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デジタルマーケティングCoEの役割(前)

2016年03月14日

 
【POINT】
  • CoEが<デジタルマーケティングの推進>を行うために求められる機能は6つある
  • 6つの機能のうち、ガバナンス、プロセス、ナレッジについて紹介
  • 仕組みの整備と知識の組織的な学習効果により、意思決定の質が変わってくる

 


こちらの記事でデジタルマーケティングを組織で推進していくために必要な中央組織、Center of Excellence(以下CoE)について触れた。今回はこのCoEの役割についてもう少し掘り下げ、改めてその必要性、実際にCoEを構築していく時のタスクについて触れていく。

 

 

CoEの主要な機能

デジタルマーケティングのCoEは、企業のデジタルマーケティングを推進することを目的とした、専門集団でなければならない。そしてこの<デジタルマーケティングの推進>を行うため、様々な活動を行っていくことになるが、CoEに求められる主要な機能は以下6つの切り口でまとめることができる。

 

  • Governance(ガバナンス)
  • Process(プロセス)
  • Knowledge(ナレッジ)
  • Measurement(計測)
  • Training/Support(トレーニング/サポート)
  • Culture(文化)

それでは、それぞれの項目を、より具体的に掘り下げていこう。

 

 

ガバナンス

Forrester社の調査によると、複数のチャネルを通じてブランドと接している顧客は60%以上にものぼる。(参考:Forrester 2012 Nov)また、90%以上の顧客は店頭で購入する前にオンラインで情報を確認しているというEconsultancy社の調査などもある。(参考:Econsultancy 2012 Sep)。これらの調査からもわかる通り、顧客の行動はPCとスマートフォン、アプリなど複数のチャネルをまたぐことが非常に多くなってきている。そのため、これまでのように、Webサイトの運営のみ、モバイルの運営のみ、メールの運営のみといった、関係部署がそれぞれのチャネルだけを見てアクションしていると、異なるユーザエクスペリエンスを提供してしまう懸念が高まる。
 顧客視点で考えるのであれば、これからのデジタルマーケティングでは、あらゆる顧客接点を統合して運用していく必要があるのだ。

 

つまり、デジタルマーケティング戦略を、チャネル毎に組み立てるのではなく、チャネル横断的に一貫したものとして策定/管理していく必要がある。デジタルマーケティングCoEにはまさに、このようなデジタルマーケティング戦略/戦術の管理を行うことが一つの役割として求められている。

 

また、上記以外にもCoEのガバナンス機能に求められるものとして、デジタルマーケティングに関わる意思決定/施策のプライオリティ付けや、IT部門/マーケティング部門など関係する複数部門との調整、施策に関わるリソースマネジメントなどが含まれてくる。

 

 

プロセス

意思決定をするだけではデジタルマーケティングを推進することはできない。組織が適切なアクションが取れるように、プロセスの整備が必要となる。

具体的にはフォーマットや実施プロセス、ワークフローの整備などがあげられるだろう。戦略が決まってくると、キャンペーンの実施など具体的な施策を、担当者が起案するようになる。ただ、それぞれが、それぞれのフォーマットで起案をしてしまうと、仮説がボケてしまったり、データ的裏付けの無い不確かなものとなったりしてしまう。すると、プライオリティの比較ができず、結果として意思決定が難しくなってしまうのだ。

 

例えばキャンペーンの実施であれば、その目的、評価するコンバージョン、目標値、過去に行った似た施策の結果、実際のワークフローなどをフォーマット化しておくことで、検討に必要な要素の漏れが少なく、仮説もデータに基づいて検証できるようになる。すると、CoEとしても意思決定がしやすくなるだろう。

 

また、デジタルマーケティングの意思決定などに関わる会議の設定や社内の問い合わせフローの整備などもプロセスに含まれる。

 

例えばアドビ社内のプロジェクトにおいては、このようなプロセスを整備し、週1回のCoEによるキャンペーン実施可否の意思決定会議を設けている。そこに合わせて起案フォーマットをディレクターが作成、起案したものが承認されれば実施、終了後はすみやかにフォーマットに従い評価を行うというフローを実施することで、PDCAをしっかりと回せるようになったケースもある。

 

 

ナレッジ

マーケティングを効率的に行うには、実施した施策を評価し、良かったものを残し再活用していく必要がある。そのためにも、社内のナレッジを収集/アーカイブ/再利用できるようにする、ナレッジマネジメントも非常に重要な要素だ。

社内での経験から取得したベストプラクティスを収集/評価し、アーカイブして検索できるようにしていくことは、中央組織だからこそできることと言えるだろう。実際、Wikiや社内ポータルを利用する会社も多くなってきている。

 

また、デジタルマーケティングは技術の進歩も早く、個人で情報収集をしていくのには限度もある。外部の情報収集も行い、関係者に必要な情報をキュレーションしていくことも、CoEが担うべき重要な役割になる。

 

次回は、残りの3つの機能、計測、トレーニング/サポート、文化について紹介する。

 

 

異なる組織の歩み寄り、共同戦略について、マーケティングとIT両陣営の関係や組織力を強化する方法の解説はこちら

「CMOとCIOの連携強化が不可欠」(PDF)

 

 

安西敬介

アドビシステムズ

グローバルサービス統括本部 コンサルティング サービス本部 DMSコンサルティング部 シニア コンサルタント

安西敬介 (@ank

2001年に国内大手航空会社のシステム子会社に入社後、コンテンツディレクターとしてサイトリニューアルなどを手掛ける。その後、同社内のマーケティング戦略立案支援、ウェブ解析の導入・活用促進に携わった。2008年にオムニチュア入社(現アドビ システムズ)。2009年アドビ システムズによる買収にともない現職。エンドユーザーとしての経験を活かし、現在は企業のオンラインマーケティングを成功に導くためのコンサルティング業務を担当している。


 

 

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