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良い顧客体験を提供するために必要なのは、社員の「従属」ではなく、「コミットメント」

2016年03月14日

 
【POINT】
  • 「コミットメント シンキング」とは、顧客が本当に必要としていることを提供するために、顧客の要求以上のことをしようという意欲のことである
  • 企業は、社員を単に顧客対応のルール、方針、ガイドラインなどに従わせるより、顧客体験にコミットさせなければならない
  • 経営陣は、顧客を満足させ喜ばせる、問題を解決するためにやるべきことを実行する権限を、社員に与えるべきだ

 


社員はみな、本当に顧客体験にコミットできているだろうか? ただ単に指示に従っているだけではないか?
 
企業は、顧客体験に優先順位を置いている。たとえば、営業や製品へ焦点を当てることよりも、全社一丸となって顧客に焦点を当てる方にシフトすることが必要なのだと認識している。これが意味する内容は、もちろん、ビジネスの種類によって異なる。しかし、私達が観察してきたところでは、そのシフトに成功した企業には共通項目がある。
 
これらの企業は、社員を単に顧客対応のルール、方針、ガイドラインなどに従わせるのではなく、確実に顧客体験にコミットさせている。言い換えれば、最高の顧客体験は、従うだけではなく、社員の積極的なコミットを必要としているのだ。
 
コミットメント文化とは、リーダー達のもとにいるチームメンバーの全員が、適切な顧客に対して、適切なタイミングで、適切な顧客体験を提供することに注力することを意味する。それは「口先だけの言動」に対する「結果」、「十分良い」に対する「卓越した良さ」ということである。
 
 

社員が積極的に顧客を満足させ喜ばせる時

従属型の考え方というものがある。これは「ミニマル シンキング」(最小限な考え方)であり、従わなければならない最低限のことをするというものだ。この考え方では、社員は「したい」のではなく「しなければならない」と考えて行動する。もし自社に少しでもこのような傾向があるなら、おそらく社員がルールに従っているか確かなものにするため、社員の監視に多くの労力を投入していることも意味するのだ。
 
これと対象的な考え方が、「コミットメント シンキング」だ。この考え方を持っている会社では、社員は顧客を喜ばせる体験を提供できるように積極的に行動する。コミットメント シンキングは実際に顧客が必要としていることを提供するために、顧客の期待以上のことをする意欲を意味する。そのために経営陣は、意思決定の権限を社内下位に移譲していき、顧客を満足させ喜ばせる、問題を修復するためになされるべきことを実行する権限を社員に与えている。
 
一部の人は、それはやり過ぎだというかもしれないが(Holacracy参照)、より優れた顧客対応を行うことにコミットしている会社のひとつとしてZapposがある。同社は社員にそのような対応ができるように権限を与えている。たとえば、苦情を言ってきた人に対して、ギフトバスケットやサンクスカードを送るといったことが奨励されている。また、それらの行動をする際に上司と相談する必要はないし、許可を取る必要もないのだ。
 
他の有名な例はリッツ カールトンだ。すべての社員は、宿泊客の顧客体験向上を奨励され、権限が与えられている。1日あたり2,000ドル(約22万円)の決済権が与えられており、顧客を満足させ喜ばせる、つまり顧客体験をより良いものにするために使うことができるのだ。
 
 

顧客の問題解決と顧客満足

かいつまんで言えば、それがコミットメント文化だ。トップダウン型の権限がより少なく、顧客のために実行されるべき問題解決がより多くある。突き詰めて考えれば、多くの経営者は社員に顧客志向で行動させたがっている。しかし、実際にはそうさせようとしないのだ。なぜなら、社員がその仕組みを悪用したり、ずさんな決定をしたり、社員がやりかねない、あらゆる種の問題を心配しているからだ。
 
しかし、現実には、社員はそのような問題となる行動はとらない。彼らは発生しうる様々な事態に対処して、1人の大人として行動する。確かに、1人の社員がすべてを台無しにしてしまうことは往々にしてあるだろう。だとしても、意図せずミスをしてしまった社員がいた場合、改善、指導する良い機会となる。仕組みを悪用する社員(稀だが)がいた場合、彼らの性質を学べる経費と思えば安い。厄介払いができる。
 
適切なレベルで必要な権限を保ち続け、残りの権限についても意義ある分配をするタイミングになると、それが継続的な話し合いや、折衝を必要とする大変な作業であり、また潜在的なリスクであるとわかる。なんといっても、営業部門が売上重視である場合、顧客志向という目標を追加することは利益に悪影響のないものとしなければならないのだ。
 
しかし、これは重要かつ意義ある仕事でもある。とにかく、優れた顧客体験を届けるコミットメント文化を導入できれば、社員、顧客の企業へのロイヤルティー(忠誠心)、エンゲージメント(積極的関与)も高まる。そして、それをより良く実行できれば、その分社員の働き方はもっと楽しくなる(利益も出る!)。それはきっとあなたにとっても良いことだろう。

 

 

優れた顧客体験を生むために必要な組織体制を作り上げるためのステップとは? 4段階に分けて解説します。

 

 

(2016年1月28日 CMO.comの記事より)

 

 

McorpCx

CEO

Michael Hinshaw

 


 

 

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