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このドキュメントでは、Adobe Flashランタイムの概要と、Flashランタイムの開発のロードマップについて説明します。このドキュメントの主な目的は、Adobe Flash PlayerおよびAdobe AIRに組み込まれているFlashのコア機能の今後1~2年の見通しに関する、アドビの現在の方針と計画をお伝えすることです。

注意:このドキュメントに含まれる情報は現時点でのものであり、その内容は予告なく変更されることがあります。先の時期になるほど、ロードマップの詳細が変わりやすくなります。ここで取り上げている項目について計画が大幅に変更された場合は、このドキュメントの内容を適時更新します。このドキュメントの最新版は、adobe.com/go/flashplayer_roadmapでいつでもご覧いただけます。

概要

過去10年間にわたりFlash PlayerとAdobe AIRは、豊富な機能を備え、表現力に富むコンテンツを様々なブラウザー、デスクトップおよび端末に配布するための一貫したプラットフォームとして、Webコンテンツの開発に重要な役割を果たしてきました。アニメーションを可能にするプラットフォームとして開発されたFlashランタイムは、あらゆる機能を備えたマルチメディアプラットフォームへと進化し、以前は不可能だったWeb体験を提供できるようになりました。

アドビは、Flashがゲームやプレミアムビデオの制作に最適なアプリケーションであると確信し、これらの分野に重点を置いてFlashの開発に取り組みます。それと同時に、多様なモバイル端末向けに優れたWeb体験を提供できるプラットフォームとして今後もその優位性を維持できるように、このランタイムに採用されているアーキテクチャや言語に変更を加えて行きます。

Flashランタイム

Flashランタイムとは、2つの主要なランタイムであるFlash PlayerとAdobe AIRを意味します。コアのマルチメディアテクノロジーのセットを基盤とするこれらのランタイムは、様々なブラウザー、オペレーティングシステムおよび端末で実行可能な、表現力に富むコンテンツやアプリケーションを作成および配布するための、一貫したプラットフォームを提供します。

Flashコンテンツは主にActionScript 3言語を使って開発され、SWFファイルとしてパッケージ化されるか、ネイティブフォーマットにコンパイルされます。コンテンツにはマルチメディアアセットと、Flashランタイム内で実行および表示するためのコードが含まれています。

Flashランタイムコア

Flashランタイムコアには、個々のランタイム配布の基盤となる、基本APIおよび機能が含まれています。主なランタイム配布はFlash PlayerブラウザープラグインとAdobe AIRであり、実行されるホスト環境に固有の、追加のAPIおよび機能を提供します。

特に明記しない限り、このドキュメントで言及する機能は、コアのFlashランタイムで定義され、この機能が含まれるランタイム配布に適用されるものです。

このドキュメントで言う「Flashランタイムコア」とは、ランタイム配布で共有される、このコアFlash機能のことです。

また、「Flashランタイム」とは、コアFlash機能を基盤とするランタイムのことです。これらのランタイムには、Flash Player(ブラウザープラグイン)とAdobe AIR(スタンドアロンアプリケーション)があります。

Adobe Flash Playerブラウザープラグイン

Adobe Flash PlayerはコアFlash機能を基盤として構築されたブラウザーベースのプラグインであり、様々なブラウザーおよびオペレーティングシステム上で、表現力に富むアプリケーション、コンテンツおよびビデオを、妥協のない品質で表示できるようにします。

ここで言う「Flash Player」および「Flash Playerブラウザープラグイン」とは、Flash Playerブラウザープラグインランタイムのことです。

Adobe AIR

Adobe AIRは、コアFlash機能を基盤として構築されたデスクトップおよびモバイル向けのランタイムであり、多様なパーソナルコンピューター、オペレーティングシステムおよびデバイス向けのスタンドアロンアプリケーションとして、Flashベースのコンテンツを作成および配布できるようにします。

Flashランタイムの歴史

Flash Playerは、シンプルなベクトルベースのグラフィックスやアニメーションを表示するための、ブラウザーベースのプラグインとして、1990年代後半にリリースされました。当時はアニメーションを直接ブラウザーに表示するのが困難だった頃で、アニメーションをWebに表示するための優れたクリエーティブメディアとして、すぐに高い評価を得るようになりました。

その後新しい機能がFlash Playerに追加されて、Flash Player内で可能な操作やWeb上で可能な操作が大幅に増えました。追加された機能には、以下のようなものがあります。

  • アニメーション
  • ベクトルベースのグラフィックス
  • オーディオ(MP3を含む)
  • ビデオ
  • マイクロフォンおよびWebカメラの使用
  • 低レベルのビットマップ操作
  • バイナリベースのソケット
  • 厳密に型指定された、クラスベースのプログラミング言語
  • ハードウェアアクセラレーションされた2Dコンテンツおよび3Dコンテンツ

新しい機能が追加されるにつれ、デザイナーや開発者がWeb用に新しいタイプのコンテンツを作成するようになり、ユーザーがFlash Playerをインストールして使用するのが一般的になりました。これが好循環を生み出しました。Flash Playerに備わった新しい機能によって、Webを介してほぼ世界中にコンテンツを提供できるようになったため、開発者たちは新しいタイプの表現力に優れたコンテンツを開発するようになりました。また、Web上で優れたコンテンツが提供されるようになったため、ユーザーは確実にFlash Playerをインストールするようになりました。

アドビは2008年に、コアFlashランタイム機能を備えたデスクトップランタイムをリリースしました。これがAdobe AIRであり、このランタイムによって、開発者やデザイナーがFlashベースのコンテンツをスタンドアロンアプリケーションとして作成できるようになりました。当初はデスクトップオペレーティングシステム向けのアプリケーションでしたが、最近ではモバイル端末向けのアプリケーションに変わっています。

Flashランタイム戦略の焦点

ブラウザー市場での競争が激しくなるにつれ、ブラウザーのベンダーが、機能豊富なモーショングラフィックスをブラウザーテクノロジーを介して直接展開できる機能を開発し、提供するようになりました。これは、以前は主にFlash Playerが果たしていた役割です。HTML5、CSS3、JavaScriptおよびその他の最新のWebテクノロジーを使って、モーショングラフィックスをブラウザーを介して直接展開するケースが増加しています。Web上での技術革新のエンジンとしてのFlash Playerの役割は変わりませんが、これまでの役割からは変化して行きます。

アドビは、主に2つの用途において、Flashランタイムが特に優れていると考えています。その用途とは、コンソール品質のグラフィックスを使った、機能豊富で表現力に富むゲームの開発および展開と、プレミアムビデオの展開です。

Flashがこうした用途に重点を置くようになっても、既存のコンテンツを実行できなくなったり、ゲームやプレミアムビデオ以外のコンテンツに使用できなくなったりするわけではありません。しかし、今後の開発やバグ修正については、ゲームやプレミアムビデオ向けの処理が優先されることになります。

ゲーム

ゲームは、最高クラスの機能、一貫性、パフォーマンスおよびアクセス性が求められる、実体験型のインタラクティブコンテンツです。統合されたベクトルおよびラスターグラフィックス、アニメーション、同期されたダイナミックサウンド、ビデオおよび応答性に優れたパフォーマンスをWeb上に提供できるFlashは、カジュアルでありながら複雑さが増す一方であるゲームの、標準的なプラットフォームになっています。

ゲームが発展するにつれ、技術的な障害を取り除くことが常に求められます。アドビはFlashランタイムによって、ゲームで求められる新しい機能を他のどのテクノロジーよりも迅速に提供できると共に、より多くのユーザーをターゲットにできるようにします。ゲーム用プラットフォームとしてFlashランタイムが提供する主なメリットおよび差別化要因には、以下のものがあります。

  • Flash Playerブラウザープラグインを介してあらゆる場所のPCをターゲットにできるほか、Adobe AIRを介してモバイル端末をターゲットにできる
  • 新しい機能を素早く追加し、幅広いユーザーに提供できる
  • ハードウェアアクセラレーションされた2Dおよび3Dレンダリングのサポートにより、コンソール品質のグラフィックスを表示できる
  • 規模の大きなゲーム開発者エコシステム
  • 信頼性の高いオブジェクト指向プログラミング言語
  • Adobe Flash Builder、Adobe Flash Professional、Adobe Photoshop、Adobe Illustratorなど、ワールドクラスの開発者向けツール

Flashは、ゲーム開発者が機能豊富なゲームをより簡単に作成してより多くのユーザーに提供できるようにする、他のどのプラットフォームよりも優れたWeb向けのゲームコンソールです。Flash Playerブラウザープラグインは、ほぼ99%のパーソナルコンピューターで追加インストールせずに使用でき、最もよく売れているハードウェアゲームコンソールに比べ、11倍のユーザーが使用しています。さらに、Adobe AIRを利用することで、Flashベースのゲームをネイティブアプリとしてパッケージ化して、Apple iPhone、Apple iPad、Androidスマートフォン/タブレット、Kindle Fireなど、各種のスマートフォンやタブレット端末に提供することができます。

アドビは、ゲーム関連ビジネスの強化に重点を置いて取り組んでいます。例えば、以下に重点を置いて対応しています。

  • 正式なゲームデベロッパープログラム
  • ゲームサービス
  • 開発者がCコード、C++コードおよびライブラリをFlashベースのゲームで活用できるようにするための、製品化されたサポート
  • ゲーム開発用のプレミアム機能およびAPIへのアクセスのライセンシング

Flashランタイムによって障害が取り除かれたことで、幅広いユーザーをターゲットとしてエキサイティングなゲームを提供し、収益につなげることができるようになります。ゲーム業界の大手企業は、Flashベースのゲームに投資することで、毎年巨額の収益を上げていますゲームは、最も機能が豊富で、要件の厳しいインタラクティブコンテンツです。アドビは、迅速な技術革新を遂げ、幅広いユーザーをターゲットにできるFlashが、今後もゲーム制作に最適なツールとしての地位を維持すると確信しています

プレミアム機能およびAPI

2012年3月28日に発表したとおり、アドビはゲーム開発者を対象に、Flash PlayerのAPIにプレミアム機能を導入しています。開発者は、プレミアム機能を使用する場合、アドビとライセンス契約を結ぶ必要があります。

domainMemory APIによる高速メモリオペコードと組み合わせてStage3Dを使用する開発者は、その使用についてアドビとライセンス契約を結ぶ必要があります。Stage3D APIと組み合わせて使用する場合を除いて、domainMemory APIの使用に制限はありません。

Stage3Dハードウェアアクセラレーションと高速メモリオペコードの組み合わせに対するプレミアム機能のライセンスは、domainMemory APIとStage3D APIを一緒に使用する場合にのみ適用され、次のような場合には適用されません。

  • オペコード/domainMemory APIのみの使用
  • ハードウェアアクセラレーションされたStage3D機能のみの使用
  • Stage3Dのソフトウェアレンダリングの使用
  • AIRを使用するネイティブアプリとしてパッケージされたFlashコンテンツ内におけるこれらの機能(組み合わせを含む)の使用

要約すると、Stage 3D APIと組み合わせてdomainMemory APIを使用する場合、プレミアム機能と見なされ、ライセンスの対象となります。

既存のコンテンツと現在開発中のプロジェクトの成功を保証するために、アドビでは、2012年8月1日以前に公開リリースされたコンテンツについて権利放棄を拡張します。プレミアム機能を使用するコンテンツについてはライセンスが必要ですが、それらのケースには取引条件は適用されません。プレミアム機能と契約条件について詳しくは、adobe.com/go/fplを参照してください。

アドビでは、追加のゲーム開発に重点を置いたAPIをバンドルに含めることを計画しています。バンドルに含められる予定の機能は次のとおりです。

  • ローカルストレージAPIを使用してデータをキャッシュできる大規模なアセットを利用するコンテンツの「インスタントリプレイ」ゲーム体験を有効にする機能
  • ユーザーがデスクトップ、タスクバーまたはスタートメニューにアプリケーションを指すショートカットを作成する場合、ブランドの向上やユーザーの獲得を求めるコンテンツ発行者が要求できる機能

初回リリース以降は、新しいランタイムAPIのみがプレミアム機能の内容と見なされます。新機能がFlash Playerに対して導入されるときに、最終リリースの前に新機能がプレミアム機能であるか、標準の無料セットの機能であるかが指定されると共に、ロードマップを通じて、またはプレリリース期間中にあらかじめ発表されます。

追加のプレミアムAPIに関する計画や情報が利用可能になった場合は、このドキュメントも更新されます。

プレミアム機能のライセンス

プレミアム機能の価格は使用や実験を促進するような価格に設定され、ライセンス料金が有効になるには、最低限の収益のしきい値を満たす必要があります。詳しくは、adobe.com/go/fplを参照してください。

プレミアムビデオ

Adobe Flashは、多様なブラウザーおよびオペレーティングシステムに対応し、高い品質と安全性を備えた、一貫性のあるソリューションを提供することで、オンラインビデオの急速な成長を可能にしました。高品質で一貫性のあるコーデック、ストリーミングプロトコルおよびコンテンツ保護テクノロジーを提供するFlashは、オンラインビデオの「ビデオエンジン」として機能します。さらに、低レベルのアクセスを提供するFlashでは、独自の動作やプロトコルをプログラミングできます。これは、高レベルAPIのみを提供する他の製品では不可能です。

オンラインビデオはまだ初期段階にあり、今後、より多くの番組やプレミアムコンテンツがオンラインで利用されるようになると見込まれます。プレミアムコンテンツは、ユーザーがそれを視聴できる場所で消費されます。つまり、デスクトップだけでなく、タブレット端末、携帯電話、スマートテレビおよびその他のビデオストリーミング装置に配信できる必要があります。また、プレミアムコンテンツは、安全で高品質な、魅力のあるコンテンツであると同時に、収益を生み、分析に利用できるものであることが必要です。

アドビは、主要な分野で技術革新を進めることによって、Flash Playerが今後も主導的な立場を維持できると確信しています。例えば、以下の点に重点を置いています。

  • アドビのビデオストリーミングテクノロジーとコンテンツ保護テクノロジーを、より広範囲のプラットフォームにネイティブフォーマットで提供する
  • プレミアムコンテンツのオーナーのニーズに応える
  • ハードウェアベンダーと緊密に連携して、高パフォーマンスで質の高いビデオを提供する

Flashには、以下のような、基本的かつ固有のメリットが多数備わっています。

  • 多様なブラウザー、プラットフォームおよびオペレーティングシステムに対応する、単一の一貫した、プレーヤーおよびコーデックのサポート
  • プレミアムビデオコンテンツをオンライン配布用にライセンスすることを可能にする、コンテンツ保護(単一DRM)のサポート
  • 広告の挿入や分析のサポートなど、プレミアムコンテンツオーナー向けの「ミッションクリティカルな」ビデオプラットフォームを提供する、成熟し、あらゆる機能を備えた実証済みのソリューション

クライアント間の一貫性を実現し、収益の増加につながる広告や分析などのサービスを提供するアドビは、プレミアムコンテンツオーナーのニーズを満たす唯一の企業です。アドビの目標は、プレミアムコンテンツオーナーがより多くのコンテンツをオンラインで提供し、最大限の収益につなげるように支援することです。アドビが提供する高度なビデオソリューションでは、Flashランタイムを活用して、様々な端末に高品質のコンテンツを安全かつスムーズに配信する手段を提供します。また、コンテンツコーナーは、広告の動的な挿入や、分析、レポートおよびユーザーセグメント化を可能にするアドビのテクノロジーを活用して、コンテンツから最大限の価値を引き出すことができます。

テクノロジーロードマップ

ここでは、今後2年間に予定している、Flashランタイムのリリースおよび機能のロードマップを紹介します。最初の2年間が過ぎた後、このロードマップの延長と再定義に伴って、このドキュメントが更新される予定です。ここに記載する情報は、Flashランタイムの今後の大まかな方向と、Flashに計画または検討されているいくつかの機能について、開発者やコンテンツプロバイダーが理解するためのガイドとして提供するものです。

このロードマップはFlashランタイムに関するアドビの現時点での計画および考えを表すものであり、変更される可能性があることをご了承ください。計画されているリリースが後になるほど、リリースの詳細が変更される可能性が高くなります。

情報や計画が変更された場合は、このドキュメントも更新されます。

Adobe AIR

以前、Adobe AIRとFlash Playerブラウザープラグインは、似てはいるものの別個の道を歩んでいました。ほとんどの場合、新しいFlash APIおよび新機能は、まずFlash Player プラグインでリリースされ、最終的にはAdobe AIRのリリースにも組み込まれます。将来は、Adobe AIRとFlash Playerブラウザープラグインのリリースが同期されることが増えて、同時リリースになる予定です。

Adobe AIR 3では、開発者がアプリケーションにネイティブの拡張機能をバンドルすることで、ランタイムのAPIサーフェスと機能を拡張できるようになりました。これらの機能拡張はより低いレベルの言語で記述され、Adobe AIRでは公開されない機能にアクセスできるようにします。

Adobe AIRの将来の開発では、コアFlashランタイムの機能の組み込みに重点が置かれます。デスクトップやモバイル端末に固有のAPIの開発も行われますが、Adobe AIRの開発の主要な目的ではなくなります。Adobe AIR APIで直接提供されない機能を必要とする場合は、ネイティブの拡張APIを介してその機能を追加することを検討してください。

Flash Player 11.2

2012年3月にリリースされたFlash Player 11.2は、ゲームおよびビデオ市場において需要な機能を追加することに重点を置いて開発されています。

このリリースに含まれている機能には以下のようなものがあります。

  • マウスロックのサポート
  • 右および中央のマウスクリックのサポート
  • コンテキストメニューの無効化
  • Apple iOSおよびAndroid向けの、ハードウェアアクセラレーションされたグラフィックス/Stage 3DのAdobe AIRを介したサポート
  • ハードウエアアクセラレーションされたコンテンツの可用性を拡大するための、ハードウェアアクセラレーションされた様々なビデオカードのサポート(2008年1月より)
  • 新しいスロットルイベントAPI(Flash Playerがコンテンツをスロットリング、一時停止または 再開するときにイベントを送出)
  • あらゆるデスクトッププラットフォーム上でビデオの全体的なパフォーマンスを強化する、マルチヘッドビデオデコードパイプライン
  • デバッグプレーヤーのプレミアム機能の使用の通知、コンテンツはリリースプレーヤーで無制限に実行

Flash Player 11.2のプレミアム機能

Flash Player 11.2のプレミアム機能の技術的な実装の概要を以下に示します。

  • domainMemory APIの使用は制限されていません。
  • Flashデバッグプレーヤー内でStage3Dと組み合わせてdomainMemory APIを使用する場合、将来のプレーヤーでライセンスの対象となるAPIを使用していることを開発者に通知する透かしが表示されます。

Flash Player 11.3

現在のリリースであるFlash Player 11.3では、ゲーム市場において重要な機能や、開発者からの要望が多い機能を組み込むことに重点を置いています。

このリリースに含まれている機能には以下のようなものがあります。

  • フルスクリーンモードでのキーボード入力のサポート
  • 低レイテンシのオーディオに対応するための、オーディオサポートの強化
  • Stage 3Dコンテンツ向けにテクスチャをプログレッシブにストリーミングする機能
  • FirefoxでのFlash Playerの保護モード
  • フレームラベルイベント
  • BitmapDataからJPEGおよびPNG形式への圧縮のサポート
  • Mac OS X App Storeのアプリケーションサンドボックス要件のサポート
  • Stage3Dのテキストストリーミングのサポート
  • GPUドライバーの詳細に関する幅広い情報
  • 高品質APIによるビットマップ描画(新規)
  • 外部でのマウスリリースイベントAPI
  • Mac OS用のFlash Playerのサイレントアップデートのサポート
  • Android 4.0デバイスでのスタイラスのサポート(Adobe AIR)
  • iOS用のUSBのデバッグ(Adobe AIR)
  • iOSシミュレーターのサポート(Adobe AIR)

Flash Player「Dolores」

アドビは、2012年の下半期にFlash Playerの追加リリースを計画しています。「Dolores」というコードネームが付けられたこのリリースでは、ゲーム市場向けの機能の組み込みや、Flash Playerの一般的な使用事例の強化に重点が置かれています。

このリリースで計画されている機能には以下のようなものがあります。

  • ActionScriptワーカー(個別のスレッドでActionScriptの並行実行が可能)
  • 高度なプロファイリングのサポート
  • ByteArray向けのLZMA圧縮のサポート
  • 2006に拡張されたStage3D用にハードウェアアクセラレーションされたビデオカードのサポート
  • Apple iOSをターゲットとした場合のActionScriptのパフォーマンスの強化
  • 現在の環境でのパフォーマンスについて通知する、パフォーマンスインデックスAPI
  • 高速メモリオペコードにアクセスするためのActionScript 3 API(Stage3D APIと組み合わせて使用した場合のプレミアム機能)

Doloresのプレミアム機能

Doloresリリース以降、プレミアム機能(Stage3Dハードウェアアクセラレーションと高速メモリオペコードの組み合わせ)を使用するコンテンツはライセンスを必要とします。

技術的な実装は次のとおりです。

  • Stage 3D APIと組み合わせたdomainMemory APIの使用は、アドビとのライセンス契約の対象となり、制限されます。コンテンツにライセンスがない場合、(ハードウェアではなく)ソフトウェアモードでレンダリングされます。
  • デフォルトでは、プレミアム機能(Stage3Dと高速メモリオペコード)が使用されている場合、デバッグプレーヤーにプレミアム機能のライセンスが必要であることを示す透かしが表示されます。プレミアム機能の開発とテストを容易にするために、開発者はデバッグプレーヤーでこの透かしを無効にすることができます。

Flash Player「Next」

アドビは、2012年に計画されている11.2リリースとその後のリリースに取り組む一方で、Flashランタイムのコードベースの刷新も行っています。これは、今後10年にわたって、Flashランタイムが開発者のニーズに確実に応えることができるようにするためです。このドキュメントでは、この作業をFlash PlayerおよびActionScriptの「Next」と呼んでいます。

この作業では以下に対応しています(ただし、以下に限定されるものではありません)。

  • 現在のコアFlashランタイムのコードベースのリファクタリングおよび刷新
  • ActionScript仮想マシンへの取り組み
  • ActionScript言語のアップデート

この作業の主な目標は、コアFlashランタイムとActionScript仮想マシンの最新の実装を提供して、スクリプト実行のパフォーマンスを大幅に強化すること、および今後10年にわたるFlashの強化の基盤を提供することです。

現時点で、この作業の成果となるFlashランタイムの最初のリリースは、2013年になると見込まれています。

アドビでは、2013年中のリリースにおいて、Adobe AIRでのハードウェアアクセラレーションされたStageVideoのサポートを追加する予定です。

ActionScript「Next」

ActionScriptのアプリケーションおよびコンテンツの範囲は近年大きく変化しましたが、ActionScript 3言語は、2006年の導入以来ほとんど変更されていません。アドビでは、表現力、生産性およびパフォーマンスの強化を図るため、この言語を改訂し、さらに進化させるべき時期が来たと考えています。

言語の設計については、以下を次世代型ActionScript開発の指針とします。

  • 開発スピードなど、スクリプト言語の短期的なメリットだけでなく、堅牢性、モジュール性、保全性などの長期的なメリットを求める声が増加していること
  • パフォーマンスの強化を求める声が増加していること
  • ハードウェア使用率の強化を求める声が増加していること

アドビは、まずパフォーマンスの大幅な強化を短期間に実現し、その後も長期的にパフォーマンスの強化を図って行くことを計画しています。ActionScriptを進化させるための、第一の目標はパフォーマンスです。アドビが次の目標としているのは、この言語を簡素化し、ツールサポートを強化し、バグ防止策を強化することによって、開発者の生産性の向上を実現することです。さらに、無駄な複雑さを解消することで、Flashランタイムでの技術革新を迅速化できるようになります。

次世代型ActionScript言語および仮想マシンの開発において、現在以下のような項目に取り組んでいます。

  • デフォルトでは静的型指定を強制し、動的型指定をオプションとする:大部分のプログラムの大部分のストレッチでは、静的型指定によってメリットを得ると考えられます。ActionScript 3では、厳密に静的型指定が求められる場合に、あまりにも簡単に動的型指定が行われる傾向があります。これを修正する予定です。必要な場合は動的型指定も引き続き使用できますが、ActionScriptのデフォルトの型指定ではなく、明示的に有効にすることが求められるようになります。
  • 型の推定:型宣言は、それが戦略的に必要とされる場所でのみ行われます。それ以外の場所では、コンパイラーが自動的に適切な型宣言を推定し、プログラム全体を静的型指定として処理します。プログラマーが型を宣言する必要はありません。このようにして、型指定されていないプログラミングの利便性が発揮されると同時に、型指定されたプログラミングによるパフォーマンス上のメリットも提供されます。
  • ハードウェア指向の数値型:intuintfloatfloat4byteshortlongなど(正式にどのような型セットになるかは、現在検討中です)。現在のActionScript 3では、整数値が浮動小数点値にオーバーフローできます。算術演算によって基になる数値表現が変わらないように、この仕様が変更されます。この変更によって、実装の複雑さが大幅に軽減され、ランタイムパフォーマンスが強化されると予測しています。

ここに挙げたのは、アドビが重点を置いて取り組んでいる項目のいくつかに過ぎません。今後、この言語および仮想マシンをどのように改訂するかについて、その手法が変わったり、方針が固まったときには、このドキュメントを更新する予定です。

互換性

次のバージョンのActionScriptはActionScript 3を進化させたものになりますが、場合によっては、ActionScript 3との互換性を完全に維持することができなくなる可能性もあります。しかし、ActionScript 3から次のバージョンへの移行は、ActionScript 2からActionScript 3への移行よりも負担の少ないものになると見込んでいます。

いずれにしても、移行を容易にする、または自動化するためのツールオプションを現在検討中です。

現在のActionScript 3コンテンツは、ActionScriptの最新の反復処理として同じ仮想マシンで実行することはできない可能性がありますが、引き続きFlashランタイムで実行可能です。これは、ActionScript 2ベースのコンテンツが現在Flash Playerで実行される方法と同じモデルです。

一般情報

ここでは、Flashランタイムに関する一般的な情報およびガイドを示します。

プラットフォームのサポート

アドビでは、Flashランタイムの各リリースにおいてサポートされるプラットフォームを公開しています。各リリースでサポートされるプラットフォームのリストはアドビのWebサイトで公開されており、最新のリストはadobe.com/products/flashplayer/systemreqs/にあります。

ブラウザー向けFlash PlayerプラグインとPCおよびデバイス向けAdobe AIRでは、サポート対象が異なる可能性があります。詳しくは、それぞれのリリースノートを参照してください。

パーソナルコンピューター

アドビでは、PCのオペレーティングシステム向けに、Flash PlayerブラウザープラグインとAdobe AIRの両方を提供しています。さらに、サードパーティーと連携して、様々なブラウザーおよびオペレーティングシステム構成向けにFlashランタイムの開発/配布を支援しています。

Apple OS X:

アドビでは、Mac OS Xオペレーティングシステム向けに、Flash PlayerブラウザープラグインとAdobe AIRの両方のサポートを提供しています。Mac OS Xオペレーティングシステムでは、Adobe AIRアプリケーションを直接配布することも、Mac App Storeを介して配布することもできます。

アドビは現在、Adobe AIRアプリケーションを新しいMac OS Xアプリケーションサンドボックス要件に従ってMac App Storeで配布できるようにする作業に取り組んでいます。このサポートは、「Cyril」ランタイムのリリースの一部として組み込まれる予定です。

Microsoft Windows:

アドビでは、Windowsベースのオペレーティングシステム向けに、Flash PlayerブラウザープラグインとAdobe AIRの両方のサポートを提供しています。

Windows 8:

マイクロソフト社は現在、次世代のWindowsオペレーティングシステムであるWindows 8の開発を行っています。このオペレーティングシステムには、様々なユーザーインターフェイス構成(デスクトップおよびMetroスタイル)や、様々なターゲットプロセッサーチップセット(x86/64およびARM)が組み込まれるため、Flashランタイムの開発ターゲットも多様化します。さらに、Windows 8 Metroスタイルはタブレットやタッチスクリーンデバイスの主なインターフェイスですが、デスクトップおよびラップトップ上で実行されるWindows 8のユーザー体験のコア部分でもあります。

Flash Playerのリリースおよびデバッグプレーヤーは、x86/64とARMの両方のプラットフォーム上のWindows 8デスクトップおよびMetroスタイルの体験で利用でき、サポートされています。

ユーザーにとってのベストな体験を保証するために、MicrosoftはMetroスタイルのInternet Explorerで適切に動作する既知のHTMLおよびFlashコンテンツの互換性表示の一覧を維持します。互換性表示の一覧にないFlashコンテンツは、Windows 8上のMetroスタイルのInternet Explorer内で表示されません。開発者やユーザーには、Windows 8のデスクトップでの表示を含め、このようなコンテンツの表示方法に関する多くのオプションが用意されています。

AdobeおよびMicrosoftは、Flashコンテンツでエンドユーザーにベストな体験を提供できるようにする方法に関する情報を公開しました。このドキュメントは、adobe.com/go/flash_windows8_guidelinesからダウンロードできます(DOC、180 KB)。

Adobeでは、Windows 8デスクトップとMetroの両方を、Adobe AIRのサポートされるプラットフォームとして追加することをコミットしています。さらに具体的な情報が入手された時点で、このドキュメントが更新されます。

Linux:

アドビはグーグル社と緊密に連携して、ブラウザー内でプラグインをホストするための新しい単一のAPIの開発に取り組んでいます。「Pepper」というコードネームが付けられたこのPPAPIは、プラグインとブラウザーの間に、ブラウザー実装とオペレーティングシステム実装との間の差異を取り除くレイヤーを提供することを目的としています。Pepper APIについて詳しくは、http://code.google.com/p/ppapi/を参照してください。

アドビはグーグル社との共同作業を通じて、Google Chromeブラウザーがサポートするすべてのx86/64プラットフォーム向けに、Flash Playerの「Pepper」実装を提供することができました。グーグル社は、Linuxを含むすべてのプラットフォーム上でChromeの一部として、この新しいPepperベースのFlash Playerの配布を今年後半から開始する予定です。

11.2後のFlash Playerのリリースにおいて、Linux向けのFlash Playerブラウザープラグインは、Google Chromeブラウザーの一部として「Pepper」APIを介してのみ利用可能になります。アドビから直接ダウンロードして使用することはできなくなります。Pepper以外のLinux向けFlash Player 11.2については、リリース後の5年間、引き続きアドビがセキュリティアップデートを提供します。

Linux以外のプラットフォームでは、非「Pepper」プラグインAPIを使用するブラウザーをFlash Playerが引き続きサポートします。

アドビは、Flash Playerブラウザープラグインのデバッグプレーヤー実装をLinux上で提供します。その配布方法の詳細が決まり次第、このドキュメントを更新する予定です。

AIR 3以降、Linuxオペレーティングシステム向けのAdobe AIRのサポートは停止されます。

モバイル

Flash Player 11.1は、モバイルブラウザー向けFlash Playerプラグインの最後のリリースになります。アドビでは、新しいモバイル端末構成(チップセット、ブラウザー、OSバージョンなど)のサポートは追加しません。既存のモバイル端末構成については、2012年9月中は引き続き重要なバグ修正やセキュリティアップデートを提供し、ソースコードのライセンスを持つユーザーが独自の実装を作成およびリリースできるようにします。

アドビは今後も、開発者がAdobe AIRを使ってFlashベースのコンテンツをモバイル(およびデスクトップ)アプリケーションとして作成および展開できるように、積極的に取り組んで行きます。

Android:

2012年8月15日以降、Android上のモバイルブラウザー向けFlash Playerは、Flash Playerの実行が認定され、Flash Playerがプリインストールされたデバイスについて、Google Play Storeでのみ利用可能になります。Flash PlayerはAndroid 4.1ではサポートされていないため、ユーザーはAndroid 4.1にアップグレードする前にFlash Playerをアンインストールする必要があります。

開発者がリリース済みのバージョンのAndroid向けFlash Playerへの継続的なアクセスを必要としている場合は、adobe.com/go/fp_archivesでリリース済みのバージョンのFlash Playerのアーカイブを利用できます。アーカイブからのインストールした場合は、Google Play Storeを通してアップデートが受信されません。

Android向けモバイルブラウザー用のFlash Playerプラグインについて詳しくは、adobe.com/go/fp_android_updateを参照してください。

Android向けFlash Playerプラグインは、Android上のGoogle Chromeブラウザーでサポートされておらず、利用できません。

テレビ

アドビは、デスクトップやモバイル端末の場合と同様に、テレビ向けの今後の技術革新やマーケティング活動においても、プレミアムビデオと高度なゲームという2つの使用事例に重点を置きます。

アドビは現在、2つの異なるモデルで構築された、Flashベースのビデオおよびゲーム用アプリケーションをサポートしています。

  • テレビ向けAdobe AIR
  • Flash Playerを活用してビデオコンテンツを再生するHTMLアプリケーション(このモデルでは、HTMLアプリケーション内でFlash Playerが「ビデオエンジン」として機能します。)

アドビはテレビ分野に全力で取り組んでおり、卓越したビデオ体験およびゲーム体験を実現するために、今後もテレビのハードウェア向けにアドビのテクノロジーを最適化させて行きます。

アドビはこれまで、テレビでの一般的なWeb閲覧用にFlash Playerのライセンスを供与してきましたが、テレビハードウェア上で高品質な一貫したWeb閲覧を保証することが困難であるため、このアプローチはお勧めしません。

詳細情報

ドキュメントのリリース履歴

  • 2012年6月28日
    • Android用のFlash Playerプラグインのサポートに関する情報を追加
    • モバイルブラウザー用のFlash Playerプラグインのタイムラインに関する情報を追加
  • 2012年6月22日
    • Windows 8 Metro上のFlash Player開発者ガイドラインへのリンクを追加
    • 以前のアップデートで誤って削除されたWindows 8用のAdobe AIRのサポートに関する情報を復元
  • 2012年6月1日
    • Flash「Cyril」リリースに対する新機能情報を追加
    • 「Cyril」リリースから「Dolores」リリースにLZMA ByteArray圧縮を移動
    • 「Dolores」リリースから「Cyril」リリースにマウスイベントAPI外部のリリースを移動
    • Windows 8のサポートに関する情報を追加
  • 2012年3月28日
    • プレミアム機能のゲームセクションの情報およびFlashランタイム内でゲームを収益につなげるためのアドビの計画の情報を追加しました。
    • Flash Player 11.2リリースにdomainMemory APIへのアクセスに関する詳細を追加
    • 「Cyril」リリースに機能を追加
    • 「Dolores」リリースに機能と情報を追加
    • Flash「Next」リリースにAdobe AIRでのStageVideoに関する情報を追加
  • 2012年2月23日:小規模改訂および明確化。方針または計画の変更はなし。
  • 2012年2月22日:初回リリース