Adobe License Manager(ALM)は、アドビデスクトップソフトウェアのライセンスを自動的に追跡するソフトウェアです。このALMを使用することで、企業では積極的にボリュームライセンスの管理・運用を行いながら、手作業のライセンス管理に要していたリソースやコストの負担を最小限にできます。
ALMについての基本的な事項をご理解いただくために、以下のQ&Aを通してALMの機能やメリット、プロセス、ご提供の状況などを紹介します。
ALMは、ソフトウェアアプリケーションそのものではなくソフトウェアを使用する権利(ライセンス)を管理することを目的としており、ソフトウェアのライセンス管理に関する負担を大幅に軽減できるよう設計されています。 具体的には、まず組織が必要な数のライセンスをライセンスプログラムで購入すると、それに応じた電子的なライセンス(e-License)がアドビより提供されます。次にユーザはシステム管理者が指定した方法でアプリケーションのe-Licenseを取得します。するとALMにより、社内にインストールされているALM対応製品のライセンス全体の状況が目に見える形で把握できるようになり、ライセンスに関する重要イベントが発生した場合にはシステム管理者に警告されるようになります。 こうした作業をALMで自動化すれば、システム管理者はe-Licenseのダウンロード先の追跡や購入ライセンスとの照合を手作業で行う必要から開放されて、付加価値の高い業務に専念することができ、組織としても運用コストを下げることが可能となります。
ALMでは、ユーザがダウンロードしたALM対応製品のe-Licenseに関する情報や、e-Licenseがダウンロードされたマシンなどの情報を、ほぼリアルタイムで表示できます。 利用可能なe-Licenseの本数を把握でき、ライセンスの追加購入が必要かという判断も簡単にできるようになります。 さらに、システム管理者はALMから情報を書き出して、他の目的で再利用することも可能です。
ユーザによってe-Licenseがすべてダウンロードされてなくなると、オーバードラフトライセンスという一時的(45日間)に使用できるe-Licenseが付与されます。オーバードラフトライセンスは、オーダしたライセンス数の10%に相当する数がオーダー毎に割り当てられます。これによりユーザは必要に応じてソフトウェアの全機能をインストールして一時的に使用し、その追加分のライセンスの購入は後日行うことが可能です。
e-License数が残りわずかになったり、またはすべてなくなった場合、ユーザがオーバードラフトライセンスをダウンロードした場合、割り当てられたオーバードラフトライセンスがなくなった場合などに、システム管理者と他の指定管理者に対してALMから警告が自動通知されます。
ユーザはアドビアプリケーションの使用開始後30 日以内にe-License をダウンロードするだけで結構です。一度ダウンロードすれば、同マシン上で使い続けられますので、その後の手続きは必要ありません。
ネットワークにつながっていないコンピュータは、一度だけネットワークにつなぎ、e-License をダウンロードすれば、その後はオフラインにてお使いいただけます。
ライセンスはそのマシンでしか使用できないというわけではありません。 アプリケーションのメニューからオプションを選択するだけで、ユーザはいつでもe-Licenseをライセンスプールに返却でき、システム管理者は返却されたe-Licenseを他のマシンに割り当てることができます。 また、ソフトウェアをアンインストールする際にはe-Licenseをまず返却するよう案内が表示されます。
ALMは、ユーザへの影響を最小限に抑えた設計になっています。 また、システム管理者はALMがエンドユーザ側からまったく見えないように設定することもでき、それによってアドビ製品の使い勝手が損なわれることも一切ありません。 システム管理者がe-Licenseのダウンロードプロセスをどのレベルまでユーザに開示するかを決定できるので、既存の社内規定や手続きに沿った運用も可能です。
ALMを社内に展開する際には、ALMに対応したアドビデスクトップソフトウェアの特定製品について、e-Licenseをダウンロードできるユーザやコンピュータを指定できるため、システム管理者はきめ細かなライセンス管理方法を構築することができます。
ユーザにe-Licenseをどこからダウンロードしてもらうかは、アドビではなくシステム管理者が決定します。ライセンスプールと呼ばれるe-Licenseを保管する場所は、お客様のローカルサーバ(TLPおよびCLPのライセンスプログラムご契約者様すべてに無償で提供されるAdobe License Serverソフトウェアをお使いいただくことになります)と、アドビライセンスサーバ(アドビが用意するホストサーバ)から選択できます。 または、ライセンスプールを二つに分けて、一方をお客様のローカルサーバに、もう一方をアドビライセンスサーバに置いておくことも可能です。 ユーザにアドビライセンスサーバからe-Licenseをダウンロードさせるようにする場合には、お客様のビジネスやプライバシー保護に関するニーズにあわせて、最適なe-License追跡機能とレポート機能を選択できます。
お客様自身でe-Licenseをローカルサーバで運用する場合、情報がアドビに送信されるということは一切ありません。 また、ローカルサーバ用にALMを設定している場合には、アドビアプリケーションに組み込まれているALMソフトウェアがファイアウォール外に接続することはありません。
ALMは、お客様のプライバシー保護を重視した設計になっています。ライセンスプールをアドビライセンスサーバに置く場合、どの情報をアドビに送信するかはシステム管理者が指定できます。 ユーザのマシンに対してオプション設定を行うことで、匿名でe-Licenseを要求するか、あるいはe-License要求にマシンのホストIDも含めるかを選択できます。
システム管理者はALMを使用して、ダウンロードされたe-Licenseの種類(通常のe-Licenseかまたはオーバードラフトライセンスか)とダウンロード先のマシンについての情報などが含まれたライセンスアクティビティレポートを書き出すことができます(マシン名やホストIDがレポートに含まれるのは、これらの情報がアドビに送信され、アドビのデータベースに保存されることをシステム管理者がアカウント設定で許可した場合に限られます)。 書き出したレポートは、レポートツールを使用して加工したりするなど、他の目的で再利用することも可能です。
お客様の組織内でダウンロードされたe-Licenseに関する情報をアドビが受け取っても、お客様からのご依頼でカスタマーサービスとサポートに使用する以外は、 その情報が営業やマーケティングなど他の目的に使用されることはありません。
アドビのライセンスプログラムを通じてALM対応ソフトウェアをご購入いただくと、アドビのデスクトップアプリケーションにALMが標準機能として搭載されるため、 お客様のローカルサーバやアドビライセンスサーバにライセンスプールを置く場合でもお客様には追加コストは発生しません。
ALMは、アドビデスクトップ製品に関するソフトウェアライセンス管理を自動化して簡単に行うために特別設計されており、個々の使用権を電子的なライセンスとして追跡するものです。一方、 インベントリー収集ツールやライセンス管理ツールは一般的に、ライセンス管理だけではなく、セキュリティー、ヘルプデスク、IT資産管理などより広範なソフトウェア資産管理(Software Asset Management-SAM)の目的からコンピュータのハードディスクにインストールされたファイルに関する情報を収集するものです。これらのツールは、アプリケーションの特定バージョンについての情報は得られたとしても、アプリケーションを使用する権利自体を調査するものではありません。 このようなツールが、企業や組織のネットワークに接続するコンピュータにインストールされたアプリケーションの総合的なインベントリを作成・更新するには申し分ないツールです。しかし、アドビのソフトウェアライセンスに特化し、追跡・管理し、面倒な照合作業の手間を軽減するには、ALMは最適な方法といえます。そういう意味から、電子ライセンシングとSAMの2 つのテクノロジは、無駄なく補完し合うものといえます。
アドビでは、ソフトウェア資産管理プロセスの新たな業界標準(ISO 19770-1)を全面的に支持しています。 この標準は、ソフトウェア資産管理のベストプラクティスを企業が導入しやすくするために、業界が進むべき道を踏み出した大きな一歩であるとアドビは確信しています。 ただ残念なことに、この新標準には、企業がコーポレートガバナンス要件を満たし、ITサービス管理全般を効果的にサポートするために従うべきプロセスしか定義されていません。 現在、アプリケーションの確実な特定・検出方法をソフトウェアベンダやツールベンダが効果的に定義できるようにするため、新たな標準(ISO 19770-2)が提案されていますが、この標準が完成するのは早くとも2010年以降になる予定です。 しかも、企業がソフトウェアアプリケーションを購入した際にソフトウェアに対して取得する実際の権利(ライセンス)については、提案中のこの標準の中にその情報が含まれるかどうかまだ不明です。
当初はWindows®でALMをお使いいただけます。 他のプラットフォームについては、アドビのデスクトップアプリケーションがそれらのオペレーティングシステムに対応範囲を広げていく中で、ALMの対応も検討していきます。
アドビは、ALMが各プラットフォーム上で問題なく稼動し、それぞれの環境に最適化されていることを確認したうえで、段階的にALMのリリースを行います。 Macでの使用も将来的には可能になります。
WindowsとMacのどちらのプラットフォームで使用してもALMの機能は同じです。ただし、インタフェイスやそれぞれに特有の操作環境の違いはあります。
アドビの主力デスクトップアプリケーションについては、Adobe Acrobat 8 Windows版から搭載を開始し、今後発売される新バージョンにALMが搭載されていきます。これにより、アドビソフトウェアのライセンスを一貫して追跡・管理できるようになります。 ALMの機能は、より高い価値、より優れたサービスをすべてのお客様に提供していくために、今後も進化を遂げていきます。