshopのバッチ処理機能で、アクションを使用し、調整レイヤーの作成をスクリプト化して、同じ編集を画像のフォルダ全体に対して厳密に適用できます。唯一の制限は、レイヤーマスクでブラシを使用して作成した編集はスクリプト化できないことです。
ヒント:マスクの位置合わせを行う。2つの画像の縦横のピクセルが同じであれば、ある画像の調整レイヤーマスクを他の画像に合わせることは簡単です。レイヤーを複製コマンドを使用して調整レイヤーを他のドキュメントに移動すると、Photoshopによってレイヤーマスクは新しいドキュメントの中央に配置されます。2つのドキュメントの縦横のピクセル数が同じ場合、これは非常にうまく動作します。逆に異なっている場合は、問題が発生します。
調整レイヤーをあるドキュメントから他のドキュメントにドラッグすると、レイヤーマスク上のピクセルはすべて厳密にレイヤーをドロップした場所(つまりマウスボタンを離した場所)に配置されます。ほとんどの場合、これは望んだどおりの場所にはなりません。ただし、2つの画像の縦横のピクセル数が同じであれば、Shiftキーを押したままレイヤーをドラッグすると、Photoshopによって対象となる画像にぴったり合うようにレイヤーが配置されます。
画像の縦横のピクセル数を合わせるには、対象となる画像(変更する画像)の画像解像度ダイアログボックスを開いて、ウィンドウメニューで元の画像(コピー元の画像)を選択してください。
ヒント:調整レイヤーとディスクの空き領域。1つまたは複数の調整レイヤーを画像に追加すると、調整レイヤーは本質的に空のレイヤーであっても、ディスクにPhotoshop形式で保存したときに、一見するとサイズが倍になったように見えます。ここでは、ファイル管理ダイアログボックス(編集メニューの下にあります)で、「PSD および PSB ファイルの互換性を優先」を「常にオフ」にすることが重要です。この機能をオンにする必要のあるワークフローはほとんどありません。これをオフにすると、Photoshopファイルはずっと小さくなります。
Photoshopでは、レイヤーのあるファイルをTIFFまたはPDFで保存できます。これらのファイルを他のアプリケーションである程度までは読み取ることが可能です。つまり、他のアプリケーションでは、統合化された状態で読み取られます。これまでに、レイヤー化したファイルを使用すると他のアプリケーションやRIPで問題が発生したという内容の信頼できる報告に出会ったことはありませんが、これらを使用する場合に発生するトレードオフは、ネットワーク上でより多くのデータのやり取りが発生する代わりに、行った編集内容をすべて後戻り可能な単一のファイルに収めることができる、ということです。単一ファイルのワークフローに魅力を感じるなら、試されることをお勧めします。ただし、お使いのネットワークやサーバーでそのトラフィックが処理できることを必ず確認してください。
それができない場合は、画像を統合(レイヤーメニューにあります)を使用して、画像を統合したバージョンで保存します。元のレイヤー化されたドキュメントをそのままにして、統合化されたファイルを保存するには、別名で保存を選択し、別名で保存ダイアログボックスで、「複製を保存」チェックボックスをオンにして、「レイヤー」チェックボックスをオフにします。