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シチズンでは現在のようにPhotoshopを活用できるようになった背景として、PC環境がWindowsNTに統一されたことがあげられる。もともとシチズンでPhotoshopを導入したのは、Macintosh版バージョンの3.0からだった。しかし当時は、プロダクトデザイナーに必要不可欠なCADソフトがUNIX版しかなかったため、UNIX、Macintosh、Windowsが混在する環境でのデザインワークを余儀なくされていた。

「やりたいことに合わせて、その都度、3種類の端末を渡り歩かないと作業ができませんでした。今ではとても信じられないことですが、Photoshopを使いたくても、誰かがMacintoshを使っていれば順番待ちをしなければなりませんでしたから、時間的なロスがとても多かったですね」と多田氏。
 
   
デザインパターン
  金属ケース、文字盤、バンドともにさまざまな表情を見せる『EXCEED』。社内デザインプレゼンテーション用に作成されたものの一部である。カラーやバンドのバリエーションも、Photoshopのおかげでより簡単にリアルに制作できるようになった  
 
 
それが、2年前に2D-CADがいっせいにWindowsNTに対応したのをきっかけに、システムの見直しが行われた。デザイナー1人に1台のWindows端末が割り当てられ、2つのOSを往き来するロスをなくすためにWindows版Photoshop 5.0が導入されたのだ。海外企画部デザイナーで、最近までシステム導入を担当していた池内氏が言う。

「Windowsへの切り替えで、色々な意味で扱いが非常によくなりました。まず安価にデザインのためのシステムを組めるようになった。それに、Photoshop、Illustratorなどのグラフィックソフト、WordやExcel、Powerpointなどの事務系ソフト、CADやPDM(Product Data Management)などの工業デザインに欠かせないソフトを自分専用の環境で使えるようになりました。今は性能がよくなっているので、50万円くらいのWindowsマシンでも、メモリを500MBくらい積んでいればPhotoshop、Illustrator、Excel、CADを同時に立ち上げていても安定して使えます」。
 
   
 
以前は他のスタッフと作業が重なると、2〜3日かかることもあったというレンダリング作成が、ほぼ1日に効率アップ。池内氏は、Photoshop 6.0の導入にも強い期待を示す。「Photoshop 6.0のシェイプ機能を使えば、線のまま選択範囲を作らずに直接ペイントしたり、効果をかけられるので、作業効率はさらに上がりますよね。それにレイヤーをフォルダにまとめて管理できるところなども、レイヤーが自然と増えてしまう工業デザインでは重宝すると思いますね」。

「工業製品開発のスタート部分から、Photoshopなどのアプリケーションソフトは手放せないものになっていて、今後ますます活用の幅は広がっていくと思います。個人的にはもっと使い込んで、デザイナーとしての仕事の幅を広げるようにしたいですね。たとえば時計だけでなく、パッケージも含めたトータルなデザインができるといいと思います」と池内氏。多田氏もつづける。

「仕事の範囲を限定せずに、企画から販売まで面倒を見られるようにしていきたい。デザインに関しては、ロゴマークや店頭の什器なども手掛けてみたいですね」。

Photoshop導入によって、より精細かつ多彩になった、プロダクトデザイナーの表現方法。ここシチズンでも新しい仕事へのイメージが、どんどん膨らんでいるようだ。今後も同社のニューモデルから目が離せない。
 
シェイプ機能
Photoshop 6.0の新機能であるシェイプレイヤーは、パスの状態のまま、オブジェクトカラーはもちろん、エンボスやシャドウなどの各種効果が設定できる。また設定後も自由にパスの変形が可能。工業デザインにおいてもその機能を大いに発揮する
 
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