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第1回目は「Adobe AIR 2をはじめよう」と題し、あらためてAdobe AIRと新機能の概要を説明するとともに、「開発環境の構築→アプリ作成の手順→配布」とAIRアプリケーションを作成する際の一連の流れについて解説します。
本記事のサンプル:AIR2master01sample.zip
AIRとは「Adobe Integrated Runtime」の略で、 日本語にすれば「アドビ 統合実行環境」となります。Adobe AIRは、ブラウザ内での動作に限定されていたSWFファイルをデスクトップ環境でも動作させる際に必要となる様々な機能を提供し、クロスプラットフォーム化を実現するための実行環境です。
Adobe AIRの最大の利点の1つは、作成したAIRアプリケーションが、Adobe AIRがサポートするOSであれば、どのOSであっても同じように動作するという点です。 例えば、「ウィンドウを開く」という1つの操作にしても、ネイティブアプリケーションを開発する場合は、WindowsとMac OSでは必要な手順や作法が異なります。しかし、AIRアプリケーションの場合は、同一のAPIを通じてOSネイティブなウィンドウ操作を実現することができます。
また、Adobe AIRを通じて、SWF単体では不可能なことを実行することができます。以下は、代表的な例です。
2008年2月にAdobe AIRの最初のバージョンである1.0がリリースされて以来、デスクトップウィジェットやデスクトップRIAなど、デスクトップに彩りを与える活用例は日々増え続けています。下記サイトでは様々な活用例を見ることができます。
Adobe AIR 2(本稿執筆時の最新版は 2.0.3)の新機能のうち、代表的なものを以下に挙げておきます。詳しくは、「Adobe AIR 開発者向けリリースノート」や「Adobe AIR Release Notes」をご覧ください。
それでは、Adobe AIR 2向けのアプリケーション開発を始めるのに必要な環境を整えて行きます。AIR2アプリケーションを開発するには、下記のいずれかが必要です。
本記事では、Flash Builder 4とFlash Professional CS5を取り上げて詳しく解説していきます。
※単体で配布されているAIR 2 SDKやFlex SDK 4.1以降に同梱されているAIR SDKを用いることで、コマンドラインツールによる開発が可能ですが、やや難易度が高くなるため今回は省略します。
Flash Builder 4でAIR 2アプリケーションを開発する場合、バージョン4.0.1以降が必要です。また、Flex SDK 4.1と組み合わせて使用します(Flash Builder 4.0.1のインストールまたはアップデート時に、Flex SDK 4.1も同時にインストールされます)。アプリケーション開発にはFlex Frameworkを利用することが多いですが、Flex Frameworkを使用せずにActionScript 3.0のみで開発することも可能です。
Flash Builder 4を持っていない方は、無償の体験版を利用できます。Flash Builderにはスタンドアローン版とEclipseプラグイン版があり、ここではスタンドアローン版の手順を解説します。
以上で、Flex Builder 4でAIR 2アプリケーションを開発するための準備が完了しました。
Flash Professional CS5でAIR 2アプリケーションを開発する場合、Adobe AIR 2のサポート機能はアップデート11.0.1で追加されたため、アップデートは必須です。Flex SDKが提供する豊富なコンポーネント類などを使う必要がなければ、すべてFlashで作成した方が、よりプリミティブでファイルサイズがコンパクトなAIRアプリケーションを作成することが可能です。
Flash Professional CS5を持っていない方は、無償の体験版を利用できます。以下、インストールの手順を解説します。
以上で、Flash Professional CS5でAIR 2アプリケーションを開発するための準備が完了しました。
Flex Builder 4、Flash Professional CS5、どちらのツールを使う場合でも、作成したAIR 2アプリケーションの動作確認を行うにはAdobe AIR 2ランタイムが必要です。下記サイトから最新版のAdobe AIR 2 ランタイムをインストールします。Flex Builder 4と同時にインストールされるAdobe AIRランタイムのバージョンは1.5.3と古いため、必ずアップデートするようにしてください。
http://get.adobe.com/jp/air/
開発環境が整ったところで、実際にAIR 2アプリケーションを作成してみましょう。作成するのは、現在時刻を表示するだけのシンプルな時計アプリです。ここでは手順を理解してもらうことを目的としているため、コードの解説は省きます。
ここでは、Flex Frameworkを使用せずにActionScript 3.0で開発する方法を解説します。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<s:WindowedApplication xmlns:fx="http://ns.adobe.com/mxml/2009"
xmlns:s="library://ns.adobe.com/flex/spark"
xmlns:mx="library://ns.adobe.com/flex/mx"
width="200"
height="100"
showStatusBar="false"
applicationComplete="applicationCompleteHandler()"
>
<fx:Declarations>
<!-- 非ビジュアルエレメント (サービス、値オブジェクトなど) をここに配置 -->
</fx:Declarations>
<fx:Script>
<![CDATA[
private function applicationCompleteHandler():void {
var clock:SimpleClock = new SimpleClock();
con.addChild(clock);
clock.start();
}
]]>
</fx:Script>
<s:SpriteVisualElement id="con"/>
</s:WindowedApplication>
※今回のサンプルでは、"時計"のコアとなる部分をFlex Frameworkに依存しない素のActionScript 3.0で記述し、Flexアプリケーションと後述のFlashアプリケーションともに、トップレベルでコア部分を"乗せる"構造になっています。
package {
import flash.display.Sprite;
import flash.events.Event;
import flash.events.TimerEvent;
import flash.text.TextField;
import flash.text.TextFieldAutoSize;
import flash.text.TextFieldType;
import flash.text.TextFormat;
import flash.utils.Timer;
/**
* 単純な時計クラス
*/
public class SimpleClock extends Sprite {
/** 時刻を表示するテキストフィールド */
private var timeText:TextField;
/** タイマーインスタンス */
private var timer:Timer;
/**
* コンストラクタ
*/
public function SimpleClock() {
// 時刻を表示するテキストフィールドの生成・設定
timeText = new TextField();
timeText.type = TextFieldType.DYNAMIC;
timeText.autoSize = TextFieldAutoSize.LEFT;
// 時刻を表示するテキストを中央揃えにするために、"stage"プロパティを参照する必要があるが、
// コンストラクタ内では、まだ"stage"プロパティに参照できないため、
// ADDED_TO_STAGEイベントが発生するのを待つ
timeText.addEventListener(Event.ADDED_TO_STAGE, addedToStageHandler);
// タイマーの生成
timer = new Timer(1000); // 1秒おきにハンドラが呼ばれるようにする
timer.addEventListener(TimerEvent.TIMER, timerHandler);
addChild(timeText);
// 今の時刻を初期表示する
timeText.text = formatDate(new Date());
// 文字のスタイルを設定
var textFormat:TextFormat = new TextFormat();
textFormat.color = 0x000000;
textFormat.size = 18;
timeText.setTextFormat(textFormat);
timeText.defaultTextFormat = textFormat;
}
/**
* 時刻を表示するテキストフィールドがステージに追加され(表示された)時に呼ばれるハンドラ
*/
private function addedToStageHandler(event:Event):void {
// イベントの監視を解除
removeEventListener(event.type, arguments.callee);
// 時刻をステージの中央に表示する
timeText.x = stage.stageWidth / 2 - timeText.textWidth / 2;
timeText.y = stage.stageHeight / 2 - timeText.textHeight / 2;
}
/**
* Timerインスタンスで指定した、規定の間隔が経過した時に呼ばれるハンドラ
*/
private function timerHandler(event:TimerEvent):void {
timeText.text = formatDate(new Date());
}
/**
* 時計を開始する
*/
public function start():void {
timer.start();
}
/**
* 時刻を整形する
*/
private function formatDate(d:Date):String {
var time:String = d.fullYear + "/";
time += leftpadZero(d.month + 1) + "/";
time += leftpadZero(d.date) + " ";
time += leftpadZero(d.hours) + ":";
time += leftpadZero(d.minutes) + ":";
time += leftpadZero(d.seconds);
return time;
}
/**
* 10未満の数に対し左に"0"を追加して、文字列として返す
*/
private function leftpadZero(n:int):String {
var s:String = "";
if (n < 10) {
s = "0" + n;
} else {
s = n.toString();
}
return s;
}
}
}
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<s:WindowedApplication xmlns:fx="http://ns.adobe.com/mxml/2009"
xmlns:s="library://ns.adobe.com/flex/spark"
xmlns:mx="library://ns.adobe.com/flex/mx"
width="200"
height="100"
showStatusBar="false"
applicationComplete="applicationCompleteHandler()"
>
<fx:Declarations>
<!-- 非ビジュアルエレメント (サービス、値オブジェクトなど) をここに配置 -->
</fx:Declarations>
<fx:Script>
<![CDATA[
private function applicationCompleteHandler():void {
var clock:SimpleClock = new SimpleClock();
con.addChild(clock);
clock.start();
}
]]>
</fx:Script>
<s:SpriteVisualElement id="con"/>
</s:WindowedApplication>
下図のような画面が表示されたら、無事に動作しています!
続いて、Flash Professional CS5でAIR 2アプリケーションを作成する手順を紹介します。作成するのはFlash Builder 4の場合と同じ時計アプリです。時計本体を実装するクラスも先ほどと同様のものを用います。クラスのインスタンス化と時計の起動を行う処理の書き方が多少違うだけで、他はほぼ同じです。
この処理では、時計クラスをインスタンス化し、直後に時計を開始させています。
import flash.display.DisplayObject;
var simpleClock = new SimpleClock();
var addedChild:DisplayObject = addChild(simpleClock);
if (addedChild != null) {
trace("SimpleClockがステージに追加されました");
}
simpleClock.start();
stop();
基本的には、作成したAIR 2アプリケーションをWebサーバ上に配置するだけです。Adobe AIR 2ランタイムがユーザのPCにインストールされていれば、ブラウザでサーバ上のAIRファイルにアクセスした際、自動的にAIR 2アプリケーションとして認識され、ファイルを保存するかインストールするかを選択するダイアログが表示されます。
もし、AIRファイルをダウンロードする際に上記のダイアログが表示されない場合、Webサーバ側でAIRファイルが別の形式に誤認識されている可能性があります。その場合には、拡張子が「.air」のファイルの種別をうまく判別させるために、「MIMEタイプ」の設定を追加して下さい。
Apache HTTPD Server:
httpd.conf 又は .htaccessに以下を追加
<code>
AddType application/vnd.adobe.air-application-installer-package+zip .air
</code>
Lighttpd:
<code>
mimetype.assign = (
".air" => "application/vnd.adobe.air-application-installer-package+zip"
)
</code>
Flash Builder 4.0.1やFlash Professional CS5を使用した、はじめてのAIR 2アプリケーション作成手順をステップバイステップで紹介してきました。今後の連載では、下記について取り上げる予定です。お楽しみに!
先日、Adobe Labsにて「Adobe AIR Launchpad」がリリースされました。対象は Adobe AIR 2/Flex SDK 4.0以降(4.1推奨)です。
ウィザード形式のユーティリティで、使い方は各ステップごとに項目を選択していくだけと簡単です。AIRアプリケーションの一般的な設定をしていくことで、最後に雛形となるソースコードを生成してくれます。生成されたファイルはFlash Builder 4のプロジェクト形式となっており、Flash Builder 4に直接インポート/ビルドが可能です。
Adobe AIR 2の新機能を使ったサンプルコードを生成する機能もあるので(ウィザードの3ステップ目の「Sample」)、リファレンス的に使うこともできます。「とりあえず動かしてみる」ことができるので、初めて使う新機能を把握するのに便利でしょう。また、特徴的な機能として、AIRアプリケーションの「インストールバッジ」生成機能があります。まだベータ版ではありますが、AIRアプリケーション開発を手助けする優れたツールなので、ぜひ使ってみて下さい。
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