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消費者の「3つの選択肢」に残るブランドになるには? 2020年に向けて、カスタマーエクスペリエンスはこう変わる

2017年03月07日

【POINT】
  • 消費者は、購入を決定する際に、多数のブランドから3つ程度の候補に絞り込んだ上で、それらを真剣に検討する
  • 消費者の「3つの選択肢」に残ることを目指すのは、マーケティングの大きな役割だ
  • 「カスタマー エクスペリエンス3.0」の時代には、企業が予見的なサービスを提供するようになる

消費者が思い浮かべる「最後の3つ」に残らなければ、そのブランドは検討すらされない

 
ブランディングやポジショニング戦略において、「消費者は一般的に、購入を決定するまでに多数のブランドから3つ程度の候補に絞り込み、その3つに限って真剣に検討する」と広く語られている。
 
いくつか例を挙げよう。
仮に、同種のカテゴリーの中で10個の商品を選択肢に入れたとすれば、その順位で言えば4位以下はほとんど記憶に残らず意味を持たない。」(大前研一『ブランド経営の現状と課題』向研会資料 2003年6月)
人が何かを買おうとするとき、頭に思い浮かぶ選択肢は3つ、多くても7つといわれている。」(グロービズ著 武井涼子執筆『ここからはじめる実践マーケティング入門』 ディスカヴァー トゥエンティワン 2015年)
 
フィリップ コトラー博士も、その著書において、「ブランドの記憶可能性」という言葉を用い、「同一ブランドは記憶の中で少数に絞り込まれる」と指摘している。
 
自分自身にあてはめて考えてみると、概ね同様に感じるのではないだろうか。たとえば、自動車を購入する際にどういう思考をするか思い浮かべてみよう。
 
ある人々は、用途を重視する。たとえば、夫婦と子ども2人、そして祖父母も乗車できる大きな車を求めている場合、ファミリーカーの中から希望のサイズを選び、さまざまなメーカーを比較することになる。別の人々は、コストを重視する。彼らはさまざまな選択肢の中から、まず価格帯で車種を選別し、希望に合う価格帯の自動車の中から、最も好みのものを選ぶ。
 
消費者は、購買行動の初期には、どのような選択肢があるだろうかという方向に目が向く。しかし自分の中に価値基準が生まれてくると、選択肢はフィルタリングされ、検討する数は大きく減る。さらにそこから絞り込み、最後に詳細な検討まで至るのは、ほんの数種にすぎないのだ。検討の結果、最後に選ばれるのは、コストを含めた製品力かもしれない。だが、その「最後の選択肢に入る」ことを目指すのは、マーケティングの大きな役割だ。
 
一方、自動車メーカーやブランドのファンという人々もいるだろう。彼らは、そのメーカーやブランドから、最も欲しい車種やカラーを選ぶだろう。これが達成できていれば、マーケティングが勝負を決めたことになる。マーケティングの最大の目標を、このような人々の数を増やすことに置く企業も多い。
 
 

2020年の購買心理を動かすために、マーケティングが目指すべきことは

 
時代が変わっても、消費者の購買心理が大きく変わることはないだろう。とはいえ、消費者の情報を幅広く入手し、それにもとづいたマーケティング展開が可能になったことで、マーケティングが目指すべきことは変わってくるだろう。
 
近未来、消費者との関係はどのように変わっているのだろう。それを展望するにあたり、野村総合研究所が2020年より本格的な普及期に入ると位置づける「カスタマー エクスペリエンス3.0」を中心に考察したい。
 
カスタマー エクスペリエンスは、消費者が企業の製品やサービスを目にしたり、手に取って使ったりするすべての場面で、人々の感じる体験価値を指す言葉だ。ジョン A グッドマン氏は、1970年代のVOC(Voice of Customer:顧客の声に耳を傾けよ)、90年代に登場したCRMをそれぞれカスタマー エクスペリエンス1.0、2.0と定義した。そして、すでに黎明期に入っている3.0の時代には、企業が予見的なサービスを提供するようになる。
 
野村総合研究所によれば、カスタマー エクスペリエンス3.0を紐解くキーワードは3つある。
 
まずは、企業が顧客に対し、さまざまな形態/形状の多様な製品/サービスを提供できるようになることを指す「ポリモーフィック」。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の一般化などを背景とし、スマホアプリやウェアラブルデバイスのような新たなサービス提供がこれに当たる。
 
続いて、顧客ニーズを先取りしてサービスを提供する「プロアクティブ」。カスタマー エクスペリエンス3.0の肝になるコンセプトで、技術的には人工知能を使用する。既存ユーザーに対するアップセル/クロスセルはより高度化し、カスタマー エクスペリエンスの入り口となるブランディング段階から活用することができる。
 
最後に、自社のビジネスから他社のビジネスを呼び出す「オムニディレクショナル」。たとえば、ECサイトで高額商品を購入する際に、ローンのプランを選択して金融会社のサービスを呼び出すことなどは、その黎明に当たる。
 
 

迫る2020年、そしてその先に向けて、新時代のブランディングの備えを

 
未来を展望する前に、過去に戻ってみよう。10年前の消費者にとって、レコメンドサービスは進んだものとして受け取られていた。たとえば、ECサイトで「おすすめの商品」を提示される。当時、「なぜこのサイトは、すでに私の持っているものをおすすめしてくるのだろう」と逆説的な感想が話題になった。多数の購買者による併売傾向を統計的なアプローチで分析した結果、おすすめが表示されるために起きた現象だ。
 
現在の消費者にとって、カスタマー エクスペリエンス3.0がもたらす世界は、十分に想像できる範囲にある。進化した機械学習がもたらした人工知能の優秀さは、ボードゲームで実証され、人間と日常会話できるロボットが話題をさらう。そして、それらは着実に進化を遂げている。2020年、私たちはカスタマー エクスペリエンス3.0を「自然な状況」として受け入れ始めることになるだろう。
 
その時代に、マーケティングの果たす役割はどのようになるだろう。最も大きいのは、ブランディングの個別最適化だ。大量のデータを背景に、よりパーソナライズし、消費者それぞれに対して最適なブランディングを行うことができる。これまで以上に多くの情報をさまざまなチャネルから集められるようになる2020年。そのころには、3つの選択肢に残るために、これまで以上に洗練されたデジタルチャネルを通して、これまでにない手法が生み出されることになるだろう。
 
2020年は、目の前だ。新時代を迎えるにあたって、いまからやっておくべきことは何なのか。実は、カスタマー エクスペリエンス3.0を実現するテクノロジー群は、すでに活用できる状態にある。興味のある方は、テクノロジーを活用し、カスタマー エクスペリエンス3.0時代に向けて取り組みを始めたい企業に最適なホワイトペーパー『迫る2020年のカスタマー エクスペリエンスを読み解く』を、こちらからダウンロードしてほしい。組織作りや自社の取り組みに向けて、いくつかのヒントを得られるはずだ。
 

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