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イベントレポート「Flex 4、Flash Builder 4、Flash Catalyst ついに現れた!大阪ベータ祭り」

「Flex 4、Flash Builder 4、Flash Catalyst ついに現れた!大阪ベータ祭り」イベントレポート

Adobe RIAテクノロジにおける最新開発ツールである「Flex 4、Flash Builder 4、Flash Catalyst」のベータ版公開を記念して、関西のFlexユーザーを対象にしたイベントが、2009年7月9日(木)、大阪のライブバーオンジェムにて開催された。主催は、日本最大のFlexユーザーコミュニティ Flex User Group(以下、FxUG)。

今回は、スペシャルゲストとして米Adobe Systems シニアプラットフォームエバンジェリスト エンリケ・デュボスと、アドビシステムズ(以下、アドビ)の轟啓介から最新のRIAプラットフォーム「Adobe Flash Platform」について発表があった。

会場

会場は、毎月開催されるFxUG主催のFlex勉強会会場のようなセミナールームではなく、天井にミラーボールが輝く広いライブバーを貸しきったステージで行われた

DJ

オープニングでは、FxUGのhirossy氏がDJ姿で登場して「せっかくなのでDJをしながら司会します」と会場を沸かせた。


Adobe Flash Platformの概要とロードマップ

 (アドビ システムズ 株式会社 轟 啓介)

セッションの冒頭では、「FLARToolKit」というFlashプラットフォーム上で動かせるAR(Augmented Reality)の紹介があった。

会場

ARは、カメラに映し出された紙のパターン上に3Dオブジェクトを合成して表示する。今回は、FLARToolKitを使ってAIRアプリケーション上でARのデモを見せ、「AIRはFlashの機能をフルに使えるのでFlashを使った面白いコンテンツが実現できる」と強調した。

FLARToolKitは、大阪のSaqooshaさんが作られたもの。轟は、「大阪にはこのような素晴らしいものを創り出す優秀な人が多い」と大阪に対する期待を述べた。


■「Adobe Flash Platform」は、魅力的な、実用性のあるアプリケーションが作れるプラットフォーム

続いて、最新のRIAプラットフォーム 「Adobe Flash Platform」の概要について説明があった。 轟は、「Adobe Flash Platformを簡単に言うと、Flashをベースにしたアプリケーションやビデオ、コンテンツを作り上げていくための集合体のようなイメージ」とし、Adobe Flash Platformが目指している「生産性の向上」「サーバーサイドやサービスとの連携」「表現力豊かなアプリケーション」の3つについて詳しく解説した。

スクリーン

1つめの“生産性向上”について、「簡単に面白いものがサクっとできることが大事であり、見た目だけでなく使いやすさも含めたものでなければいけない。クオリティの高いものを手早く作れるというのが1つの魅力になる」とした。

2つめの“サーバーサイドやサービスとの連携”について、「RIAで作っていく際に、スクラッチで作るよりも既存のシステムやサービスをうまく活かして作っていくことが大事であり、今後は、クラウドやWebサービスと組み合わせて、いかに簡単に作っていくかがテーマになってくる」とした。

3つめの“表現力豊かなアプリケーション”について、「せっかくFlashを使うのであれば、やっぱり見た目にも楽しいものを作りたくなる。それが業務アプリケーションだとしても同じことが言える。ユーザービリティを考えて使い勝手が良く、楽しいものを作っていく方が良い」とした。

さらに最新のAdobe Flash Platformで作ったサンプルのデモを披露した。デモのサンプルは、ホテルのバックエンドの宿泊管理を行うもの。「RIAアプリケーションになると、フロアーのどこが埋まっていて、どこが掃除中なのか、どの部屋がすぐに使えるのかが視覚的に分かり、宿泊者が何にお金を払ったかなどを、直感的に操作して確認することができるものになる。ITリテラシーがなくても自然と使えるようになる」とエンタープライズRIAの分野での可能性を示した。

スクリーン

そして会場の開発者に向けて「Adobe Flash Platformを使って、魅力的な、実用性のあるアプリケーションを作ってほしい。作ったけど使われないものじゃなく、多くの人に使ってもらえるものを作ってほしい」と熱いメッセージを伝えた。

■ 第4世代のFlexはどうなる?

会場には、既にFlash Catalystのベータ版を試した人もいたことから、最新の開発ツールへの関心が高まっていることが分かる。そこで、「Flexはどうなっていくのか?」が非常に気になるところだ。轟からは、このFlexを含めた第4世代の開発ツールについて説明があった。

スクリーン

「現行のFlex 3では、Flexの名前がフレームワークと開発環境(Flex Builder)の両方の意味を持っていたので混乱されやすかった」と指摘した。そこで、第4世代では、Flexはフレームワークのことだけを示すようになり、開発環境は、Flash Builderという名前に変更となる。轟は、「ツールはFlash、フレームワークはFlexと位置づけをハッキリさせた。ツールにFlashブランドを適用することで、Action Scriptのエディターとして使っているFlasherの人にも使ってもらいやすくなるはず。」と説明した。

開発ツールとしては、Flash BuilderとFlash Catalystの2つが提供される。これらのツールはFlexフレームワークによって実現しているので、Flexは完全に裏方として存在することになる。気になるバージョンだが、名称変更があってもバージョン番号は継続していくので、Flash Builderのバージョンは4から始まる。

■ 現在ベータ祭り中であるAdobe Flash Platformのロードマップ

轟からは、気になる今後のロードマップについて「2009年上期は、ベータ祭りの状態で、たくさんの製品がベータ版の状態で出ている。これらのベータ版に対してユーザーのフィードバックをもらってブラッシュアップをしていき、2009年下期から2010年上期にかけて、製品版がぞくぞく登場する予定」と説明があった。

轟氏

さらに今年のAdobe MAXについて「10月4日から10月7日にカリフォルニアで開催される。せっかく日本から行くので、サンフランシスコのAdobe本社でエグゼクティブと対談できるジャパンツアーを特別に用意しようと考えているので是非、上司を説得して参加してほしい。」と語った。


Flash Catalyst、Flash Builder 4の新機能

(米Adobe Systems シニアプラットフォームエバンジェリスト エンリケ)

エンリケからは、Flash Catalyst、Flash Builder 4を使った開発のワークフローがどうなるのかをデモンストレーショを交えながら紹介があった。エンリケは、今回の新しいバージョンの大きな目的について「デザイナーとデベロッパーが共同して作業する際のワークフローと生産性を高めること」と示し、そのためにFlex 4のフレームワークを改善したと話した。

エンリケ氏

Flex 4では、デザイナーとデベロッパーの生産性を改善するために新しいコンポーネントモデル「Sparkコンポーネントアーキテクチャ」と、XMLベースのグラフィックフォーマット「FXG(Flash XML Graphics format)」を採用し、MXMLのネームスペースも「MXML2009」に変わっていると大きな変更点について紹介した。

スクリーン

Sparkコンポーネントについて「ビヘイビア(振る舞い)とロジックが分離できるので、デベロッパーはロジックに集中し、デザイナーはルックアンドフィールに集中できるようになった。デザイナーが作ったアセット(素材)を作業可能な外部のコンポーネントに変換して簡単にインポートできるので生産性向上に結びつく」と述べた。

スクリーン

Flash Catalystはコードを書かずにRIAの部品が作れるデザイナー向けのツールだが、「ユーザーインターフェース以外にも様々な用途で活用できるので、デベロッパーにも使ってほしいツールだ」と示した。

■ Flash Catalystのデモンストレーション

Flash Catalystを使ってデザイナー側の作業として、簡単なログインページとダッシュボードページに動きを付けるデモを行った。

スクリーン

まず、Photoshopで作られた静的なコンテンツをFlash Catalystで取り込むことから始めた。ここでは、「Photoshopのレイヤーやオブジェクトの構造をリスペクトして取り込むので、Flash Catalyst上でもPhotoshopと同じレイヤー構造で見ることができる」ことを示した。

Photoshopで作ったログインページにある静的なテキストレイヤーを動的なテキストコンポーネントに変換して見せ、「Flash Catalystでは、バックグラウンドでFlexプロジェクトを生成している」と述べた。

次にIllustratorで作ったオブジェクトをFlash Catalystにコピーしてコンポーネントに変換できることを実演するとともに、変換後もIllustratorに戻ってコンポーネントの見た目を変更ができることを見せた。「Flash Catalystは、PhotoshopやIllustratorとシームレスな連携ができるようになっている」と示した。

他にもスクロールバーやデータリストなどが簡単に作れることや、コンポーネントを共通部品にできることなども紹介した。


■ Flash Builderのデモンストレーション

続いて、デベロッパー側の作業としてFlash CatalystでエクスポートしておいたFlexプロジェクトファイルをFlash Builderで読み込んで、ログインページの入力チェック部分を実装するデモを行った。

スクリーン

エンリケは、「Flash Builderには、ユニットテストやリファクタリングなどの機能が追加されているとともに、データ中心の開発にもフォーカスを当てている。そのためFlash Builderでは、BlazeDS、ColdFusion、REST、PHP、SOAPなどのバックエンドアーキテクチャーとの連携が簡単になった。」と話す

デモでは、バックエンドと接続する部分にColdFusionを使い、ドラッグアンドドロップするだけでサービスコードが自動生成されることを紹介した。さらにFlash Professionalで作ったアバターを簡単にFlash Builderでログインページに埋め込んでみせた。

最後に、エンリケは「Flash CatalystとFlash Builderを使えば、Photoshopで作った静的なアートワークからクオリティの高いFlashのアプリケーションを簡単に作ることができる。そして、これらの中心的な役割にFlex 4フレームワークが存在している。」とまとめた。

■ 質疑応答

スクリーン

デモンストレーション後の質疑応答の時間では、会場からの質問にエンリケが丁寧に答えてくれた。


(Q1)バージョンによってデータの移行ができないケースはないか?

CS4にFXGのサポートがついたので、それを使わないとFlash Catalystと連携ができない。

(Q2)Adobe Bridgeの立場はどうなるのか?

FXGのフォーマットがはっきりする前にBridgeがリリースされているので、現段階ではFXGに対応するためのリビルドが必要。 理論的には対応することは可能だが、社内でどうなっているかは分からないが、FXGもグラフィックのコンテンツを統合管理する上でそのようなことは考えていかないといけないと思う。

(Q3)Google Chrome OS上でAdobe AIRが動くのか?

Adobeは、Google Chrome OSに対して協力している企業の1社である。スケジュールやどのぐらい関与しているか詳しくはお答えできないが、クロスプラットフォームでの対応はAdobeが今までもずっと考えてきたことなので、対応していくものだと思われる。

(Q4)PHPとFlexと連携する場合にどのようなパッケージが必要か?

Flash Builderの中のサーバーとの連携方法でPHPが選べるようになっている。それを使えばPHPのAMF通信をサポートすることができる。

Flash CatalystとFlash Builderの連携!

(株式会社アートスタッフ 檜谷 卓也氏)

コミュニティセッションとしてFxUG@大阪の檜谷氏からは、ベータ版のFlash CatalystとFlash Builderを使ってみて注意しなければいけないポイントとTipsについて発表があった。

檜谷氏

Flash Catalystで作成したFlexプロジェクトのファイルをFlash Builderでインポートした後に変更してしまうと、そのFlexプロジェクトのファイルをFlash Catalystで開くことが現状のベータ版ではできないことを指摘した。
さらに、Flash Catalystで変更したFlexプロジェクトのファイルを再度Flash Builderでインポートしなおすと上書きされてしまうので注意が必要だと話した。

しかし、これらの問題点についても使い方を工夫すれば、使いこなすことができるようになると話した。その為には、Flash CatalystからFlexプロジェクトでエクスポートせず、Flexコンポーネントのファイル形式(fxplファイル)でエクスポートし、Flash Builderでこのコンポーネントのファイルを変更しなければうまく連携させることができるのだという。

檜谷氏

他にもコンポーネントの名前やパッケージ名を最初に付けておく方がよいことなど、ベータ版を試してみて実際に壁にぶつかった時の生々しい話があった。

最後に檜谷氏は「PCのスペックとして、今までの開発環境ではFlex Builderだけを立ち上げておけばよかったが、Flash BuilderになるとFlash Catalystも立ち上げることが多くなるので、メモリを十分積んでおかないといけない」とアドバイスをした。

Flash Catalystの使い方

(AKABANA 有川 榮一氏)

もう1つのコミュニティセッションでは、FxUG@東京の有川氏から、Flash Catalystの使い方について詳しい紹介があった。

有川氏

エンタープライズ系の開発を行う上で、アートワークを拡張コンポーネントとして変換するニーズが多いのだが、現段階では変換できる種類が固定されているのが問題だと指摘した。そして、Flash CatalystはEclipseからできていると示した。

現状のFlash Catalystでスキンが作れるコンポーネントは、ボタン・テキストインプット・スクロールだけなので、その他のコンポーネントを使いたい場合にどうすればよいのかを紹介した。

コンポーネントを作るにはSparkコンポーネントアーキテクチャーに従う必要がある。そのためにはFlash Builderを使ってデフォルトのスキンを作らなければいけないのだが、この際のポイントは、「どのコンポーネントに対してスキンを適用するのかをHostComponentメタデータで定義しておくこと」と示した。

次に「コンパイルしたswfをFlash Catalystのプロジェクトのlibsにコピーすることで、Flash CatalystのライブラリにFlex 4コンポーネント登録し、そのスキンを適用することでパーツの変更ができる」と公になっていないテクニックを紹介した。

最後に有川氏から「今後は、Flash Builderとの連携部分が重要な課題になってくる。」とまとめた。

最後に

会場

今回のイベントでは、「Flex 4、Flash Builder 4、Catalyst」のベータ版について多くの情報が紹介された。特にデモンストレーションで実際にどのようなワークフローで開発するのかを聞けたことは大きい。

平日の開催の中、80名近くの参加申し込みがあり、当日は立ち見がでるほどだったことから、Flex 4への期待は高まっていることもうかがえる。


有川氏

イベントの最後にエンリケとのジャンケン大会が行われ、4名の方に書籍がプレゼントされた。

FxUGの山本氏が書籍を手にした人に向けて「その書籍で勉強して次の勉強会で是非発表してほしい」と締めくくった。