アクセシビリティ
デベロッパーリソース
近藤 信輝

近藤 信輝氏

株式会社Jストリーム

作成日:
2007年6月19日
ユーザレベル:
上級
製品:
Flashmediaserver

Flash Media Live Encoder 1.0を利用したライブ中継

中継概要

Jストリームとアドビ システムズ社は、2007年6月8日に行われた「Adobe Creative Suite 3 発表記念イベント」の基調講演の模様を、Flash Media Live Encoder 1.0Flash Media Server 2.0を利用して、ライブ中継配信致しました。

これは、On2 VP6を搭載したFlash Media Live Encoder 1.0による初めての大規模なライブ中継配信となります。

Jストリームはアドビ システムズ社とFlash Video Streaming Service契約を結び、大規模なFMSを使った配信ができる国内唯一の企業であり、2003年からFlash Videoのホスティングサービスの提供を開始しておりましたが、今回のFlash Videoによる、世界初のライブ中継にも携わることができ、大変喜んでおります。 Flash VideoはFlashコンテンツ内でビデオ配信ができるその高い表現能力と、プレイヤーの普及率から、これまでも、弊社でお取引のある多くのメディア関係者様、企業様、クリエイターの方々からも注目を浴びてきました。

ライブ中継配信に関しましても、リクエストの声は日に日に高まっていた中、今年の2月にFlash Media Live Encoder 1.0がリリースされたことで、いよいよ高品位なライブ配信が可能になりました。Jストリームではオンデマンドでのサーバー運用の経験とライブ中継専門のエンジニアリングチームのノウハウを生かし、早くからFlashによるライブ中継のサービス体制を整え、今回のこの機会を心待ちにしておりました。

配信について

数多くインターネットライブ中継をこなしている弊社では、配信サーバー網の構成をすべて2重化しております。配信サーバーを複数のサーバーセンターに分散させることで、予期しない大規模トラブルでもスムーズに配信が行える体制になっております。

当日は、配信サーバーであるFlash Media Server 2.0に実装された、Edge-Origin サーバー構成のライブストリームの分配機能を利用しました。これにより、自動的に Originサーバーからのライブストリームを受信し、負荷分散ネットワークのどこからでも、自動的にライブ中継にアクセスできるようになります。この機能を利用したことで、すばやく大規模な配信サーバー網を組むことができました。

動画を再生するSWFファイルについても、ファイアーウォールを導入している環境などでも、スムーズに視聴できるように配慮をしています。具体的にはFLVビデオを呼び出すプロトコルとポートをrtmp:1935 → rtmp:80 →rtmpt:80と視聴者の接続環境によって即座に選択するアクションスクリプトを再生用SWFファイルに記述することで、視聴者にもそしてサーバーにも負荷の少ない配信を実現させています。(このようなアクションス クリプトの記述方法については、こちらにサンプルが掲載されています。)

さらに弊社のネットワークエンジニアとFlashクリエイターが、実際にライブ中継テストでSWFファイルの動作を確認しながら共同作業をすることで、短時間にクオリティーの高いファイルを作成し、配信することが可能になったのです。

Jストリーム社内にある、ネットワーク監視ルーム

Jストリーム社内にある、ネットワーク監視ルーム

ライブエンコードについて

エンコード作業は弊社のライブ中継専門のチームが、専用のエンコードPCをイベント会場に持ち込んで行いました。現場にエンコード用PCを持ち込む運用は、いつ何が起こるか分からない緊張感があります。そのため、メインとバックアップの2重構成でPCを組んで運用をしました。また、イベント会場から、サーバーへのライブ中継については、光回線を利用しました。

ライブエンコードにはFlash Media Live Encoderのバージョン1.0.1と1.0.2の両方を使用しました。これは最新のバージョンがSDI映像も取り込めるViewcast社製キャプチャーボード「Osprey」に対応しているためです。もう一台はDigitalRapid社製キャプチャーボード「StreamZ」に対応させました。ライブエンコードの核となるキャプチャーボードを、異なる2種類で試すことにより、今回のチャンスで実践的なデータを蓄積することができました。

Flash Media Live Encoderでのライブエンコーディングは、非常に快適でした。今回は配信レート500kbps、動画画面サイズ360x270、フレームレート29.97fの設定で行いましたが、ビデオコーデック・On2 VP6は高画質でエンコード可能なため、小さい文字の多いソフトウェアのデモンストレーション映像も見やすくなっていたと思います。

Flash Media Live Encoderでは、これ以外にも様々な細かいセッティングが可能です。動きの多いCG映像も快適に見られるような調整もできますし、キャプチャーボードの画質設定に直接アクセスできるため、プレビュー画面を見ながら画質調整することも可能です。

今後のバージョンアップとしては、音声帯域の種類の増加やステレオ対応などの強化、マルチスレッドへの対応などが望まれますが、今回のライブ中継配信は、きわめて高品位なものとなったと思います。

Flash Videoによるライブ中継配信は、今後需要が高まっていくと思われます。Jストリームでは、今回の経験をもとに、皆様に満足いただけるサービスが提供できるように努めて参りたいと思っています。

ライブ配信中のFlash Media Live Encoder画面

ライブ配信中のFlash Media Live Encoder画面

著者について

近藤 信輝氏
株式会社Jストリーム
ストリーミングインテグレーション部 ライブディレクションチーム 課長
ストリーミングライブ配信に関する技術全般から、FMSによるFlash Video配信サービス「Flash Videoストリーミング」に関わっている。