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Introducing Adobe Flash Player 9


Emmy Huang

Emmy Huang

Adobe

作成日:
27 June 2006

2005年9月にMacromediaが発表したFlash Player 8には、画期的で高度な表現力と描画性能を実現する、ビットマップエフェクト、フィルタ、ビデオアルファチャネル、新たなFlash Videoビデオコーデックなどの多彩な追加機能が装備されました。 また我々は、Playerのランタイム機能を一層拡張するための外部APIを開発してFlashとブラウザ間の通信機能を強化し、 さらには、Playerにファイルのアップロード・ダウンロード機能を実装することで、より高度なアプリケーション開発にも対応できるようにしました。

これらの新機能が魅力となり、Flash 8コンテンツはインターネット上で急普及をみせ、Flash Player史上最速でFlash Player 8が浸透する原動力となりました。 独立系リサーチ機関、NPD Group Researchが2006年4月に実施した調査*によると、Flash Player 8の普及率はリリース後わずか半年で約69%に達しています。 ちなみに、同時期のFlash Player 5、6の普及率は53%に過ぎませんでした。

今回登場したFlash Player 9は、Flash Player 8での技術革新をベースに、ActionScript言語の重要なアップデート版であるActionScript 3.0を通じて、さらにパワフルな実行環境を提供します。 ActionScript 3.0の特長としては、その堅牢なプログラミングモデルと画期的な処理性能、そしてECMAScript規格への準拠が挙げられます。 ActionScript 3.0言語は、さらに親しみやすい構文、新たな言語機能、最大10倍の高速処理性能を提供することで、デベロッパーの皆さんがより迅速に、新世代のリッチメディアアプリケーション・リッチインターネットアプリケーションを開発することを可能にします。

ここまでがFlash Player 9のあくまで簡単な紹介です。 新しくなったActionScript言語については、他に数多くの記事や関連リソースが用意されていますので、是非、そちらもあわせてご覧ください(この記事の最後を参照)。

ActionScript 3.0が実現する一層のパワーと処理性能

ActionScriptは、Flashコンテンツ内のインタラクティビティを手軽にスクリプティング制御するために、Flash Player 4で初めて登場しました。 当時のActionScriptは、現在のような洗練さを欠くとともに、その構文はECMAScriptからかけ離れていたといえるでしょう。 月日を重ねるなか、ActionScript言語は、高度なアプリケーションを手軽に開発できるよう、数多くのAPIを提供するとともに、オブジェクト指向言語の手法を採用する方向で進化し続けてきました。

しかし、Flash Player 9の開発目標を設定するにあたり我々は、既存エンジンを進化させるだけでは制約が多いことから、 これらの制約事項に束縛されない技術革新を推し進め、Flash Player史上の重要な分岐点を創出しようという考えに至りました。

この結果として登場するActionScript 3.0は、実質的には、ActionScriptエンジンをいちから書き直したものといえます。 ActionScript 3.0の実行には、効率と処理能力を重視して再開発され、しかも高度に最適化された最新のバーチャルマシン、AVM2が用いられます。 今後はAVM2がActionScriptを実行するための主力バーチャルマシンとして活躍していきますが、Flash Playerは、既存および過去のコンテンツに対する後方互換を提供するために、引き続き従来のAVM1もサポートします。

処理能力の向上と消費メモリの能率化に加え、ActionScript 3.0は、他のプラットフォームから移行するデベロッパーに馴染みやすいプログラミングモデルも提供します。 ActionScript 3.0の開発にあたっては、ActionScript言語の動作に対して、より一層の一貫性と標準規格との互換性をもたせることに重点を置いています。 また、コンテンツやアプリケーションに対する一層の制御性を提供するために、E4X、正規表現、バイナリソケットといった機能用の新しいAPIを多数用意しています。 クラス、インタフェース、パッケージおよび名前空間に対する追加機能と、厳格な型指定を強制するためのコンパイルモードを新たに装備することで、ActionScript 3.0は大規模なアプリケーションの開発時にも、十分にその力を発揮することができます。

これらの新しい言語機能は、ECMAScript 4 Netscape Proposal*に基づいて開発されています。 アドビは、ECMAScript Edition 4(ES4)規格を策定するECMA International Programming Languageテクニカル委員会(TC39-TG1)の活動に参加しており、 ActionScript 3.0の将来バージョンを今後登場するES4規格に完全準拠させることを予定しています。

新世代リッチ体験を実現するための強固な基盤を提供するActionScript 3.0。ActionScript 3.0の新機能と特長は、読者の皆さんはもちろん、今後このテクノロジーに移行する新たなデベロッパーの方々に対しても、数多くのメリットをもたらすことができるはずです。

ActionScript 3.0の将来展望と搭載機能について詳しくは、ActionScript 3.0の概要を参照してください。 また、あわせてActionScriptテクノロジーセンター*もご覧ください。

普及率80%への道程

デベロッパーの方々からは、Playerのリリースとその普及水準の関係についての質問が頻繁に寄せられています。これは、どのタイミングで最新バージョン対応のSWFをパブリッシュし始めるかを考慮する上で、重要なポイントだからです。 過去の例からお話しすると、Flash Playerの最新リリースは12ヶ月で普及率80%に到達しています(図1参照)。 普及状況をグラフ化すると、その形状は一貫しており、Flash Player 6とFlash Player 7に関しては、これらの普及率を示す線がほとんど同じ形状だとさえいえるでしょう。 一方のFlash Player 8はFlash Player 7から導入された自動アップデート機能が奏功し、リリース直後の3ヶ月間に、これまでみられなかったような急普及を遂げました。 我々は、Flash Player 8において自動アップデート機能を初めて有効にしましたが、Flash Player 9でも、この自動アップデート通知機能を有効にすることで、ユーザに新しいPlayerがダウンロード可能であることを知らせるようにしています。

Flash Playerの普及率

図1.Flash Playerの普及率

Flash Playerの普及を促す最大要因。それは、優れた専用コンテンツの存在です。 我々は、新たなFlash 8コンテンツ・サイトがPlayerのアップグレードに貢献していることを、日々目の当たりにしています。 今後、さらに多くのコンテンツがバージョン8、9仕様でパブリッシュされることから、当分の間は、現在の1日あたり約500万ダウンロードというハイペースでの急普及が継続すると思われます。

既存コンテンツ・Webサイトの最新バージョンへの更新、あるいは最新バージョン用のコンテンツを新たに開発するにあたって、気になるのがユーザのFlash Playerを更新する作業です。これに関しては、従来通り、ブラウザのデフォルト処理動作(Microsoft Internet Explorerの場合はActiveX、Firefox(Flash Player 8よりサポート)の場合はプラグインファインダサービス)に任せておくことができます。 また、Flash Player 8からの新機能であるExpress Installを利用すれば、ビジターが、訪れたサイトコンテンツ上で更新処理を行えるような、シームレスなアップデート体験を開発して提供することも可能です。 Playerの検知の仕方やインストール、ならびにExpress Installについて詳しくは、Flash Player検知キット*を参照してください。 また、デベロッパーコミュニティのメンバーが開発した、Player検知とExpress Installのための代替ソリューション、SWFObject*も参照してみてください。

忘れられがちな、Player関連のもう1つの取り組み。それは、イントラネットでの配布やソフトウェア製品・各種サービスとのバンドル配布を対象とした、Flash Player無償再配布ライセンシングプログラムの存在です。 このライセンシングプログラムは、特に、ネットワーク上のソフトウェアの更新・インストールを統括するIT管理者の注目に値します。 アドビでは、Windows用としてMSI、MSM、EXEのインストーラ、そしてMac OSにはDMG形式のインストーラを用意しています。

またアドビでは、近頃、最新のMicrosoft Systems Management Server(SMS)2003 R2*に対応した、カスタムアップデート用インベントリツールのためのAdobe Flash Playerカタログをリリースしました。 SMSサーバのこの新機能を利用することで、IT管理者はサードパーティソフトウェアプロバイダの製品カタログを購読することができます。 新しいリリースやアップデートが公開されると、IT管理者にはその旨が自動的に通知されます。IT管理者はこの情報をもとに、SMS経由でネットワークへの配布が可能なインストーラパッケージをダウンロードすることができます。 つまり、エンタープライズを対象とした、自動アップデート通知サービスの一種と考えるとよいでしょう。 なお、再配布を目的としたFlash Playerインストーラのライセンス取得方法については、Adobe Playerライセンシング*サイトを参照してください。

次のステップ

Flash Player 9は、Flash Playerダウンロードセンター*よりダウンロードできます。 Flash Player搭載機能の概要については、製品ページの機能*のセクションをご覧ください。

ActionScript 3.0について詳しくは、ActionScript 3.0の概要を参照するか、数多くの言語リソースが掲載されたActionScriptテクノロジーセンター*をご覧ください。

Flash Playerインストーラのイントラネット内での配布、または各種製品・サービスとのバンドル配布を希望する場合は、Flash Playerの再配布ライセンシング*についての詳細をご覧ください。

著者について

Emmy Huang: Flash Player 担当シニアプロダクトマネージャー。これまで Sony Pictures Digital、Liberate Technologies、Intel などで、さまざまなデジタルエンターテインメント技術のエンジニアリングや製品管理業務に携わる。UCLA MBA 課程在籍中の一時、他の業界への転職を考えたものの、漂白剤の販売業務よりソフトウェア業界に従事する方がはるかに楽しいと考え、現在に至る。