Takashi Yasui, Japan
Adobe Experience Design CC

 

 

デザインの要、フォントの秘密

⽂字を作る、選ぶ、遊ぶ ~なぜその⽂字を選んだのか?~

Adobe MAX 2016セッションレポート

デザインにおいて⽂字組やフォントはとても重要な要素のひとつです。⼀つ⼀つが違う⽤途を持ち、持っている魅⼒も違う様々なフォントの中から、デザイナーはフォントをどのようにして選びデザインしているのでしょうか。また、そのフォントそのものはどのように制作されているのでしょうか。

 

Adobe MAX 2016セッションレポート

 

Adobe MAX Japan 2016 の中で⾏われた、⼤⽇本タイポ組合(秀親 ⽒、塚⽥ 哲也 ⽒)と、フォントデザイナーの⻄塚 涼⼦(アドビ システムズ 株式会社 チーフタイプデザイナー)の「⽂字を作る、選ぶ、遊ぶ 〜なぜその⽂字を選んだのか?〜」と題したトークセッションは、フォントデザイナーの書体デザインに込めた熱い熱い思いが伝わり、第⼀線で活躍するデザイナーの細かすぎるこだわりがユーモアたっぷりに語られ、会場に涙と笑いと拍⼿を湧き起こしたセッションでした。

 

フォントを「作る」

 

⻄塚は実際に携わった「源ノ⾓ゴシック」を例に、フォント制作のプロセスやコンセプト、特徴などを作成時のデッサンや使⽤されている事例を交えて解説しました。今の時代は紙媒体だけではなく、デジタルデバイスでの使⽤も考慮しなければなりません。モバイル端末の⼩さいモニターでの⻑⽂でも疲れにくく読みやすいようにと、バランスのとれたややクラシックにデザインされたこのフォントはとても⾼く評価されています。

 

フォントを「作る」

 

 

源ノ⾓ゴシックとは

 

  • AdobeがGoogleと共同開発したオープンソースのフォントファミリー
  • Source Han Sans・源の⾓ゴシック・Noto Sans CJK は同じもの(源ノ⾓ゴシックとは⽇中韓を網羅したゴシック体フォントのうち、⽇本語部分の名称のこと)
  • ⽇中韓で使われている漢字を統⼀させたデザインのため、⾔語が変わってもイメージをずらすことなく各国の⽂字を使える
  • ウエイトは極細の“ExtraLight”から極太の“Heavy”まで7種類
  • スモールデバイスでも読みやすい、すっきりとしたデザイン
  • さまざまな条件での可読性を考慮した上、⿊バックに⽩⽂字で使われることも意識

 

源ノ⾓ゴシックとは

 

逆に、現在作成中の「貂明朝」は、⻄塚の「とにかくカワイイ明朝体を作りたい!」という個⼈的な思い⼊れのみで作成されているフォント。「貂明朝」という名前になった理由を含め作成することになったき っかけ、思い描く⽂字に近づけるための苦労など、熱い熱い思いを語る様⼦に会場内には思わず笑みがこぼれました。中でも、なかなか⾒ることのできない「⼀番最初にひたすら書きおこす」という⼿書きデッサンは、とても興味深いものでした。「貂明朝」はまだ作成中とのことで、今からリリースが楽しみです!

 

貂明朝
貂明朝

 

 

フォントで「遊び」フォントを「壊す!?」

 

「⽂字の⾰命児」と呼ばれる⼤⽇本タイポ組合のお⼆⼈の制作されるデザインは常にチャレンジ精神に溢れ、その上ユーモアたっぷり、遊び⼼満載です。こちらもフォントを選びデザインする際のこだわりやポイント、また作成⽅法など、仕事で作成された貴重な実データを交えながら解説され、さらには制作現場での楽しい裏話も⾶び出しました。

中でも、デザインを担当された『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』(著 清野とおる)というコミックの裏話は、すぐ書店に⾏って確かめたい!と思わせるほどでした。装丁・カバーだけではなく、単⾏本になった際に追加されたオリジナルの記事ページ、⼀話ごとロゴっぽくしたタイトルなど、随所に散りばめられた細かすぎるこだわりと遊び⼼、思わずニヤリとさせられるデザインのすべてに⽬を凝らして⾒てほしい作品に仕上がっています。⽂字を絵として扱うデザインを作成する際に重要なのは、単に楽しいだけに終わらせず、作品のイメージやコンセプトに合わせつつ⾒た⼈が読めることを考慮し、「やりすぎない」「いじりすぎない」こともポイントだそうです。

 

フォントで「遊び」フォントを「壊す!?」

 

そんなお⼆⼈は、フォント「字字字 sans」も作成されており、そちらも披露されました。このフォントには、⿊・⽩・⾚と3つのファミリーがあり、それぞれの名前の通りに配⾊し重ねると…ひらがなが「字」という字になります。 いつ使う場⾯がくるかまったく想像できませんが、その発想⼒に会場では⼤きな笑いと拍⼿をもってむかえられていました。問題の「字字字 sans(ggg-sans ver1.0)」は無償ダウンロードできますので、実際に⼊⼿して楽しんでみてください!

 

字字字 sans

 

 

フォントを「楽しむ」!

 

「書体の作られた歴史や背景を汲み取りデザインに落とし込む」という話をよく⽿にします。知識としてあった⽅がいいのは勿論ですが、凝り固まらず、⾒る⼈・伝えたい⼈に対してどのような印象を与えたいのか、理屈より雰囲気や印象を優先してもいいのではないでしょうか。フ ォントに熱い思いを込めるフォントデザイナーと、そのフォントを壊し、遊び、楽しむデザイナー。第⼀線で活躍するデザイナーのたくさんの思いや徹底したこだわり、なかなか聞くことのできないバックストーリーまで伺え、「⽂字は楽しい!」「デザインは楽しい!」と再確認できたセッションでした。

 

フォントを「楽しむ」!

 

貂明朝制作の苦労話などはセッションビデオをぜひご確認ください。

 



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Typekit

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Typekit は欧⽂フォントだけでなく、このセッションでも解説されていた「源ノ⾓ゴシック」をはじめとする Adobe の⽇本語フォント、そしてモリサワなどフォントベンダーが提供する⽇本語フォントを、印刷などの制作物のみならず、Webフォントとしても利⽤できるライブラリーです。必要なときにいつでも美しいフォントが使えるので、デザイナーの制作ワークフローが洗練され、クリエイティブの幅が⼀気に広がります。利⽤料⾦ Adobe Creative Cloud の契約に含まれています。

※ご契約Adobe Creative Cloudプランに依存します。

詳しくはTypekitのWebサイトでご確認ください。