アドビの Flash 8 を用いて、Apple 社の iPod で再生できるポッドキャストアニメーションを制作します。このアニメーションは、Flash 8 Basic で使用できる機能のみを使って制作しています。アイデアから制作、公開までより直感的で勢いをキープしたまま制作できる行程を感じ取っていただけると嬉しいです。(もちろん Flash 8 Professional でも制作可能ですが Basic 版でも十分アニメーションは制作できます。)
この記事で紹介している青池氏のアニメーションをビデオ・ポッドキャストとして配信しています。
ビデオ・ポッドキャスト配信サイトからポッドキャストアニメーションをダウンロードして Flash アニメーション体験いただけます。
まずは、ポッドキャストに向け Flash ムービーのフォーマットを決定します。 ドキュメントプロパティーパネルのサイズを「320x240」か「640x480」に設定します。

ポッドキャストでは、「320x240」のサイズで再生されますが、出来上がったムービーをDVDにしたり、テレビで楽しむ事も考えて「640x480」で制作します。次に同じドキュメントプロパティーの中にある項目「フレームレート」(1秒間に何フレーム再生するか)を設定します。iPod ビデオでは、毎秒30フレームの再生が可能です。ここでは、アニメーション制作の便宜上「15fps」と設定します。「30fps」ではより滑らかなアニメーションが制作可能ですが、フレーム数が倍になるとアニメーションのコマ割りも倍になりますので、作業量を考えながらフレーム設定をする事をお勧めします。
思い描くストーリーをまとめて、絵コンテを制作します。今回はポッドキャストで再生されるということを意識して、iPod の液晶でもわかりやすい画面構成を意識します。あまり複雑になったり、テキストが小さすぎたりすると内容が伝わりにくいかもしれません。絵コンテは普通の紙に書いてもいいですし、今回の場合は、Flash 上でラフに描いた絵を、「イメージの書き出し」をして絵コンテにしています。ここで描いた絵を、アニメーション制作時に、「ガイドレイヤー」にペーストして、レイアウトの下書きに再利用しています。


Flash 8 で実際にアニメーションを制作するにあたって、画面上部に「タイムライン」が表示されます。これは左から右に時間の進行を表したもので、先ほど設定した「フレームレート」に従って、時間の流れを表しています。「15fps」であれば、15フレームごとに1秒、「30fps」であれば、30 フレームごとに1秒となります。絵コンテの時に考えたタイミングに従って、タイムラインに下書きを書いてゆくと、実際のアニメーションのタイミングが体感できるはずです。そこでアニメーションのテンポが良いかどうか、繰り返し確認してゆきます。

Flash 8 では、主に「鉛筆ツール」や「ブラシツール」を使って作画をしてゆきます。「鉛筆ツール」は「線」を描くためのツールで「作画した後で修正や、線の太さの調整が可能です。一定の太さのきれいな線を引く事が出来ます。「ブラシツール」は、筆で描くようにタブレットを使用した場合、線に強弱を付けたり、勢いのある線を描くことが出来ます。このツールで描いた線は「塗り」として認識されます。これらのツールで描いた線に「バケツツール」などを使って着色してゆきます。

Flashでは、作画した絵、読み込んだ画像ファイルなどを「シンボル」として登録する事で、「移動」や「縮小拡大」、「回転」、「色彩効果」など様々な効果をかけることが出来ます。アニメーションを製作する場合には「シンボル」の種類を「グラフィックシンボル」に統一して制作するとタイムライン上で動作の確認が出来ますし、ムービーの書き出しにも適しています。
タイムラインにキーフレームを作り、「コマアニメ」を描く場合には、タイムラインの下にある「オニオンスキン」ボタンをアクティブにします。これによって、前後のフレームが半透明に表示されますので、それをガイドにしながら作画してゆきます。半透明に表示される範囲を変更するには、タイムライン上部のオニオンスキンマーカーの範囲を変更するか、「オニオンスキンマーカー設定」で変更します。

いったん「シンボル」に変換したグラフィックは、タイムライン上でキーフレームを設定し、「モーション・トゥイーン」で移動、回転、拡大縮小などを行う事が出来ます。「頭」「体」「二の腕」「腕」などをそれぞれにシンボルとして登録し、この「トゥイーン」を組み合わせる事で、間接ごとに動くアニメーションを製作する事もできます。また「トゥイーン」には、「プロパティパネル」で「イージング」を設定する事で「動き始めは速く、次第にゆっくりと止まる」「ゆっくり動き始めてスピードを上げながら止まる」など、より自然で複雑な動きをつけることもできます。

「タイムライン」上で「レイヤー」を追加し、背景を追加したり、アニメーションの上にタイトルを追加したりしてゆきます。アニメーション部分でも、前後の重なりや、分割して描いた方がわかりやすい所などにレイヤーを追加し、絵を重ねてゆくことが出来ます。レイヤー別に「シンボル」を設定してそれぞれに効果をかけるなどし、複雑なアニメーションの制作も可能です。


アニメーションに付けるサウンドは、アニメーションのグラフィック同様、タイムラインに配置してゆきます。この時、「プロパティ」のサウンド設定を「ストリーム」に設定すると、タイムライン上で動的にサウンドとアニメーションの同期を確認することが出来ます。サウンドもグラフィック同様、「レイヤー」を追加し、BGM、効果音、台詞など「レイヤー」を分けて重ねることが出来ます。音量の設定や、フェードイン、フェードアウトなどは「プロパティ」の「効果」からの選択や「編集」パネルで指定してゆきます。


アニメと音がそろった所で、メニューの「制御」より「ムービープレビュー」を行います。ここで思い通りのアニメーションになっているか確認します。

プレビューがうまく行った所で、ポッドキャスト用ムービーに書き出してゆきます。「ファイル」メニューより「ムービーの書き出し」を選択し、ファイルネームを付けます。その時、フォーマットの選択がありますので「QuicTime ビデオ」を選択します。(Windows 版は AVI ムービーの選択をお勧めします)ポッドキャスト用ですので、サイズは「320x240」、圧縮形式「H.264」、画質は高くすればより良くなりますが、ファイルサイズが大きくなります。サウンドはここでは「44kHz 16ビットステレオ」に設定しておきます。


これで、QuicTime ビデオが作成されるはずです。
ここで、Apple 社から提供されている「iTunes」を立ち上げ、「ファイル」メニューより「読み込み」で先ほど作ったムービーファイルを読み込みます。読み込みが完了した時点で「ビデオ」メニューにムービーのサムネイルが表示されます。このサムネイルを選択し、メニュー「詳細」より「選択項目を iPod 用に変換」を選択します。これで、iPod 用ビデオの完成です。

Flash と iTunes でオリジナルのアニメーションを、世界に向けて発信してください。
青池 良輔氏