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コカコーラ:「GO!」プロジェクトでワールドワイドな共通ブランド管理を実現

2017年05月18日

【POINT】
  • ブランド管理には社内外の関係者の理解という大きな課題があり、その基盤づくりに知恵を絞らなければならない
  • コカコーラは、ブランドガイドラインに基づいてローカルに最適なコンテンツを制作できる枠組みを提供する「GO!」プロジェクトを立ち上げた
  • コンテンツを切り分けてコンポーネント化することで、再利用が促進され、投資が抑制できることが実証された

 

関係者全員のブランド理解を統一する難しさ

 
関係者の意思統一
 
ブランドはその企業の提供価値を体現する。その価値は、顧客にきちんと届いてこそ意味がある。あらゆるコミュニケーションにおいて全社員がブランド理解を共有することの重要さは、言うまでもない。しかし、全社員が共通のブランド理解を持つのは容易ではない。代理店など社外の関係者ともなればなおのことだ。クロスボーダーということでは、日本企業の海外展開などは顕著な例だろう。
 
たとえば、アジアのある新興国で市場を開拓しようとしている日本人ビジネスマンの話は印象的だ。「この国の人は、とにかく親切です。しかし、ビジネスとなるとまだ成熟していません。マーケティング面でも、日本や欧米ではありえない経験を数多くしてきました。親切であるがゆえなのかもしれませんが……」。
 
現地の印刷会社に会社案内を任せると、デザインを勝手に変えられてしまうことは日常茶飯事だという。彼らの言い分は、「こっちの方がカッコイイ!」。お客様に喜んでもらうサービスという感覚らしく、デザイン変更による追加料金を請求するわけではない。企業の要望どおりに、渡したデータをそのまま印刷してもらえるようになるまで、何度も言い聞かせる必要があった。印刷会社のみならず、代理店も同じような感覚だという。
 
グローバル展開する企業にとって、ブランド管理はかくも難しい。国/地域ごとの市場に合わせる必要はあるとはいえ、ブランドの根幹は共通。そこを維持した上で、どうやって現地に合わせていくか。各国のマーケティング責任者と代理店が知恵を絞ることになる。
 
コカコーラは、その部分で大きな改革を成し遂げた。グローバルでブランドガバナンスを効かせながら、各地域にマネジメントを委任する、デジタル基盤を整備したのだ。これを支えるために採用したのが、「Adobe Experience Manager(アドビのエンタープライズコンテンツ管理システム)」および「Livefyre(コンテンツ配信プラットフォーム。2016年にアドビが獲得)」だ。同社はこのグローバルプロジェクトに「GO!」という名前を与え、2014年にスタートさせたのだ。
 
 

ローカルに、最適なコンテンツを制作できる枠組みを提供

 
GO! プロジェクト

 

コカコーラの展開するブランドは、Coca-Cola、Fanta、Minute Madeなど数十に及ぶ。そして、それぞれのブランドごとにローカルサイトがある。サイト制作の際に、ローカルのマーケティング担当者と代理店がGO!を利用することになる。
 
GO! プロジェクトは平たく言えば、全世界のマーケティング担当者と代理店に対して、ブランドガイドラインに沿いながら、ローカルで自由に最適なサイトを制作できる枠組みを提供するものだ。用意されているのは、テンプレートと基本的なブランドコンテンツ群である。
 
 

すべての関係者にメリットのある仕組み

 
GO! プロジェクト
 
ローカルでは、コンテンツを取捨選択して組み合わせると共に、オリジナルのコンテンツを追加して自由にサイトを構成できる。これにより、コンテンツの再利用性が高まり、それまで各国/地域が独自に制作してきた共通コンテンツへの投資抑制が期待できる。ローカルのニーズは、承認されたオリジナルコンテンツの制作で充たされる。フレームワーク部分に手を入れることはできないため、ブランドの根幹は守られる。すべての関係者にとってメリットのある仕組みだ。
 
 

アイデアをすばやく形に

 
GO! プロジェクト
 
このプロジェクトを立ち上げ、推進してきた同社のリサ ロジャース氏は、「マーケティング担当者のマインドチェンジを促しました」と話す。
「すばらしいアイデアを思いついたときに、“webサイトを立ち上げよう”と考えるのではなく、“そのアイデアをコンテンツにしよう”と考えてほしいのです。コンテンツなら、シンプルに作れます。はるかに少ない期間とコストで、アイデアを形にできるはずです」。
 
 

プロジェクト名に秘められた哲学

 
GO! プロジェクト
 
GO! というプロジェクト名にも、その思いは込められている。Global Onlineの略語としての側面もあるのだが、ロジャース氏は「囲碁」の世界観を表現したかったという。白と黒の碁石を互いに置き合い、埋めていく盤面はシンプルに見える。一方、対局者は無限に思える可能性の中から複雑な思考に基づいて次の手を選ぶ。GO!で作るブランド別ローカルサイトには、マーケティング担当者の複雑な思考が込められていて、かつシンプルにブランドを伝えられるものであってほしい。
 
GO! プロジェクト
 
「テクノロジーに詳しくないマーケターでも利用できるように、ユーザーインターフェイスは極めて扱いやすいものにしています。欧州、アジア、アフリカ、北米、南米の計6拠点で行うサポートは、24時間体制。ローカルのマーケティング担当者と代理店が、消費者にアピールできるコンテンツを考えることに注力できるよう、全力でサポートしています」(同氏)
 
 

GO! プロジェクトが全世界のプロモーションを加速

 
GO! プロジェクト
 
現場からの評判は上々だ。稼働1年後にGO!をフルに利用して構築されたwebサイトは194になった。2017年の第1四半期にはそれが450以上に。2018年までに160か国/地域の525以上のサイトへの適用を目指している。対応ブランドは55を超え、60以上の言語で利用されるようになる見込みだ。
 
GO! プロジェクトが始まる前、同社のオウンドメディアは全世界で2,000以上が稼働していた。顧客データを集約したり、プロモーションメールを配信したりするなど、バックエンドの仕組みを含めて個別に構築されたwebサイトも数多くある中で、その4分の1以上が既に移行した計算になる。
 
同社のブランドコンテンツ展開は、自社で構築するローカルサイトだけではない。FacebookやTwitterにも、ガジェットやコンテンツを展開できる。その際に有効なのが、Livefyreだ。ロジャース氏は、「Livefyreによるコンテンツのコンポーネント化は、SNSとの親和性が高いことが特長です。テキストであれ、イメージであれ、動画であれ、コンテンツを用意して配信先を選択するだけで、プロモーションを始められます」と話す。
 
 

コンポーネントの再利用は8万回にも及ぶ

 
GO! プロジェクト
 
「私たちのサイトの70%が、すでにLivefyreを利用しています。Adobe Experience Managerと統合されたことで、より扱いやすくなりました。極めてわかりやすいユーザーインターフェイスを提供してくれるため、トレーニングとサポートに手間がかからないことも魅力です」(同氏)
 
コスト面でも大きな成果を手に入れている。コンポーネントの再利用数は、8万回に及ぶ。コンテンツを切り分けてコンポーネント化することで、再利用が促進され、投資は抑制される。それが数字として実証されたのだ。今後同社は、魅力的な基本コンテンツをさらに増やしていく。ローカルの自由を奪わないこの仕組みを軸にすれば、新しい発想に基づいた魅力的な“コンテンツ”が、各ローカルから生み出されることも期待できそうだ。
 

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ユースケース概要: コンテンツマーケティング
顧客のニーズは多様化しています。それに対応できるだけの量と質のコンテンツをすばやく創出し、あらゆる顧客接点で提供するために、実現に向けて企業が直面する課題、あるべきワークフロー、そしてアドビがどのようなソリューションを提供できるかをご紹介します。
 
製品概要:Adobe Experience Manager Livefyre
消費者が最も信頼する「他の消費者の声」を、自社コンテンツのように管理/活用できるソリューション”Adobe Experience Manager Livefyre”を紹介します。ユーザー生成コンテンツ(UGC)と自社コンテンツを統合的に管理し、より魅力的なデジタルエクスペリエンスを提供することができます。
 

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