アドビ システムズが主催する、Adobe Developer Connection(ADC)連動した開発者向けイベント「ADC MEETUP」。第4回目は、「Social Gaming」をテーマとして2月28日に開催された。

そのセッション7では、Rovio Entertainment Ltd.の日本代表であるAntti Sonninen氏より、同社が手がけた世界的ヒットゲーム「Angry Birds」のFacebook版について講演が行われた。なお、このFacebook版は2月14日に公開されたばかりで、Flashテクノロジーを使って開発されている。

※このセッションは、Rovio Entertainment Ltd.の意向により、講演ビデオを配信しておりません。ご了承ください。

1 52番目のゲームが世界的ヒット作へ

Rovioは、2003年に設立されたフィンランドの制作会社だ。設立当初は「Rovio Mobile」という社名で、フィーチャーフォン向けのゲームを手掛けていた。52番目に制作したのが「Angry Birds」で、そのヒットを受け、幅広い事業展開をするようになり社名も「Rovio Entertainment」へと改めたのだという。

そのAngry Birdsだが、とてもシンプルなゲームである。建物の中に豚が数匹いる。そこに向かって鳥たちをスリング(いわゆる、パチンコ)で飛ばすと、衝突の衝撃で豚が消える。全部の豚を退治すればゲームクリアだ。

Angry Birdsには、「Angry Birds RIO」と「Angry Birds SEASONS」というタイトルもあり、シチュエーションを変えて複数タイトルで展開している。また、それらは様々なプラットフォームで遊ぶことができる。Sonninen氏によれば、2010年にスマートフォンで展開し、2011年にはFlashやHTML5を使い、PCやゲーム機などへとその幅を広げてきたのだという。

 2010年:iOS、Android、Palm、Symbian、Maemo
 2011年:Windows、Mac OS、PSP、Roku、Meego、Windows Phone 7

「Rovioは、色々なプラットフォームにAngry Birdsを載せるのが好きなのです。例えば、そこの自動販売機でも十分なCPUとスクリーンがあれば載せると思いますよ」

続いて、Sonninen氏はAngry Birdsの驚異的な数字を紹介してくれた。

  • ダウンロード数:7億本以上
  • MAU(Monthly Active Users 月1回以上の利用者数):1億6千万人以上
  • 1日のプレイ時間:3億分

まさに世界的ヒットゲーム。さらに、バルセロナでリアルなAngry Birds大会が催されたり、アメリカの人気アニメ「ザ・シンプソンズ」に登場したり、昨年にはロシア宇宙飛行士と宇宙旅行したりと、世界中で愛されている。

ちなみに、図1-2の左上は、初期のAngry Birdsの画面である。最初キャラクターは鳥だけだったが、敵キャラをどうするか検討しているときに豚インフルエンザが流行していたため、「豚がいつも鳥たちのおいしい卵を盗むので、鳥が怒った(アングリー)」という設定ができたとのこと。

2 Angry Birds Facebook版の特徴

次に、Sonninen氏はAngry Birds Facebook版の特徴を紹介した。Facebook版を開発するに当たって、追加した新しい要素は2点。1つは「ソーシャルな機能」だ。Facebook版では画面右側に、ユーザーの友人の成績がランキングで掲載される。また、ゲーム中にはトップランカーと点数を競うような表示がされる。そして、ステージ選択画面では、トップ3に入ったステージには王冠がつく。このように競争心を煽る仕掛けが施されている。

もう1つの新要素はゲーム内容の「パワーアップ」だ。図2-3のように、4つの要素が追加されている。これらはゲーム画面の上部のアイコンで選ぶことができる。

3 Flashテクノロジーを採用した理由

Facebook版を開発する上で、Flashテクノロジーを採用した理由として、Sonninen氏は次の点を挙げる。

  • 新しいユーザーへリーチしたい。
  • 既存のファンユーザーへ新機能を提供したい。
  • パフォーマンスに実績がある。

リリースされたのは2月14日だが、実は2011年の春頃から開発にとりかかり、プロトタイプを作っていたのだという。当時のランライムはFlash Player 10、開発環境はプラグラムにFlash Builder、グラフィックにFlash Professionalを使用したとのこと。

「プロトタイプの結果は30FPSでした。目標は60FPSだったので、リリースは見送ることにしたのです。ただ、Flashだと簡単に開発できることを実感できました」

そして、Flash Player 11が登場した。彼らが注目した機能は以下の通りで、中でもメリットを感じたのが「画面サイズがフレームレートに影響しない」点だという。

  • GPUサポートのAPI。
  • 新しいレベルでのグラフィック。
  • ハードウェアに依存しない。
  • 画面サイズがフレームレートに影響しない。
  • CPUをプログラムコードにフォーカスできる。

再度プロトタイプを作成したところ、非常に良い結果となった。

  • 簡単に60FPSを達成できた。
  • 黒い爆弾鳥の爆発効果で、5倍のパーティクルを使えるようになった。
  • アンチエイリアスにより、フルスクリーンでのグラフィック表示がきれいになった。

この結果を受けて、すぐにFlashで2つのAngry Birdsコンテンツを制作している。1つはFacebook版。もう1つは、メキシコのPepsicoによるキャンペーン「Vuela Tazos」用の特別コンテンツ「Angry Birds Vuela Tazos」だ。

4 宇宙へ羽ばたくAngry Birds

Angry Birdsはこれからどこへ行くのか。「それは宇宙」だという。3月22日には「Angry Birds SPACE」というコンテンツが公開される。

またSonninen氏から、日本のユーザーも大切にしていきたいと、「Angry Birds SEASONS」の3月7日のアップデートでは、「日本の春」をテーマにしたエピソード(CHERRY BLOSSOM)が追加されることが発表された。


以上で、ADC MEETUP ROUND 04「Social Gaming」の全セッションが終了した。その後は、パーティ「ADC MEETUP PARTY」が開かれ、アドビWeb Premium CS5.5やRovioのノベルティグッズが当たる抽選会が行われた。

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