4 November 2007
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この記事は、Flash CS3 Professionalで複数のビデオを扱うコンテンツ制作に興味がある人を対象としています。初級者~中級者向けの内容で、FlashやFlash Videoの制作経験があると理解しやすいでしょう。
初級
この記事で紹介するのは、複数のビデオを表示できるビデオショーケースのテンプレートです。このビデオショーケースにはビジュアルナビゲーションやビデオチャプタのキャプション機能が付いています。どのような用途にも使えますが、プライベートなビデオコレクションを公開したいという人に特におすすめです。しかも、このテンプレートは簡単にカスタマイズができるようになっています。
この記事では、ビデオショーケースの概要と、そのカスタマイズ方法について解説します。
ビデオショーケーステンプレートのカスタマイズ方法の解説に入る前に、記事を理解しやすくするために、はじめにこのテンプレートの概要を説明しておきましょう。もし、この手のテンプレートに馴染みのあるという人は、次のカスタマイズ解説ページへスキップしても構いません。
まずは、この記事で登場する用語の確認です。
Tip: このビデオショーケースの目的上、プログレッシブ配信の場合、ナビゲーションキューポイントはエンコーディング時に埋め込まなければなりません。そうすることで、チャプタボタンがクリックされた時、正確なナビゲーションが行えるようになります。
このビデオショーケースでは、複数のビデオを表示するためにテンプレート手法を採用しています。異なるセクションのビデオを表示することができますが、たった1つのテンプレートを作るだけでいいのです。ビデオ、画像、テキストのデータをSWFファイルとは別に外部ファイルとして用意し、1つのコンテンツレイアウトに差し替え表示しています(図1)。
これらの外部ファイルは、SWFファイルと同じディレクトリに置いておきます。SWFファイルがWebブラウザで実行されると、ビデオショーケースの設定を定義したXMLファイルを読み込み、その内容に従ってテキスト、画像、ビデオファイルを読み込みます。
このように外部ファイルを使ったアプローチだと、Flashファイルを修正することなく、コンテンツの変更を行うことができます。つまり、Flashを使ったことがない人でもFlashサイトの更新作業を行うことができるのです。もう1つのメリットは、SWFファイルが読み込まれる前に、XMLファイルを差し替えることができることです。たとえば、違う言語のテキストコンテンツを用意して、アクセスしてきたユーザーの地域によって表示言語を変えたり、異なるコンテンツセットを用意して、ターゲットユーザーごとにコンテンツ内容を変えるということができます。
全体的なカスタマイズフローは以下の通りです。
FLAファイルの中身は至ってシンプルです。このテンプレートでは、各コンテンツは外部ファイルとして用意しているため、SWFファイル自体のファイルサイズはかなり小さくなっています。見た目やレイアウトを好みのスタイルに変更するには、マインタイムラインのフレーム1に配置しているアセットを編集します(図2)。
XMLファイルは、「.xml」拡張子を付けたテキストファイルです。通常、XMLファイルの中身は、プログラムやレイアウトのロジックではなく、単にデータの関係性を示す内容が記述されています。その記述内容をもとに、Webアプリケーションはサーバとローカルコンピュータの間で、テキストや情報を行き来させます。
XML言語では、ユーザーが定義したペアのタグを使います。ちょうどHTMLタグのような感じです。タグ同士の関係性や入れ子記述方法によって、データの構造を示しています。この記事のビデオショーケースでもXMLファイルを使用しています。まずは、以下の例をもとに、ビデオセクションの書き方を覚えてください。
<showcase>
<section>
<title>ATV Riding</title>
<video>video/ATV.flv</video>
</section>
<section>
<title>Jetskiing</title>
<video>video/JetSki.flv</video>
</section>
</showcase>
タグは括弧(<>)で囲まれた部分で、開始タグと終了タグのペアとなっています。終了タグと開始タグは同じですが、終了タグには頭にスラッシュ(/)が入ります。このペアタグとその間に囲まれている記述を合わせて「ノード」といいます。
XML ファイルには、必ず「ルートノード」があり、ドキュメント内の他のすべてのノードを含むノードです。上記の例では、
Tip: XMLファイルの記述スタイルを覚えるための簡単な方法は、サンプルを元に編集していくことです。
当たり前のことかもしれませんが、このビデオショーケースの概要を把握したら、すぐにファイルを開いて作業してみるのではなく、まずはカスタマイズの内容をプランニングしましょう。セクションの数は? 各セクションのチャプタ数は? チャプタボタンのサムネイルはどうやって作る? どのような見た目にする?……。
カスタマイズのアイデア出しに少し時間をかけてもいいでしょう。アイデアが固まっている方が、カスタマイズ作業もスムーズに行えます。
次にテンプレートのカスタマイズについて解説します。このビデオショーケスでは、たくさんのビデオチャプタを表示することができますが、その背景グラフィックは1度だけ読み込んであとは使い回しています。そのため、みなさん自由に背景をデザインすることができます。たとえば、オリジナルのロゴやグラフィック、コンテンツ、テキストなどを追加できます。さらに、キャンバスのサイズを変えることもできますし、ボタンの数や位置を変えることもできます。みなさんが思うようにデザインしてみてください。
それでは、テンプレートのルック&フィールやレイアウトのカスタマイズ方法を解説します。
一番取りかかりやすいのは背景グラフィックでしょう。すぐにFlashで作業に取りかかるのではなく、まず、どのようなデザインにしたいのか、そのアイデアを固めてからFlashで編集作業をするといいでしょう。グラフィックツールを使って、どのようなインターフェイスデザインにするかを考えてみてください。
デザインアイデアが固まったら、以下の手順で背景グラフィックを編集します。
必要ならば、新しいレイヤーやグラフィクを追加してください。もし、フレーム数を増やす場合は、コントローラー部分などの他のレイヤーもそれに合わせてフレーム数を増やすことを忘れないでください。
このビデオショーケースでは、FLVを再生するのにFLVPlaybackコンポーネントを使用しています。コンポーネントを使えば、 ActionScriptを使った開発が非常に分かりやすくなり、しかもテンプレートを拡張する上での可能性が広がります。FLVPlaybackコンポーネントは、FLVを表示するためのプライマリコントローラで、プログレッシブ形式やストリーミング形成でFLVを表示できます。
以下の手順でビデオコントローラを編集します。
flvDisplay.bufferBar = myBuffer;
好きなビデオコントローラ関連コンポーネントを追加してください。なお、いくつかのコンポーネントは、今回のようなマルチ機能テンプレートで使用するとコンフリクトする場合があるので、動作をチェックしながら最適な組み合わせを探してください。
FLVPlaybackコンポーネントの詳しい情報は、
このビデオショーケースには、2種類のナビゲーションボタンがあります。セクションボタンとチャプタボタンです。セクションボタンは、表示する FLVの種類を切り替えるボタンです。セクションボタンをクリックすると、新しいFLVとそのチャプタ情報がスクリーンに読み込まれます。チャプタボタンは、表示しているFLVに埋め込んだキューポイントのビジュアルメタファです。チャプタボタンをクリックすると、キューポイントを埋め込んだ時間に映像がジャンプします。
このテンプレートのコンテンツは動的コンテンツなので、ボタンの見た目を変更する際は、1 つのインスタンスを編集するだけですべてのインスタンスが変更されます。ボタンの数は、インスタンスを追加・削除して自由に調整してください。また、好きなようにレイアウトを変更しても構いません。
以下の手順でボタンのグラフィック要素を編集します。
以下の手順でボタンの数やレイアウトを編集します。
このビデオショーケースには、チャプタに関連したキャプションテキストを表示するキャプションウィンドウがあります。このキャプションウィンドウは、キャプションボタンをクリックすると表示されます。
以下の手順でキャプションウィンドウを編集します。
テンプレートをカスタマイズしたところで、ショーケースで表示するFLVや画像の作成に取りかかりましょう。作業はとてもシンプルですが、FLVエンコーディングの経験が多少なりあった方がいい結果に繋がりやすいでしょう。FLVを作成するのが初めてだという人は、「Flash video learning guide」を参考にしてください。
それでは、このビデオショーケースで使用するFLVや画像の作成方法について解説します。
ソースとなるビデオを編集した経験があれば、そのソースファイルをFLV形式にエンコードする作業はとても簡単です。作業自体は豊富な経験が必要というわけではありませんが、適切なエンコード設定を見つけ出すのは簡単ではありません。通常、デフォルトの設定条件でもそれなりの結果が得られますが、FLVエンコードのノウハウを知る知らないでは、ビデオのパフォーマンスの違いは明らかです。
以下の手順でFlash CS3 Video Encoderを使って、FLVにキューポイントを埋め込みます。
Tip: プログレッシブ形式の場合、再生時にキューポイントを使ったナビゲーションを正確に行うには、エンコード時にキューポイントを埋め込んでおく必要があります。Flash Media Serverを使ったストリーミング形式では、その必要はありません。
次は、チャプタボタンのサムネイル画像の作成方法です。ビデオファイルでキューポイントを埋め込んだ時点のスチールフレームをキャプチャしてもいいでしょうし、テキストやグラフィックを交えた画像を作成してもいいでしょう。
以下の手順でチャプタボタンのサムネイル画像を作成します。
ノート: サムネイル用の画像を用意する際に、ビデオ編集ツールを使った方がやりやすいという人もいるでしょう。自分にあった方法で作成してください。また、サムネイル画像は静止画である必要はありません。アニメーション画像も使うことができます。
FLVやサムネイル画像の準備ができたところで、これらをflaファイルやXMLファイル(Settings.xml)と一緒にまとめます。サイトに必要なファイルを整理しておくと、サイトの編集やメンテナンスが楽になります。
以下の手順で、ビデオショーケースのファイル群をまとめます。
最後に解説するのはXML設定ファイルの記述方法です。このXMLファイルは、すべてを1つにまとめるプロジェクトの定義書のようなものです。 XMLファイルには、テキスト情報やFLV/サムネイル画像へのパス情報が記述されており、それをSWFファイルへと渡します。これらの情報は個別に渡されるため、1つのテンプレートで複数のビデオを表示できるのです。また、このような外部ファイルとXMLファイルを使った方法を採用することで、修正/更新がしやすくなります。たとえば、言語に合わせてローカライズしたコンテンツを提供することができます。仮に、あなたの家族の半分はスペイン語を話し、残り半分が英語を話しているとします。それぞれの言語に合わせたコンテンツを別々に作らずとも、1つのテンプレートで2つの言語に合わせたコンテンツを提供することが可能なのです。
それでは、このビデオショーケースのXML設定ファイルの作成/編集に必要な知識を解説します。
サンプルデータの中にあるXMLソースを上書きして編集するのが手っ取り早く簡単な方法でしょうが、FlashのデータソースとしてXMLファイルを作成する方法を学んでおくのもいいでしょう。
以下の手順でXMLファイルを作成します。
<showcase>
</showcase>
ルートノードに続いて、セクションノード()を追加します。セクションノードでは表示するFLVを定義します。セクションノードの数と、テンプレートのセクションボタンのインスタンスの数は同じでなければなりません。
以下の手順でセクションノードを追記します。
<showcase>
<section></section>
<section></section>
<section></section>
<section></section>
</showcase>
セクションノードの中には3つの要素が入ります。タイトル(title)、ビデオパス(video)、キューポイントリスト(cuepoints)です。先ほどのXMLソースにタイトルノード、ビデオパスノード、キューポイントリストノードを追記します。
以下の手順で、3つのノードを追記します。なお、ソースを簡潔にするために、1つのセクションだけに追記します。
<showcase>
<section>
<title>ATV
Riding</title>
<video>video/ATV.flv</video>
<cuepoints></cuepoints>
</section>
</showcase>
最後に、キューポイントリストノードにキューポイントの情報を追加して、XML設定ファイルを完成させましょう。各セクションのチャプタボタンでは、キューポイントを利用してチャプタナビゲーションを実現しています。
以下の手順でキューポイントの情報をキューポイントリストノードに追加します。
<showcase>
<section>
<title>ATV Riding</title>
<video>video/ATV.flv</video>
<cuepoints>
<cuepoint>
<title>Chapter 1</title>
<time>1</time>
<image>img/atv_1.jpg</image>
<caption>Caption text for chapter 1.</caption>
</cuepoint>
</cuepoints>
</section>
</showcase>
最終的なXML設定ファイルの内容は、サンプルデータで配布している「Settings.xml」を見てください。
さあ、これですべてのカスタマイズ作業が終了しました。あとは、ビデオショーケースを起動させてテストしてみましょう。もし、適切に動作しないときは、XML設定ファイルに問題があることが多いので、まずはそこをチェックしてみてください。
Flashでテンプレートを使ったダイナミックコンテンツ制作手法を習得する上で、今回のビデオショーケースはいいエクササイズになると思います。次のステップとしては、複数のXMLファイルを作って、それらをFlashVarsパラメータで使い分けるように発展させてはいかがでしょうか。このテクニックは、言語環境やユーザーに合わせて表示するコンテンツを動的に切り替えたい場合などに有効な手段です。,/p>
さらに勉強したいという方は、Flashデベロッパーセンターの以下の記事を参考にしてください。