2006年10月25日、MAXも3日目に突入。今日も早くから朝食会場では昨日見た新製品や技術の話で盛り上がるグループや、今日のセッションでの見所情報を交換する人々など、活発な交流が見られます。ユーザコミュニティが主体的に参加するイベント。それがMAXが始まって以来続く良きDNAですが、アドビの冠イベントとなった今年も、そのDNAは受け継がれているようです。

2日目となるジェネラルセッションには、昨日同様多数の参加者が押し寄せ、会場入り口は大変な混みあいようでした。その会場を埋めつくした来場者がステージ上に注目する中、登場したのは、昨日のBLUE MAN とはまったく違う、「Verizon(アメリカの携帯電話キャリア)」のロゴ入りシャツを着た、なにやら正体不明の男。スポットライトが集まる中、男は何事もなかったようにステージから立ち去ります。後で、この男が、今日のセッションの中身を象徴する大きなアイコンだったことがわかります。

Verizon Manの後を受けて、ホスト役のKevin Lynchが壇上に現れました。
昨日と同じように、Acrobat 8 を使って、PDFで今日のアジェンダ紹介から始まりました。途中で見つけた誤りもAcrobat 8の機能レビュー機能を使いながらすばやく修正し、関係者へのメール送信まですばやく行える一連のプロセスをデモした後、最後に紹介したのはAcrobat 8からAcrobatファミリーのひとつとなったAcrobat Connect(旧称:Macromedia Breeze)です。Acrobat Connectを使ってKevinが接続をした相手はなんとSan JoseオフィスにいるJohn Warnock(ジョン ワーノック)でした。会場からは驚きの声とともに大きな拍手が沸き起こりました。Acrobatの生みの親、いえ、アドビ自体の生みの親であるJohnと、マクロメディアのテクノロジーをリードしてきたKevinがAcrobat Connectで
コラボレーションする姿は、アドビとマクロメディアの統合を象徴するシーンでした。

続いて、Kevinから紹介されたAl Ramadan(アル ラマダン)が、壇上に登場。今日のジェネラルセッションのメインテーマであるMaD(Mobile and Device)ビジネスについてのプレゼンテーションが始まりました。
昨日もジャガーKXのコンソールにFlash技術が使用されていることが紹介されていましたが、AlからもPlayStation 3等でのPC以外でのFlashによるビジネス機会が増大していることが発表され、様々なDevicesへFlashビジネスが急速に広がっていることが紹介されました。
続いてAlが紹介したのはMobile=携帯電話の分野でのFlashビジネスの拡大です。 NTT DoCoMoをはじめとして、世界で1番始めにMobile分野でのFlash Eco Systemが確立した日本市場に触れた後、その流れが韓国(サムソン、LG)、ヨーロッパ(ノキア)へと続いていることを紹介。そしていよいよ北米でも、このFlash Eco Systemが立ち上がることがアナウンスされました。それは、北米の大手携帯電話キャリアであるVerizonがFlash Lite 2.1テクノロジーを採用したことを会場で発表したのです。
VerizonのVPであるJohn Strattonのビデオメッセージの後、壇上に現れたのは、セッションの冒頭にステージにいた、あのVerizon Manでした。それも大勢の仲間とともに。 彼らは、Verizonの携帯電話のテスター=デベロッパーとして紹介をされました。彼らこそが、VerizonがFlash Lite 2.1を採用することで生まれた、新たなFlashビジネスのEco Systemを支える重要なプレイヤーなのです。

Verizonのアナウンスのあと、続けてBREWとの関係について話が続きます。BREWはQUALCOMM社が開発し、多くの携帯キャリア、携帯端末製造会社が参画しているプロジェクトで、異なる携帯端末へのアプリケーション開発を容易にするための携帯端末向けアプリケーションプラットフォームです。現在BREWに携わる多数の開発者が存在するのですが、これらの開発者コミュニティとFlashの開発者コミュニティ、そしてBREWのビジネスモデルが組みあわさることで、携帯キャリア、Flash開発者ともに大きなビジネスが生まれています。
日本ではau KDDIがBREWとFlash Liteを採用していますですが、今回VerizonがFlash Liteを米国で初めて採用することになり、アドビ、Verizon、QUALCOMMの3社が共同で大きな一歩を踏み出したことになります。このセッションを通じてAlが紹介していたのは、MaDビジネスの広がりが、Flash開発者に大きなビジネスチャンスをもたらしているという事実です。アドビのデベロッパーコミュニティが多数集まるこのMAXにおいて、このメッセージは大変重要なものでした。

続いては、アドビのMaD(Mobile and Devices)事業部でデベロッパリレーションズを担当しているBill Perry(ビル ペリー)が登壇し、実際にどのようにMobile向けのコンテンツが作成されるのかについてデモが行われました。
まず、将来のFlashオーサリングツールやPhotoshopなどで採用される予定のDevice Centerという新しいソフトウェア(機能)を紹介しました。Device Centralは、現在Flash Professional 8で採用されている携帯向けコンテンツ制作のためのエミュレータ機能を大幅に拡張したまったく新しいソフトウェアです。デモではまず、Device Centralに登録されている携帯端末から、ターゲットの機種を選定して、Post Processorを選択します。そしてその機種にあったFlashアニメーションや壁紙の制作が容易に行えるようになることが紹介されました。
さらに画面設計時のPhotoshopの利用においても、バックライトや日の当たり方により、見え方がどのように変わるかのシュミレーション機能も紹介されました。機種によってスクリーンサイズやパフォーマンス、メモリサイズが異なる携帯端末向けのコンテンツは、作成後のテスト工程に負荷がかかることが珍しくありません。今回紹介されたDevice Centralはその負荷を軽減することができ、かつFlashコンテンツだけではなくPhotoshopを使った携帯用壁紙の作成や、Premiere ProやAfter Effectsを使った携帯用ムービーファイルの作成などにも利用できるため、モバイルコンテンツ制作のワークフローがより簡単にそして効率的になることが期待できます。どの機種にも対応できる開発環境を提供することは、現在のMobile向け開発には欠かせません。そのため、実際の動きをチェックするためのエミュレーター機能や、パフォーマンスチェックを行うためのシュミレーター機能など、今回紹介されたDevice Centralはモバイルコンテンツ制作者には意味ある機能と言えるでしょう。昨日のWebコンテンツやアプリケーション開発でご紹介したのと同じように、デザイナーとデベロッパーをつなぐワークフロー全体を支援するアドビのソリューションが紹介されました。
最後にAlが来年のAdobe MAX 2007では、より大きな成功を皆様に紹介することを約束し、MaDのセッションが終了しました。
続いて、Kevinよりゲストの紹介がありました。
一組目はこのMAXにあわせて結婚式を行ったカップルの紹介、そして二人目は最年少のMAX参加者(14歳!)にしてColdFuson開発者の、その名もMAX君(本名が本当にMaxなのです)の紹介。そして、最後にアドビのCEO、Bruce Chezenが紹介されました。

Bruceは会場の皆様に、MAXへの参加について感謝を述べた後、アドビにとってデベロッパーコミュニティーは欠かせない存在であると明言。また、デザイナーとデベロッパーの融合やFlex、Flash Lite、Apolloなど、今回のMAXでのキーテクノロジーに触れ、今後もコミュニティに対して先進的なツール、テクノロジーを提供していくことを約束しました。

引き続き、Bruceをプレゼンターとして、MAX AWARDの発表がありました。MAXの展示エリアにも出展していた12のファイナリストの中から、6つのカテゴリーでのAWARD対象者が紹介されました。受賞対象はLiveCycleやFlexを使ったリッチインターネットアプリケーションから、ゲームにいたるまで幅広い分野にわたりましたが、これもアドビならではのことといえるでしょう。アドビのプラットフォームは、エンターテイメントからエンタープライズまでをカバーできるため、これだけの多くのデベロッパーがMAXに参加しているのです。
最後に、6名(社)のAWARD受賞者から、会場の参加者が携帯電話で投票して最優秀賞を決めるという企画が行われました。この仕組みに使用さえたのはColdFusionとFlexで作られたリッチインターネットアプリケーションで、会場からの投票データをリアルタイム反映して、順位をグラフで表示するという優れたものです。
投票は激戦の末、フォルクスワーゲン社のGOLF GTIのWebでのカスタマイズを可能にするGTI Featureが受賞しました。
このサイトはFlashとPDFのソリューションを組みあわせたものとなっており必見です。
ご興味ある方はぜひ下記のサイトにアクセスしてみてください。
VW GTI Features
http://www.vwfeatures.com/gti.html
いよいよ明日は最終日です。Adobe MAX 2006、次回のレポートもお楽しみに。