UNITE

 

 

 

 

 

マーケティングリーダーとITリーダーの連携なくして企業は成功できない

2016年04月20日

 
【POINT】
  • データに基づいた顧客体験のパーソナライズというマーケティング手法が浸透しており、CMO(マーケティングリーダー)の役割はますます重要なものになっている
  • CMOとCIO(ITリーダー)は同じ方向を目指して連携をとらなくてはならない。ただし、そのためにはいくらかの労力が必要となる
  • CMOとCIOは、マーケティングとITの両部門が連携に向けた全社的業務モデルを、協力して設計する必要がある

 


これまで、CMO(マーケティングリーダー)は顧客に、CIO(ITリーダー)はテクノロジーに対応する役職と考えられてきた。しかし、顧客行動のデータ化がビジネスを左右する時代において、その線引きは、以前ほど明確ではなくなっている。
 
業界を問わずどの企業にとっても、CMOとCIOの連携は、今後あるべき顧客体験の提供を実現する上で欠かせない。だが現時点では、この2つの部門の縦割り化した状態が、あらゆる進展の妨げになっている。より強固な「CMO-CIO連合」を形成するために、それぞれの組織は意識的な連携をとるべく戦略的な策を講じる必要がある。
 
 

なぜCMOとCIOは連携しなければならないのか

 
「5年以内に、IT投資におけるCMOの決済額はCIOを上回る」。2012年、ガートナー社は大胆な予測を公表した。この予測は幅広い議論を巻き起こし、たちまち世間の関心を引くニューストピックへと発展、2つの役割の間で論戦が起こった。しかしこの「CMO VS. CIO」の論争では、センセーショナルな印象だけが独り歩きしてしまった感がある。軋轢のみがクローズアップされてしまったが、本来は、両者の一体化を軸とした真の話し合いが必要だったのだ。
 
CMOの目的は1人ひとりの顧客に応じた顧客体験の提供である。個々に合わせるためのパーソナライズの方法は企業ごとに違うとしても、共通の材料が一つある。それは、「買い手のデータ」だ。顧客を知ること―それは昨今では、データを活用することと同義になっている。最も効果的なマーケティング施策を導き出すのは、適切で実用的な情報なのだ。
例えば、コーヒーチェーン大手のスターバックスでは、オムニチャネルのロイヤルティプログラムを介して膨大な顧客層を抱えている。このプログラムによって顧客の習慣を追跡し、個々に合わせた特典を頻繁に付与することで、購買欲をかきたてているのだ。実際に店舗を訪れていないときにでも、自分への配慮がなされていることを顧客が実感できる仕組みである。
 
データに基づいて体験を個々に合わせるマーケティング手法の浸透により、CMOの役割は進化している。近年、CMOが率いるチームは独自のデータ戦略を展開しているが、これは元々ITの領域だったものだ。技術に長けたユーザーでなくても使いこなせる業務用データ/分析ソリューションが次々と市場に登場したことによって、マーケターは、IT部門のサポートを得るという形で自分たちの専用ツールを導入できるようになった。このように、作業範囲が重なるようになった状況だからこそ、CMOとCIOは同じ方向を目指して連携をとらなくてはならない。ただし、そのためにはいくらかの労力が必要となる。
 
 

縦割りの組織を克服するために

 
部門連携という点からみると、マーケティングとITはそもそもの立ち位置にずれがある。調査組織リープフロッグ マーケティング インスティテュートがマーケティングおよびIT分野のエグゼクティブ131名を対象に実施した調査によると、どちら側の回答からもCMOとCIOの間にある隔たりが浮き彫りになった。この調査(CMOデジタルベンチマーク調査)によれば、評価指標と目標という点で63%の回答者が「2つの部門に連携が欠けている」と指摘している。
 
2つの組織のこうした分断化は、各々の役割におけるこれまでの縦割り的な性質が主な原因だ。もっとも、CMOがマーケティングや営業にのみ目を向ける一方で、CIOはデジタル世界の方向を向いていたのだから、当然と言えば当然の話である。
 
デジタルマーケティングの進化が続く今こそ、こうした縦割り化を打ち壊すときである。モバイルアプリやオムニチャネルによる商品配送といった顧客体験の土台となるリソースを提供するには、CMOとCIOが共通認識を持って取り組む必要がある。CMOとCIOが効果的に連携していなければ、市場投入までに時間がかかり、顧客を逃すだろう。そこで問題となるのは、繰り返しになるが、企業がマーケティングとITとの間の溝をいかに埋められるかということなのだ。
 
 

CMOとCIOが効果的に連携するためのステップ

 
CMOとCIOの連携に向けて企業が取り得る戦略的な方策には、大きくわけて3つのステップがある。
 
1.
共通のビジョンを打ち立てる:CMOとCIOは協力して、2つの部門が連携できるように全社的業務モデルを設計する必要がある。マーケティングとITの融合点を両者が緻密にマッピングすれば、過去から続いた両部門の分断を解消するべく取り組むことができる。
 
2.
変革プロセスを協同で進める:効果的な連携に向けた青写真は、CIOが作ってCMOに指示したもの、あるいはその反対で成り立つものではない。必要なのは、両部門間に存在する隔たりを探り、それを埋める方策を練るための、率直な対話なのだ。以下に、プロセスを構築するうえで鍵となる確認事項例をいくつか挙げよう。
  • 現代のカスタマージャーニーに対応するために、自社の中核となるマーケティングプロセスをどのように進化させるべきか
  • 顧客とのつながりを築いてエンゲージメントを高めるためのさまざまなテクノロジープラットフォーム(ソーシャルチャネルやモバイルアプリなど)を最適化できているか
  • マーケティング部門が必要とする具体的なテクノロジー要件は何か。それを配備するために、IT部門はどのようなサポートができるか
  • マーケティングの分析力を高めるために、新しいテクノロジーを導入したり、新しいベンダーを利用したりするべきか。答えがイエスである場合、こうしたソリューションを評価する際の共通の基準は何か
 
3.
常に顧客を念頭に置く:描いた青写真がどのようなものであっても、それは常にカスタマージャーニーの質を高める設計でなければならない。結局のところ、マーケティング部門とIT部門を連携させることの共通目標は 顧客体験なのだ。
 
日常的に使っているモバイルアプリを考えてみてほしい。おそらく、シームレスな顧客体験を実感でき、何らかの機能的な問題があったとしても、アプリケーションの更新によって改善されるだろう。人気アプリの裏側には、データ分析、インフラ、マーケティングがすべて融合した一体型のプロセスがある。そしてそれは、マーケティングとITの密なる連携の結晶なのだ。
今こそ、CMO-CIO間の縦割りを解消し、パートナーシップを築くときである。顧客に満足感や愛着心が生まれるかどうか、鍵はそこに隠されている。

 

 

組織力を強化するCMOとCIOの連携戦略の詳細はこちら
 
 
(2016年2月11日 CMO.comの記事より)
 
 

 

 

顧客を知り、関係を築く、総合マーケティングソリューション

顧客を理解し、顧客を魅了するために、あらゆるデータとコンテンツを集約し、一人ひとりに最高のエクスペリエンスを提供します。
 

関連記事

 

デジタルマーケティング推進に向けてIT部門が果たすべき役割とは?
IT投資のフォーカスが、業務の効率化から競争優位の確立へと変化している。デジタルマーケティングへの注目が高まる中、IT部門はどのようにテクノロジーの実装に貢献していくべきか。マーケティング部門の支援方法について模索しているIT部門とそのリーダーに向けて指針を提供する。
デジタルマーケティングを成功に導くために、まず始めるべき組織作り「L3PS」とは?
デジタルマーケティングを社内で推進していくにあたって、組織の壁に悩むマーケティング担当者は多い。まず整備しておくべき「組織作り」のポイントとは?
  • Adobe Marketing Cloud

    顧客を知り、関係を築く、総合マーケティングソリューション

    さらに詳しく