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コンテクストはパーソナライゼーションの鍵

 
2016年03月14日

 
【POINT】
  • 顧客の名前を知ることは顧客を知ることにはならない
  • デジタル時代において、パーソナライゼーションはマーケティングを成功させるのに最も重要だが、多くの企業は顧客の期待に応えることができていない
  • 個々の顧客にパーソナライズした施策や、データを使った提案は、顧客を魅了するか、気味悪がらせるか、もしくはプライバシーの侵害になるかの紙一重と言える

 


ほとんどのマーケターは、パーソナライゼーションの一手法として、「メールに顧客の名前を挿入する」という方法を知っていると思う。しかし、顧客の名前を知ることは顧客を知ることにはならない。デジタル化が進み、様々な仕組みが存在する現代において、顧客は、もっと一人ひとりに寄り添った、メールのパーソナライズを期待しているのだ。
 
PwCが委託してForrester Consultingが実施した調査によると、顧客にあわせてサービスやコンテンツを最適化するパーソナライゼーションについて、79%のマーケターが、「マーケティングと顧客体験(顧客満足度の向上、企業への愛着など)」、「新規顧客の開拓」の目標を達成するために重要であると回答している。そして71%は、顧客接点の多様化が顧客の期待を高めていると考えている。
 
では、単に顧客の名前を入れることがパーソナライゼーションではないとしたら、一体どのような施策をすれば良いのだろうか?
キーワードは「コンテクスト(状況/文脈)」だ。コンテクストは、顧客が何を、どこで、誰と関わったのか、という要素の組み合わせである。顧客を行動、場所、関係性という3つの視点から見ることにより、マーケターは必要な情報を手に入れることができる。そして顧客ターゲットを絞ったメッセージを作り、有意義な関係を築くことが可能となるのだ。
 
PwCの調査によると、87%にのぼるほとんどの企業が、メールでのパーソナライズを実施していると回答した。一方で、新しいチャネル(顧客との接点/経路)でパーソナライズを実施できていると回答した企業は、モバイルで51%、ソーシャルメディアで62%にとどまっている。
そして、すべての顧客接点に対する施策を実施し、最適なタイミングで最適な提案をする「リアルタイム
オファー」ができる体制であると答えたのは、38%であった。パーソナライゼーションのために、顧客との交流やコンテクストのデータを利用しているのは、企業の半数に満たないのだ。ほとんどの企業において、パーソナライゼーションへの取り組みはありきたりなものとなっている。しかも、それぞれの施策はバラバラに運用されており、個々の顧客に合わせたものではない。
 
それでもマーケターは、顧客を満足させ、喜ばせる顧客体験を届けるため、パーソナライズしたデータを集め、使おうとしている。そのようなマーケターにとって、顧客接点における施策の多くは、以下の3つの理由から一筋縄ではいかない仕事となっている。
 
1.  顧客の期待が増大している
現代の顧客は、いつ、どこでも、いかなる時でも、彼らにとって最も便利なデバイスやチャネルを使って、企業と交流できることを期待している。さまざまなデバイスやチャネルの普及によって、顧客はかつてないほど多くの選択肢を持っているのだ。そのような状況で、顧客は企業との間で一貫した顧客体験を味わえることを期待している。デバイス、プラットフォームを切り替えるときに、わざわざ1からやり直したいとは思っていない。このような顧客の期待は増大しており、それに対応することが、今日のパーソナライゼーションを成功させるための1番の課題となっている。今回のアンケート調査では、マーケターの60%がそのように回答した。
 
2.  サイロ化(分断)したチャネルが、顧客接点の盲点を生み出している
爆発的に増えた顧客接点は、新しい顧客データを豊富に生み出してきた。それらは有効に活用されるべきである一方、データの管理とプライバシー保護に関する課題も併発している。たとえば多くのマーケターは、顧客がメールを読んだとき/Webサイト上で検索したとき/カスタマーサポートへ電話をかけたとき、などのように、顧客の行動に対してそれぞれのデータを分断して取り扱っている。これでは、他のチャネルで顧客が取った行動のような、顧客の置かれているコンテクスト(状況)は認識できない。
アンケート調査によれば、マーケターの48%が、顧客データを適切に取り扱うよう求められる一方、45%は、もっと効果的にデータを利用するよう求められていると回答している。
 
3.  過剰な情報が、顧客を気味悪がらせている
パーソナライズした施策や顧客データを使った提案が、顧客を魅了するか、気味悪がらせるか、もしくはプライバシーの侵害になるかは、まさに紙一重である。企業が顧客の情報を過剰に使いすぎたとき、顧客が、知られているとは思わなかった自分の情報を、企業に知られていると気づいたとき、顧客は不快になりかねない。アンケート調査で、マーケターの48%は顧客のプライバシーに関する懸念に対応することが、パーソナライゼーションにおける課題になると回答している。
 
このデジタル時代において、パーソナライゼーションはマーケティングの成功に最も重要なことだが、多くの企業は顧客の期待に応えることができていない。今こそ企業は、新たなレベルのパーソナライゼーション戦略を取るべきだ。その戦略とは、クロスチャネル、顧客プロファイル、コンテクスト、履歴、行動データなどを活用し、顧客のその時々のニーズに応じて顧客体験を提供することだ。卓越したコミュニケーションのために、企業には適切なツールとデータが必要となる。そして、マーケティングをITと連携させ、パーソナライゼーションを最適化するため、パートナー企業を活用することも求められるだろう。

 

 

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(2016年1月26日 CMO.comの記事より)

 

 

PwC

アドバイザリーパートナー

Andrea Fishman

 


 

 

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