アクセシビリティ

ADOBE CREATIVE SUITE 3 Web Edition TOUR レポート


Dreamweaver は次の10年を乗り越えられるのか?

CSSNite主催でもある株式会社スイッチ鷹野雅弘氏によるセッションです。これまでのDreamweaverの歴史を振り返りつつ、現在のDreamweaverを取り巻く状況、現場でよりDreamweaverを使いこなすためのヒントを紹介するという趣旨で行われました。

今から10年前の1997年に最初のDreamweaverは登場しました。Web業界はこの10年で、HTMLタグのみによるデザインから、Fireworksのような画像編集ソフトで作成したデザイン画像をスライスしてテーブルで組みあげる時代を経て、現在はCSSによるデザインが主流になりつつあります。Dreamweaverは常にその時代にあわせて機能を充実してきたことがわかります。

CSSレイアウト時代を迎え、今回鷹野氏はDreamweaver CS3の以下の3つの改善点を紹介してくれました。現在のカーソル位置で有効になっているCSSスタイル定義の表示を行う「CSSスタイル」パネル、新規スタイル定義時に自動的にセレクタ名を補完してくれるようになった「CSS作成」ダイアログ、メディア属性に合わせたドキュメントウィンドウのレンダリング方法を切り替えたりCSSを無効にすることも可能な「スタイルレンダリング」機能。いずれも派手さはないけれど玄人好みの改善ではないかと思えました。

次に、現場でDreamweaverをより使いこなすためのヒントとして、Dreamweaverのテンプレートプロパティ機能の「オプション領域」「属性を編集可能にする」「リピート領域」をそれぞれを実演を交えて紹介してくれました。「オプション領域」は、テンプレートから作成された子ページから、予め親ページで設定されているページ範囲の表示・非表示を任意で切り替えられる機能です。

bodyタグのid/class属性を変更することでカテゴリごとにスタイルを変更する「CSSシグネチャ」というコンセプトがありますが、テンプレート化してしまうと、bodyタグのid/class属性はロックされてしまいます。「属性を編集可能にする」を使用することで、子ページからid/class属性の値を編集可能にすれば「CSSシグネチャ」を実装できます。

「リピート領域」を使えば、テーブルやリストのような繰り返し部分の順番を入れ替えたり、列の追加と削除が容易に行えるようになります。いずれも作業効率を大幅に向上してくれる便利な機能ではないかと思うのですが、鷹野氏曰くここまで使っている場合は少ないのではないかとのこと。是非皆さんも挑戦してみましょう。

時代に合わせて機能を盛り込んで成長してきたDreamweaverですが、実際の運用面での利用を考えた場合、Dreamweaverは高額で機能が多すぎるために気軽に導入を奨めにくいのも実情です。また、テキストエディタを愛用するユーザーの方々に言わせれば、機能が多すぎて起動に時間が係るなど小回りが効かない。鷹野氏の喩えを借りるなら、コンビニエンスストアに買い物に出掛けるのに、わざわざダンプカーで行くようなもの。ここで自転車のような役割の担い手としてのContributeが紹介されました。

Contributeは Web Edition のStandardにもProfessionalにも同梱されているアプリケーションですが、あまり目立たない存在かもしれません。しかし、そんなContributeには日頃の更新作業に必要十分な機能が搭載されています。

  1. Dreamweaverで作成したテンプレートを認識できるため、編集可能領域を保持できるので、うまく作り込めば、HTMLやCSSを意識せずに作業が行え、更新が容易なこと。
  2. 通常のブラウザと同様にページを表示してすぐに編集モードに移行して編集作業が行えること。
  3. サーバのデータを直接編集するため自分のPCにコピーする作業や他の人と作業を行う場合のバージョン管理が不要なこと。
  4. ロールバック機能により複数バージョンの編集前のファイルを保管してくれるので、いつでもバージョンを遡って編集前の状態に戻ることができること。
  5. 「オプション領域」「属性を編集可能にする」「リピート領域」のDreamweaverのテンプレートプロパティ機能もすべて機能すること。
  6. ユーザーごとに公開権限や編集権限を設定できること。
  7. アップロード前に上司に内容を確認してもらうような「稟議」の仕組みを設定できること。

このようなことから、Contributeはまさに運用に最適なアプリケーションであると強調されていました。

鷹野氏は最後のまとめとして、確かにDreamweaverはこの10年で業界標準ツールの地位を確立したといえますが、Movable TypeをはじめとするCMSの台頭や、競合他社のアプリケーションの動向、動作の軽いミニアプリケーションの存在も無視できないと指摘しました。そのような流れに揉まれつつ、今後もますます進化して私達にとって素晴らしいツールになることを期待している、と結んでセッションは終了となりました。