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PDF Conference 2000
 
PDFを利用した校正
7月13日 10:30〜12:00

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PDFを利用した校正   広告・出版・印刷や、企業内ドキュメントの電子校正をどのように進めていくのか、現状と問題点を探るこのセッション。他のセッションに先駆けて定員に達したというから参加者の期待も高いものがあったようだ。
なお、モデレータの有限会社バウハウス代表取締役、浦野正純氏が参加者にアンケートをとったところ、ほとんどの参加者がAcrobat 4.0でPDFを作成したことがあると答えた。
勝美印刷株式会社の事例
日本プロセス株式会社の事例
 
勝美印刷株式会社の事例
電子校正のコンセプト/問題の整理と解決  
   
これからの印刷会社は、紙の印刷物をさまざまな「出力メディア」の1つとして捉え、あくまでも本業は情報を編集・加工する「情報処理業」であると認識する必要がる。そうすると電子校正の必要性が見えてくる。

校正を紙で行うことの問題点は…

生産部門のコストダウンにくらべて、 営業は校正紙の集配・宅配などに多大なコストがかかっている。
→営業のコストダウンが必要

DTPデータで生産しているのに、 なぜ校正という名の下に紙に変換しなければならないか。 (さらに紙に変換したことによって物流コストがかかる)
→プリプレスデータのデジタル活用への期待

校正のため紙にすることで、 デジタル化におけるシームレスなワークフローを作れない。
→生産システムのデジタル化における弱点を解消したい

以上の事柄を受けて、当社では
PDFを電子交換フォーマットとして採用した。

勝美印刷株式会社
マルチメディア事業部
増田和志氏
   
アナログとデジタルの校正ワークフロー比較  
   
  アナログ(オフライン) デジタル(オンライン)
データ せっかくのDTPデータを
紙に変換
互換
集配業務 解放されお客様への提案や必要情報を提供などクリエイティブに時間をとれる
校正者への対応 営業マンが
引き取りに対応
サーバがフルタイムで対応
複数校正 校正紙をコピーして校正 acrobatの注釈機能によって複数校正が可能
版管理 お客様側での管理 (当社のシステムでは)履歴が残り管理しやすい

弊社のある事例では、デジタルでの校正を行ったことでアナログに比べ工期が約3分の1まで短縮した例もある。それは、海外在住の校正者、都内の編集者(官庁)、そして弊社間での校正のやり取りの例だが、アナログ校正では入稿から納品まで約12週間かかったものが、電子校正によって校正紙の物流がなくなり、5週間(約3分の1)に短縮された。
このワークフローを支えるのが、サーバを中心とした、校正から生産までをオンラインで結ぶ電子校正システムである。

アナログ校正の生産フロー


電子校正の生産フロー

   
電子校正システムの特徴  
   
当社が実践した電子校正システムの特徴として
ペーパーレス化により物流がなくなる
ネットワーク上での共同作業により、場所は無関係となり、1つのファイルで作業が行える
営業コストの削減
生産管理の効率化が実現され、管理に手間のかかるもの、物流に関わる時間などが削減。これらは、納期短縮と同業他社への競争力に結びつく。
電子校正システム概要
   
事例紹介 自動車保有台数の月報  
   
勝美印刷が開発した電子校正システムの事例紹介では、某協会が発行する自動車保有台数に関する月報(24ページほど)の例が紹介された。
電子校正システムは、インターネット上のサーバとして運用され、PDFの登録とメールの送信が可能になっている。また、サーバにログインする段階と、PDFを開く段階でパスワードが求められ、二重のセキュリティがかけられている。

大まかな校正のフローは以下の通り。
1) 勝美印刷社内で作成されたレイアウトデータはPDF化され、電子校正システム(サーバ)に登録される。
2) 登録するとクライアントに登録した旨とそのURLをメールする。
3) クライアントは、PDF上に注釈機能を使ってノートに修正の指示を入れる。その際、注釈機能が無秩序に使われると、コミュニケーションのロスになるので、勝美印刷では、どのような場合にどの注釈機能を使うかをルール化した。
4) クライアントは、指示を入れたPDFのファイル名末尾のバージョン名を一つ上げて保存し、サーバに送信(登録)する。
5) クライアントは、修正したPDFを登録したことを勝美印刷側にメールする。
6) 勝美印刷側では、修正指示が入ったPDFを元に、レイアウトソフトでデータの修正を行う。
7) 必要に応じて、再度PDFを作成し、クライアントの確認を取る。

ルールの例
注釈機能 指示内容
取り消し 文字の削除
ハイライト 文字の変更
四角形 画像に対する指示
 
   
電子校正システムの現在での問題と今後の課題  
   
電子校正システムを運用してきて、いくつかの問題も明らかになった。
どのような修正指示に対してどの注釈機能を使うかの当社独自ルールは、今後電子校正が活発に行われるようになると、クライアントにとって汎用的でないため使いにくくなる。
→注釈ルールの業界標準化が望まれる
修正指示の入ったPDFと、PDFにうまく連携しないレイアウトソフト等の場合はワークフロー構築が難しい。また修正の確認は、画面 上ではなく紙に出力して行っている。
→社内フローのデジタルでの一貫化が必要
校正が簡単なため校正の回数が増える傾向にある。
→校正回数を仕様書で決定する
クライアントのパソコンやAcrobatの操作スキルが電子校正システム導入のボトルネックになることもある。
→クライアントの教育支援
現状ではPDFのやり取りだが、注釈データだけ(FDF)でのやり取りに移行したい。
→実現可能
セキュリティの向上のために電子署名を使いたいが、クライアントに負担を強いる。
→時期を見て導入したい。

 
   
まとめ  
   
DTPで作られたデータを紙に変換せず、一貫してデジタルでやり取りするワークフローの実現が欠かせない。また現在では、PDFによる高解像度の出力も可能になっている。そのようななかで校正が紙によって行われていると、せっかくのデジタルワークフローのメリットが活かせない。校正を電子校正とし、入り口から出口までのデジタルワークフローを確立することが大事だ。
また遠隔地での共同・協調作業や進捗管理を実現するために、基幹システムをWebアプリケーションに移行することも、今後の課題となってくる。
つまり、印刷会社は情報処理会社への業態転換が必要ではないだろうか。

 
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