アクセシビリティ

Adobe MAX 2006 フラッシュレポート


Adobe MAX 2006、3日目
スニークプレビュー

Marc Eaman(Corporate Evangelist)が司会進行役として登場。前の晩にPalm(巨大なカジノリゾートホテル)で開催された巨大パーティーについて触れ、来場に感謝します(朝まで続いたパーティ直後のジェネラルセッションにも関わらず、多くの参加者が出席)。このセッションは、Adobeのコンピューターサイエンティストやプロダクトマネージャが、「実験室」で開発中の最新テクノロジーをちらっと紹介するという企画。登壇者全員がバックアップシステムもなく、ぶっつけ本番でライブデモを行います。冒頭でMarcは、「アドビ システムズは、ここで紹介されるテクノロジーが商品化されることを保証しません」という法務から参加者への通達事項をつたえ、セッションが始まりました。


Adobe Connect

最初の登壇者は、Connectionist(Adobe Connectのエバンジェリスト)のPeter Ryce とComputer ScientistのDean(Xu)Chenです。PeterとDeanはそれぞれサンフランシスコとサンノゼのオフィスで、離れながらも一緒に仕事をしているため、Yahoo!メッセンジャーなどのコミュニケーションツールは欠かせません。そこでDeanはYahoo!メッセンジャー8のSDKを利用して、メッセンジャーから直接Acrobat Connect会議室を開くプラグインを開発しました。デモでは、SDKでサポートされているFlashを使ったメッセンジャーのお友達リストから相手を選び、直接会議室に招待するようすを紹介しました。裏ではJavaScriptが直接Connect XML APIを呼び出して会議室を開く、という仕組みです。開いた会議室では、共有ポッドのひとつにAdobe PDFドキュメントが表示されています。つまりFlash Playerの中でPDFのレンダリングが可能になっているということです。デモでは、この共有PDFドキュメントのズーム比率の変更やページめくりが同期しているところを紹介しました。


ColdFusion

Senior Product ManagerのTim Buntelが、次期ColdFusion、コードネーム「Scorpio」を紹介しました。ColdFusionアプリケーション開発でいつも困ることは、サーバー上で稼動しているアプリケーションになにか問題があったときに、その原因を特定するのが困難なことです。まさに超人的な能力が必要…ということで白タイツで覆面をしたスコーピオマンが登場(一部ユーザーには中の人がだれか声でバレており、ざわめきがある)。そんなときにはScorpioのサーバーモニタリング機能が役立ちます、ということで、デモでは通常ブラックボックスとして中でなにが起きているかわからないColdFusionサーバーの内部の動作のスナップショットとログを取り、レスポンスタイム、メモリ消費、個別のリクエスト統計など詳細な情報がFlashインターフェイスに表示されるところを紹介しました。また、なにか問題が起きたらCFCをキックし、管理者に警告を送ることも可能です。クエリーが異常に遅いリクエストページを発見し、ダブルクリックすると、そのボトルネックになっているページのコードが表示されました。問題のコードは67行目のcfqueryタグ。すぐに修正すると、パフォーマンスは向上しました。こんなひどいページ、誰のだ?ということでよく見てみると、Ben Fortaのブログ。Timはスコーピオマンに「そういえば、君とBenが一緒に居るところを見たことないね」と一言。


Soundbooth

Senior Product ManagerのHart Shaferが壇上に。スーパーヒーローの後はやりにくいとぼやきます。つい先日発表になったSoundboothは、オーディオの経験がなくてもオーディオを扱う仕事をしなければいけないビデオクリエイターやWebクリエイターのための、タスクベースのサウンド編集ツールです。SoundEdit 16のような操作感を目指して開発されました。オーディオの波形を直接選択し、ドラッグで直接エンベロープ曲線を操作すると、波形がリアルタイムで修正されるさまがデモされました。また選択範囲を作成するとボリュームコントロールハンドルが表示され、直感的なドラッグ操作で音量を変更することもできます。コピー、カット、ペースト操作も当然可能です。これらの操作の結果のバージョンはすべてヒストリーに記録されていて、あとで好きなものを選ぶこともできます。もうひとつのデモは、スペクトラムビューに切り替え、サウンドトラックに入ってしまったノイズを視覚的に除去するというもの。またミュージッククリップの尺を映像に合わせて伸ばしたり、ひとつのSoundboothスコアからいくつものサウンドクリップのバリエーションを作成できる機能も紹介しました。最後に、サウンドトラックつきのQuickTimeビデオを開き、映像に合わせてマーカーをうち、Flashのビデオ再生コンポーネント用のキューポイントXMLファイルとして書き出せることを紹介しました。


Fireworks

Product ManagerのDanielle Beaumontによるデモです。次期バージョンのテーマのひとつは「Webアプリケーションのラピッドプロトタイピング」です。デモのシナリオとしては、クライアントがFlexベースのスライドショーアプリケーションを開発していて、デザイナーにそのUIのデザインを依頼してきた、ということで進行していきます。クライアントはラフなスケッチデザインではなく、きちんとしたアプリケーションUIとして見えるデザインを欲しています。デザイナーはFireworksに新しく追加された共有ライブラリからButtonコンポーネントをUIデザイン画面にドロップします。ボタンだけでなく、ほかのUIコントロールも、Flexコンポーネントと同じルック&フィールのものが用意されています。もちろん見た目のカスタマイズも非常に簡単で、ボタンを選択すると、プロパティパネルで「アップ」「ダウン」等の状態に割り当てるPNGを指定することができます。こんどはPanelコンポーネントを配置します。パネルを含め、Flexコンポーネントの特徴は、どのように拡大・縮小してもタイトル部分や角丸の部分が歪んでしまわない「9スケール」(あるいはスケールグリッド)が設定されていることですが、その9スケールも、ベクター画像、ビットマップ画像ともにFireworks内で自在に設定できます。ほかに、スクロールするサムネイルのコンポーネントやNumericStepper(数値ステッパー)コンポーネントなどを次々に追加するだけで、UI画面のデザインが終了します。また、Fireworksなら同じ画面構成のデザイン違いのバリエーションを作成し、別ページとして保存することができます。完成したデザインをクライアントに見せるときは、そのままHTMLとして保存し、サイトにアップします。複数ページを切り替えられるよう、単純なナビゲーションボタンをスクリプトなしで配置することもできます。クライアントがデザインを決定したら、そのバージョンのデザインをこんどはMXML形式で書き出すと、そのままのデザインがFlex Builder上で表示され、コードを追加してコンパイルすれば、Flexアプリケーションが完成します。


Flex-Ajax Bridge

Product ManagerのJason Williams が、AjaxアプリケーションをFlex-Ajax Bridgeを介してFlex Data Services(FDS)に連携させるデモを始めます。Ajaxアプリケーションではサーバーに対してリクエスト-レスポンス形式のデータ要求しかできない限界があることを説明し、Spryフレームワークで作られたAjaxアプリケーションをブラウザ上に表示します。データベースからCDの情報を取得し、カバーアートなど詳細情報を表示するアプリケーションです。Ajaxの問題は、いまこの瞬間にデータベース上の情報に変更があっても、アプリケーションがそれを知るすべがないということ。そこでHTMLソースを開き、画面には表示されないFlash Playerを埋め込み、さらにデータソースとしてFDSのデータセットを指定します。これでXML HTTP通信の代わりにFDSのメッセージングサービスを使うことができるようになりました。もうひとつのブラウザウィンドウを開き、同じデータベースを参照する、データ編集用のFlexアプリケーションを開き、いまAjaxアプリケーションが参照しているデータを書き換え、送信します。すると、画面リフレッシュなしでAjaxアプリケーションの表示が更新されました。Flex-Ajax Bridgeにより、Ajaxアプリケーションにほんの少しのタグを加えただけでデータプッシュが実現できました。次にComputer ScientistのAndrei Dragomiが別のデモを始めます。金融アプリケーションをブラウザで開くと、株価や関連ニュースを表示しているのはSpryで作成されたAjaxパーツで、株価チャートはFlex Chartingで作成されたもの。Ajaxの株価情報には刻々と最新の株価が、関連ニュース表示セクションには最新のニュースがリアルタイムで表示されています。じつはこれら目に見えるパーツの背後に見えないFlexコンポーネントが仕込まれていて、FDSから受け取った情報をFlexとAjax、両方のパーツにデータプッシュしているのです。


Flash

Computer ScientistのElizabeth A. Irizarryによるプレゼンテーションです。ActionSCript 3.0(AS3)はFlash Platformにとって大きなニュースでした。次期Flashオーサリングでは、FlashデベロッパーがAS2からAS3への移行をスムーズにできるような機能を追加する予定です。とくに、ActionScriptプログラミングとデバッグのワークフローを見直し、改善します。例えば、ASファイルを編集しているとき、動作チェックをするときになぜそのままプレビューやデバッグができないのか、あるいはコードのデバッグ時になぜあれほどtrace文を書かなければならないのか。出力ウィンドウに表示された膨大なエラー警告の中から発生場所がわかっても、結局自分で探しに行かなければなりません。次期バージョンでは、コンパイルエラーは出力ウィンドウではなく、独立したコンパイルエラーパネルに見やすいかたちでリストされます。エラー項目をクリックすると、すぐにその場所のコード箇所が開きます。コードを修正すると、再度コンパイルしなくても、その都度リストからエラー項目が減っていきます。また、ASファイルとFLAファイルを関連付けるターゲットメニュー機能が追加されるため、ASを開いている状態でプレビューを実行すれば、自動的に関連付けられたFLAファイルをプレビューできます。さらに、デバッグモード画面が一新され、実行時にオブジェクトのイントロスペクションや条件式のテストが可能になります。デモとして、Elizabethはブラックジャックゲームのデバッグを始めました。新しいデバッグモードでは、ゲームのプレイ中に、変数の値を見ることで親が次に出すカードがわかります。次に自分に配られるカードの値を書き換え、プレイを続行すると、Elizabethが勝ちます。「このホテルのカジノのひとにキミのこと気をつけるように言っておくよ」というMarcのアメリカンジョークでデモは終了します。


Dreamweaver

Product ManagerのScott Fegetteが登壇します。次期DreamweaverのテーマのひとつがCSSデザインをさらに簡単にする、ということで、まず、いまだに存在する主要ブラウザ間のCSS表示の非互換性を実際に見せます。リストアイテムの背景が、WindowsのIE6でだけうまく表示されません。そこで、新しい「Check Browser Compatibility」コマンドを実行すると、「Disappearing List Item Background Bug」(リストアイテム背景が消えるバグ)に該当するという結果が出ました。表示をダブルクリックすると、該当箇所のコードとその原因の説明が表示されます。さらにここからAdobeのWebサイト内の「CSS Advisor」ページの該当箇所を開くことができます。CSS Advisorページにはさらに詳細な症状や原因の説明、さらに回避するためのコード例などが掲載されています。ここにはWebデザイナーコミュニティがコメントやサンプルコード、さらにはそのページで紹介されている解決法の採点などを追加できるので、困ったときに自分でWeb検索し、膨大なノイズのなかから自分で判断して解決策をひねり出すよりもより迅速に問題解決を行うことができるようになります。