コーディングレスでビジネスプロセス開発を実現する LiveCycle Workbench ES入門(前編)
はじめに
本稿は、LiveCycle ES の統合開発環境 LiveCycle Workbench ES を使用した、直感的 かつ 効率的な SOA 開発を体験するためのチュートリアルです。前編、後編の2回に分かれています。
- 前編
LiveCycle Workbench ESの概要、環境のセットアップ、チュートリアルの概要、管理アプリケーションの紹介
- 後編
LiveCycle Workbench ES によるサンプルプロセスの構築、LiveCycle Workspace ES によるアプリケーションの動作確認
軽くご一読いただいてから、是非、実際に手を動かしてチュートリアルを行い、LiveCycle ES の世界を堪能していただければと思います。
※本記事よりダウンロード可能なサンプルプロセスファイル(LCAファイル)は、本記事の学習用に限定してご利用いただけます。無許可での再配布などは許諾されておりませんので、ご留意ください。
LiveCycle Workbench ESとは?
LiveCycle Workbench ES(以下、Workbench)は、SOA基盤・LiveCycle ES の統合開発環境です。
Workbench でできること
- ビジネスプロセスの開発
ビジネスにおける各業務のタスクを連結し、一連の業務フローとしてまとめたものがビジネスプロセスです。LiveCycleでは、「タスクの割り当て」、「PDFの生成」などといった処理の最小単位を連結し、一連の処理の流れとしてまとめたものを単にプロセスと呼びます。
- フォーム開発
そのプロセスの中で使用するフォームドキュメント(PDFなど)の作成、編集を行うことができます。

図1 Workbench の全体像
Workbenchの特徴(※1)
- Eclipse ベースのツール
インターフェースの基本構成や基本機能が継承されています。普段Java開発をEclipseで行っている方や、同じくEclipseベースのFlex BuilderでRIA開発を行っている方は、導入時のスキル習得負担が軽減され、なじみ深い環境で開発を進めることができます。
- 直感的な、一貫した操作で開発効率向上
- コンポーネントの単位「サービス」について
LiveCycle ES では、10数種類のソリューションコンポーネント(※2)という、アドビが提供するコンポーネント群があります。そのソリューションコンポーネントで、各種機能を提供するコンポーネントのことをサービスと呼びます。
サービスはJava APIとして公開されており、それを使用してプログラミングでプロセスを開発することもできます。しかし、Workbenchを使用すればその利用が容易になり、効率化されます。
- GUI による開発で、プログラミングレスでプロセスを構築
「処理を表すアイコン(=サービス)を置く」 → 「線で結ぶ」 → 「渡すデータをプロパティで指定する」といった直感的な操作でプロセス開発を行うことができます。
- メンテナンス、再利用が容易
プログラミングレスによってメンテナンスの作業負担が軽減されることは特筆すべきことではないかと思います。ここでは再利用性に関して説明を加えておきます。
詳細は後述しますが、ソリューションコンポーネントのサービスを組み合わせて自作したビジネスプロセス自体もサービスになります。つまり、ソリューションコンポーネントで提供されているものも、自作したビジネスプロセスもすべて「サービス」という同じ土俵で利用できるわけです。したがって、自作したビジネスプロセスを他のプロセスで再利用する場合でも、上記で説明したGUI操作で容易に利用できます。
- 多くのスキルを必要とすることなく、様々な機能を実装できる
上記で説明しましたが、ソリューションコンポーネントを利用する場合でも、自作したビジネスプロセスを再利用する場合でも、一貫したコンセプトと操作のもとで利用することができます。
また、ソリューションコンポーネントには、ドキュメントの生成や管理、データの収集、セキュリティ、プロセス管理の他、データベース、メールシステムといった既存のITインフラとの統合に関わる様々な機能を提供する多くのサービスが含まれます。このようなものを統合した場合、その違いを吸収するための「煩雑な事情」が発生することが多くの場合あります。しかし、そのようなこともWorkbenchを利用することにより、容易に取り扱えるようになり、負担も軽減されます。
(※1)Workbenchの機能の詳細は、こちらを参照ください。
(※2)ソリューションコンポーネントについては、こちらを参照ください。
Workbenchに関する誤解
Workbenchは、「ワークフローを開発するツール」という誤解があるようです。
しかし、ワークフローはLiveCycle ESの一機能に過ぎません。Workbenchは、ワークフロー関連の処理を含む、様々な機能を提供するサービスを組み合わせて一連の処理を実装するための統合開発環境です。
もう少し単純に説明します。ワークフローは、誰かが決済処理をするといった、人が介在するような処理の流れとなりますが、「サーバ上でWordドキュメントをPDFドキュメントに変換してから、メールに添付して送信する」といったような人が介在しない、「全自動の処理」を実装することも可能です。
必要ソフトウェア
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LiveCycle ES Update 1
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LiveCycle Workbench ES
- LiveCycle ES に同梱(上記でダウンロードした体験版のZIPファイルに含まれます。)
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Adobe Reader 9 または Acrobat 9 以降
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Flash Player 9 以降
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JDK 1.5
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Internet Explorer 7以降
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チュートリアルのサンプルファイル
※このZIPファイルには、このチュートリアルの手順で必要なファイル(PDFフォームなど)と、チュートリアルの完成例が含まれます。
完成例のファイルは、solution\ExpenseReportSolution.lca です。
LCA(LiveCycle Archive)ファイル を LiveCycle へインポートする手順は、こちらの [LiveCycle ES アーカイブの管理] → [アーカイブの読み込み]をご参照ください。
なお、上記手順の7.のところで、[設定]ボタンをクリックを記述がありますが、Worksbench 上からプロセス図を確認するだけであれば[設定をスキップ]ボタンをクリックします。
前提条件
- データベースを含む Web アプリケーション開発に関する基礎知識があること。
- Java などのオブジェクト指向プログラミングに関する基礎知識があること。
- LiveCycle Designer ES によるフォーム開発の基礎知識があれば望ましい。
著者について
m-School(エスエイティーティー株式会社)
m-School(エムスクール)は、プロフェッショナルのためのアドビ認定トレーニングセンターです。“あなたが今、必要とするスキル”が即座にマスターできる、短期集中のトレーニングを多数ご用意しています。法人研修や出張講座の実績も多数あり、すぐに業務で活用できるノウハウをご提供しています。運営は、教育関連事業で90年の実績がある学校法人駿河台学園(駿台予備学校)グループの、エスエイティーティー株式会社が行っています。