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結果を出しているB2B企業の「顧客体験」は何が違うのか 

2016年04月21日

 
【POINT】
  • 望ましいB2Bの顧客体験を実現するために必要なスキル、ツール、リソースを十分に備えていると答えたエクゼクティブは、32%にすぎない
  • 業界をけん引するリーダー的な企業は、他の企業に比べ、確実な戦略と実行能力という点で、継続的かつ圧倒的な顧客体験を提供できている
  • カスタマーサポートは、セールスに勝るとも劣らないくらい重要になった。今やカスタマーサポートは最後の仕上げとしてではなく、最初から重視されるべき存在だ

 


B2C企業(Business to Consumer:一般消費者と直接取引する企業)は、パーソナライズされた顧客体験や、広範囲に渡るデジタルエコシステムの重要性、ソーシャルの持つ影響力といったことを深く理解し、消費者へ自社を印象づけることに成功している。それによって消費者は、そのブランド企業の商品を購入するようになる。
 
それに対し、B2B企業(Business to Business:法人顧客と取引する企業)において現在結果を出せていないマーケターが留意すべきことがある。それは、B2Bの購買スタイルは進化し、法人バイヤーの購買行動はB2C企業における消費者の購買行動と似てきているということである。そしてその事実を認識したら、B2B企業は自社の提供する顧客体験について再考すべきなのだ。実際に最新の調査結果によると、自社を成長させつつも顧客体験への投資から成果を得ることのできているB2B企業は、全体の一部に過ぎない。
 
アクセンチュアの戦略レポート「2015年のB2B顧客体験」によると、真に効果的な顧客体験を提供できており、その結果として高い成長を達成しているのは、B2B企業全体の23%に過ぎない。逆に言えば、残りの大多数の企業はうまくいっておらず、それらの企業(新たな事に対して興味を示さない、保守的な層)は年間売上高にして平均マイナス1%減少している。
 
 

成功するための障壁

では、成功しないB2B企業の顧客体験には何が足りないのか?デジタル化により効率化された情報へのアクセス、インフルエンサーの存在、多様なチャネルといった要因によって消費者は様々な体験を獲得した訳だが、それは法人顧客にとっても同じ状況である。そして新たな体験は旧来のマーケティングから購買/調達、サービス利用という流れも変えてしまった。そのため現在の法人顧客は、複数の企業について常に情報収集し、各社の提供製品やサービスを比較できるようになっているのだ。
 
営業部門やカスタマーサポート部門のエグゼクティブに対して行った調査によると、企業内部に存在する組織の壁もまた、B2B企業が法人顧客からの高い期待に応えることを妨げている。望ましいB2Bの顧客体験を実現するために必要なスキル、仕組み、リソースを十分に備えていると答えたエクゼクティブは、32%にすぎない。多くのエクゼクティブはこの問題に対して、経営幹部の関心を高めることや、組織を動かすうえで必要となる組織横断的な取組みが欠けていると指摘する。
 
B2B企業は既に、経営戦略や収益確保の観点から、顧客体験の重要性を十分認識している。適切な法人企業をターゲットとして選定し、法人顧客内の適切な決裁者へ到達することも重要だと考えている。しかしその大半は、凡庸な結果を残すのみで、投資は浪費に終わっている。消費者と同様の振る舞いをする法人顧客の期待や、新規市場参入企業の脅威を考えたら、B2B企業はもっと顧客体験を変えるための準備をするべきなのだ。
 
 

リーダー的な企業はどのように顧客体験を成功させるのか

先述の調査で、顧客体験を計画し実行する能力と年間の成長を実現する能力によって、B2B企業は3つのグループ「リーダー」「ストライバー=努力中」「ラガード=後発」に分類された。その結果、「リーダー」のポジションを保っている企業の割合は1年前の2014年から変わらず23%であり、「ラガード」にいた多くの企業が「ストライバー」のカテゴリーへと移動した。そして、「ストライバー」の割合は2014年の48%から2015年は57%に増加した。
 
「リーダー」企業は、他の企業に比べて、強固な戦略と実行能力という2点で、継続的かつ圧倒的な顧客体験を提供できている。それらの企業は顧客体験の提供を正しく実行することで、平均よりも高い成長を実現しているのだ。それと比較して「ストライバー」の平均成長率は、年間で6%となっている。また「リーダー」は、新しいデジタルテクノロジーと旧来の顧客接点への投資と共に、アフターサービスを顧客ライフサイクルの重要な要素として考えている点が際立っている。
 
B2B企業は競争に勝つために、ビジネスモデルに大きな転換が必要だということを認識している。78%のエグゼクティブは、法人顧客それぞれの高い期待に応えることのできるB2Bソリューションの採用が大きな効果につながるだろう答えている。また76%は、法人顧客は知識豊富であり自発的で、いつも取引先を査定しているのだと答えている。
 
顧客体験の成果を改善したいと考えているB2B企業は、カスタマージャーニー全体を活性化するために、デジタル分野でのスキルや能力の向上を通じ、デジタル戦略を新たにすべきだ。そのためには、以下のステップを参考にしてほしい。これらはB2B企業が成功するための鍵となる重要な要素だ。


1.先頭に立つためには、後方から始めよ

多くのB2B企業は、カスタマーサポートは顧客ライフルサイクルにおいて最後の段階にあれば十分だと信じている。この時代遅れの思い込みは、より良い顧客体験を実現するための過程で最大の障壁となりうる。カスタマーサポートは営業活動に勝るとも劣らないくらい重要になった。今や、カスタマーサポートは最後の仕上げとしてではなく、最初から重視されるべきことなのだ。
 
 

2.チャネルに依存しないシームレスな顧客体験を創造せよ

意義あるROI(投資対効果)を実現するために、B2B企業はすべてのチャネルの端から端まで際立った顧客体験を提供し、発展させていくための努力をしなければならない。そしてそれは、コミュニケーションがデジタルであるかどうかに関わらず、その違いを感じさせないシームレスな顧客体験でなければならない。B2Bの顧客体験を先取りするリーダーは、高度なオファーを実現するために、旧来のチャネルを捨て去るのではなく、それらをデジタルを活用した有効な施策と結合させる。それが結果としてシームレスな顧客体験になるのだ。
 
 

3.テクノロジーへの投資に賭けよ

卓越したROIを達成しているB2B企業は、顧客体験に大きな効果をもたらすデジタルテクノロジーへの賭けに打って出ていた。これらの企業は、テクノロジーによって実現される顧客体験に対してより多く、広範囲の投資を行っている。
 
あるべき姿に向けて、取り組みを進めるための参考となっただろうか?ここに紹介した3つの原則は、優れた顧客体験を通じて事業強化すべく、必要な戦略を実行し、変革を成し遂げようとするB2B企業にとって価値ある教訓だろう。顧客体験を先取りする「リーダー」企業は、コスト削減や同業他社に追随するだけの顧客体験の改善にはあまり興味を持っていない。むしろ彼らが注力しているのは、法人顧客の注目を集め、価値を感じてもらえる製品やサービス、ビジネスモデルを通じて、新しい売上を獲得することなのだ。

 

 

顧客のニーズに応えたB2B 企業の成功事例はこちら
 
 
(2016年2月2日 CMO.comの記事より)
 
Accenture シニアマネージングディレクター
Robert Wollan  
 

 

 

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