目指すは、タイムリーな情報開示 東京証券取引所が、上場会社にPDFの使用を推進 東証の適時開示情報伝達システム(TDnet)
上場会社が提出する開示情報を適時、適切かつ公平に投資家に公表することを目標とした「TDnet −Timely Disclosure Network (適時開示情報伝達システム)」 を稼働したのが、世界3大証券取引所の一つとして知られる東京証券取引所(東証)です。 TDnetは、投資家が上場会社の重要な開示情報に容易かつタイムリーにアクセスできることを目的としたシステムとして構築され、Adobe Acrobatは、このシステムの重要なテクノロジーとして組み入れられました。
東証は、目まぐるしく変化する金融界において証券市場への柔軟な対応と拡大を図るために、1998年4月よりTDnetを構築・運営しています。TDnetは、上場会社が提出した紙ベースの適時開示資料をスキャンしてAdobe PDFファイルに変換し、そのファイルを衛星ネットワークやインターネット等を通 して広く配信するというシステムです。世界共通のフォーマットであるAdobe PDFによって実現が可能となりました。
 |
| 東京証券取引所 |
このシステムが必要となった背景には、近年まで投資家は、東証に上場している会社の開示情報にアクセスするためには、取引所に出向き、そこで情報を閲覧するという方法しかありませんでした。同様に上場会社も、企業活動で発生する重要な情報を開示するためには、取引所に紙の書類を持参するという手間のかかる方法しかありませんでした。投資家と上場会社の双方にとって、このシステムは非常にコストと時間がかかる非効率なものだったのです。そこで、クロスプラットフォーム環境にも対応したAdobe PDFの技術とTDnetをシームレスに連携させ、電子ドキュメントとしての利便性を最大限活かしたシステム、TDnetを構築したのです。
ディスクロージャー担当である吉田幸司氏は、「TDnetを導入したことにより、全世界の投資家は、Webサイトから直接これらの開示資料を閲覧することができるのです。」とAdobe PDFによってタイムリーに開示資料を閲覧できるようになったと話しています。TDnetは、投資家と上場企業の距離を縮めるグローバルなシステムなのです。しかし、このようなシステムにも問題点がありました。
東証では、第1段階として紙の資料をスキャンしWebでの公開を実現しましたが、適時開示資料をPDFファイルに変換するために、ピーク時には1日6,000ページもの紙資料をスキャンしなければならないという実作業が発生していたのです。その理由として、当初上場会社各社は、それぞれ異なるソフトウエアを使用していたため、資料フォーマットが統一されていなかったことが1番の原因でした。