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データを駆使したマーケティングを成功させる3つのポイント(Data Driven Forum 2016 レポート)

2016年08月23日

【POINT】
  • デジタル時代の企業活動では、顧客インサイトに基づいて優れた顧客体験を提供することが企業競争優位の源泉になる
  • データドリブンのゴールは、リアルタイムな意思決定と判断に即したアクションを売上に転換することである
  • データドリブンマーケティングでは、全方向から顧客を理解すること、データを民主化すること、誰でもスマートにデータを活用できることが求められる

今日、データを持っていない企業は存在しないが、「データドリブンな経営」が成功している企業は少数派と言っても過言ではない。この記事では、Adobe Marketing Cloud Data Driven Forum 2016 基調講演の内容から、データドリブンであることが求められる背景、企業のマーケターがデータドリブンマーケティングを実践していくために求められることを考える。
 
 

デジタル時代の企業活動で重視するべきものは何か?

 
デジタル化の進展は、生活の利便性や業務効率の向上に大きく貢献している。だが、その恩恵を受け、顧客と企業との関係は前よりも良好になったと言えるのだろうか。企業がモバイル/ソーシャル対応を進めた結果、データの種類と量が爆発的に増加した。顧客はノイズに邪魔されることなく必要な情報を得ることに苦心しており、企業の方でも増えたデータを持て余しているように見受けられる。
 
顧客は、自分に役立つ意味のある情報をもっと簡単に手に入れたいと考えており、自ずと企業とのコミュニケーションへの期待値が高まる。この期待に応えるため、優れた顧客体験を提供することが企業に問われている。アドビ システムズ代表取締役社長の佐分利ユージン氏は、優れた顧客体験を構成する4要素は「説得力がある」「パーソナライズされている」「役に立つ」「いつでもどこでも」であると基調講演で語った。
 
デジタル時代は、製品/サービスではなく、優れた顧客体験を継続的に提供する組織的能力を備えることが企業の差別化の源泉となる。優れた顧客体験とは顧客に感動を与えることである。「その実現には、魅力的なデジタルコンテンツとあらゆる顧客接点から得たデータの活用が不可欠」と佐分利氏は説明した。魅力的なデザインと創造的なビジュアルを備えたコンテンツは、顧客の製品/サービス購入ライフサイクルを誘導する。また企業にとって、コンテンツはあらゆる接点から顧客データを得る機会でもある。
そしてさらに重要な点は、過去のトレンドを把握するためではなく、今後のアクションを決めるためにデータを使うことだ。「だからデータが勝敗を左右する」と佐分利氏は強調した。
 
アドビ システムズ代表取締役社長 佐分利ユージン氏
 

KPIを可視化するだけでは不十分

 
デジタルマーケティングでは、とかくコミュニケーションの側面に注目が集まりがちだが、優れた顧客体験で差別化したい企業はデータにも目を向けるべきである。企業がデータを活用し、データからインサイトを導き出し、インサイトを意思決定に活かす試みは、既に多くの企業が取り組んできたはずだ。ならば、企業は今でも十分にデータドリブン経営の経験を積み重ねているはずなのに、成功している企業が少ないのはなぜか。
佐分利氏に続いて登壇したAdobe Analytics プロダクトマーケティング担当シニアディレクターのジェフ アレン氏は、データドリブンのゴールと手段が混同されている現状を問題視した。この問題を、身近な「車の運転」に例えてみよう。
運転時のKPI(Key Performance Indicators)の一つにスピードメーターがある。運転中のドライバーは、リアルタイムにメーターを確認する。制限速度の50kmを守っていれば、スピード違反で警察に捕まったり、事故に遭ったりすることはない。しかし、運転のゴールは目的地に予定した時間に到着すること。道路状況に応じて、当初の計画を変更しなくてはいけないことはよくある。当初のルートで道路工事が発生していれば、迂回して新しいルートを選ばないといけない。天候情報や渋滞情報を取得しておかなければ、予定外の時間ロスという事態を生み出す変動要因を予測できない。すなわち、「固定されたKPIを守る」だけではゴールを達成できないのだ。
企業活動でも同じだ。様々なKPIを活用し、活動をモニタリングすることだけがデータドリブンではない。例えばデジタルマーケティングのキャンペーンでは、チャネルの状況、カスタマージャーニーの進捗、コンバージョン効率といった視点から、リアルタイムに状況を評価する。しかし、それはあくまで手段でしかない。そこから得られた顧客インサイトを顧客の状況に応じたアクションに展開し、売上に転換できて初めてデータドリブンと言える。KPIを可視化するレポーティングで満足していては不十分ということがわかる。
 
 

データドリブンマーケティングに必要な3つのポイント

 
Adobe Analytics プロダクトマーケティング担当 シニアディレクター ジェフ アレン氏
 
企業活動や顧客を的確に捉え、ゴールを達成するには何が求められるのか。アレン氏は、データドリブンマーケティングを実践する際に必要となる3つのポイントを語った。
 

全方向(360度)から顧客を理解する

顧客を的確に理解するには、まず自社が保有しているデータ、すなわち「ファーストパーティデータ」を徹底的に活用することが求められる。Webサイトでの行動データの他、製品/サービスの購入に関するデータ、サポートサービスの利用実績に関するデータ、ソーシャルメディアから取得した嗜好に関するデータなど、様々なデータが考えられる。その際、データの種類と品質が十分でないと、顧客を誤解し、ビジネスチャンスを逃すことにもなりかねない。場合によっては、パートナーが持つセカンドパーティデータやパブリックDMPのようなサードパーティデータを活用し、あらゆる方向から詳細に顧客を理解する必要もあるだろう。
 

誰でも簡単に利用できるよう「データを民主化」する

多くの企業において、顧客を理解するために必要な社内のデータへと自由にアクセスできる人は限定されていることが多い。このことは、経営の意思決定に関するデータを経営層が独占してきたことが影響している。また、部門システムの壁がデータアクセスの障壁になっていることもある。意思決定はトップの経営層だけの仕事ではない。マーケティングのように、企業の前線で顧客に接する現場の業務でも、意思決定は重要な仕事だ。そして、現場での意思決定は、経営層の意思決定とは違って、その場の判断を求められるリアルタイム性が高いという特徴がある。対峙する顧客にもっとよい経験を提供するには、データを民主化すること、すなわちデータアクセスを解放する方が得策であり、より良いパフォーマンスを期待できる。
 

誰でもデータサイエンスを駆使できる仕組みを整える

マーケティング部門がデータサイエンスを活用するには、ツールが難しい点とデータサイエンスの専門家が少ない点がボトルネックとなる。従来型のBI製品(ビジネス インテリジェンスツール)の場合、マーケティング部門が必要とするダッシュボードを作るには、IT部門のサポートが不可欠であった。また、データサイエンティスト自体が少なく、自社で人材を確保することが難しい企業も多い。これではマーケティング部門の求めるリアルタイムな企業活動の把握や顧客の理解は難しい。また、企業活動を取り巻く状況には、隠された波や変動がある。曜日や季節、天候、為替まで、様々な要因が考えられる。専門家でなければ、データからパターンや傾向、異常値などを読み取るのは容易ではない。だから、機械学習のようなテクノロジーの力を最大限に活用すべきなのだ。そうすれば、データサイエンスを自動化し、誰もがメリットを得ることができるようになる。
 
 

スマートなデータ活用を顧客体験に

 
適切なデータや仕組みを持たないマーケターは、企業活動の最前線で、とかくこれまでの経験と勘に頼った施策を展開せざるを得なかった。しかし、デジタル環境の整った今、企業活動や顧客の反応をデータとしてリアルタイムに獲得できるようになった。スマート家電やスマート自動車のような新しいテクノロジーが消費者の生活に浸透しはじめており、これまでにない新たなデータを獲得する機会も生まれている。そうしたデータから顧客インサイトを導き、意思決定とアクションに役立てることができれば、利点は大きい。
アレン氏は、「優れた顧客体験を提供するうえで重要なのは、顧客の状況(コンテクスト)に寄り添うことだ」と主張した。企業が活用できるデータが多種多様であるほど、顧客の状況をスマートに理解し、顧客体験を構成する4要素を満たすことができるようになるのだ。

 

 

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