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ロイヤルティプログラムに消費者が求めるもの

2016年10月04日

【POINT】
  • 消費者はほとんどの「ロイヤルティプログラム」に価値を感じていない
  • 現在見られるロイヤルティプログラムは、ほぼすべての点において目的を果たせていない
  • 消費者は、提供した個人データと引き換えに、「ブランドとの特別な関係」をより深めるような体験を提供してほしいと望んでいる

昨今の消費者は、かつてなく注文の多い存在だ。そうした今どきの「賢い顧客」に、多くの企業はより良いサービスを提供すべく努力している。顧客とより強固な関係を築き、ブランドの利益になる方向に消費者行動を誘導する施策として、会員ポイントカードなどの「ロイヤルティプログラム」は特に重視されている。
 
しかし、現実はなかなか企業の思う方向には進まない。どの企業もこぞってロイヤルティプログラムを実施しているものの、実際には「ロイヤルティ」の向上にさっぱり役立っていないのだ。調査会社Colloquyのリサーチによると、平均的な世帯では、様々な業種において29のロイヤルティプログラム会員になっているが、それらのプログラムは会員にとって「たまに割引してもらえる」以上のメリットはない。
 
このため、大部分の世帯では、持っている会員カード総数の半分以下しか使用しておらず、使用されるロイヤルティプログラムの割合も減少し続けている。理由は「ほとんどのプログラムには価値が見出せないから」と明快だが、よく考えてみると、それほど単純な問題ではない。
 
 

ロイヤルティとは何を意味するのか?

 
当然ながら、ロイヤルティプログラムは「真のロイヤルティ」の獲得を意図している。つまり、消費者の財布の中でのシェア拡大、低いサービスコスト、高いリピート率、友達や家族にブランドの良さを宣伝してくれるファン心理といったものだ。あるブランドを他のブランドよりも贔屓にする「感情的な視点」と「行動的な傾向」の両方で定義されるのが真のロイヤルティだ。
 
真のロイヤルティは、利便性やお得感、「ブランドに大事にされている」という実感と、より優れた顧客体験により喚起されるものだ。こうした側面にこそ、顧客ロイヤルティプログラムに求められる真の価値がある。
 
 しかし残念ながら、よく見られるほとんどのプログラムでは、真のロイヤルティ獲得のための工夫をしているものはなく、顧客との表面的な関係に基づき購入を促す以上のことはしていない。
 
ロイヤルティプログラム(および会員データ)を企業が賢く活用しない限り、このような表面的な関係は、まったく関係がないも同然の状態になってしまい、顧客ロイヤルティという概念は過去のものとなってしまうだろう。
 
 

ロイヤルティプログラムがロイヤルティをもたらさない理由

 
「賢い消費者」の増大により、従来の意味での「顧客ロイヤルティ」が危機に瀕しているのは間違いない。実際の顧客行動を想定してみよう。低価格は消費者にとって魅力だが、価格情報だけなら今や容易に手に入る。価格比較アプリをダウンロードして最安値を検索すればよい。これは、消費者がどこで購入するかが常に変わることを意味している。店頭で価格を確かめたとしても、どこであろうと最安値で売っているところを見つけ、そこへ消費者は向かっていく。
 
これがロイヤルティとは言い難い消費者行動であることは、誰もが同意するところだろう。
 
それでは、ロイヤルティプログラムのどこがいけないのか? 残念ながら、ほぼすべてにおいてダメだというほかない。数年前、筆者はマリオットホテルチェーンのロイヤルティ顧客としての体験について、「ロイヤルティプログラムにがっかりさせられるとき:なぜ期待させて裏切るのか」というタイトルで記事を書いた。この記事で筆者は、企業はロイヤルティ「もどき」の行動しか喚起しない顧客体験に投資するべきではないと論じた。
 
現実には、大部分のロイヤルティプログラムは、顧客体験への投資など何も行っていないのだ(マリオットのそれも例外ではない)。何十種類という業界で多数の消費者に尋ねた結果、我々は消費者がロイヤルティプログラムに何を求めているかを理解した。彼らが求めているものは「ポイント」とは関係がない。結局のところ求められているのは、「体験」に関わる部分なのだ。
 
 

顧客が大切なら態度で示すべき

 
多くの消費者は、割引を求めてロイヤルティプログラムの会員になるわけだが、圧倒的な数の消費者が真に望んでいるものは、一般には提供されない、会員限定の「特別扱い」だ。ブランドにとって自分が特別な客であるという実感を消費者は求めている。実際、顧客は「会員」になるにあたり、実に大きな価値があるものを企業に与えている。「個人データ」だ。消費者は個人データの価値を知っているのである。
 
それでは、会員たちは何を求めているのか?答えは極めて単純だ。データを差し出したのだから、それなりの価値がある見返りである。提供したデータをもとに、個人的な特別扱いや特典、顧客ロイヤルティプログラムの名にふさわしい「ブランドとの特別な関係」をより深めるような体験を提供してほしいということなのだ。結局のところ企業としては、顧客と賢く関わっていくことが、より多くのビジネスを引き出す最善の方法となる。
 
驚くべきことに、大部分の企業では、顧客データや会員データを顧客体験の改善に活用していない。顧客との関係構築への活用に至っては論外だ。会員プログラムは「商品」の販売だけが目的で、「サービス」部分は皆無といっていい。解決策は、会員という最も価値ある顧客との関係を深め、より優れたサービスを提供するためにロイヤルティプログラムを活用することだ。いまどき多くの企業が気づいても良さそうなものなのに。
 
 

より良い顧客サービスのためのデータ活用

 
以上を考えると、ロイヤルティプログラムのデータや顧客データを活用して顧客ニーズに賢く対応できるかどうかが、全く未来のないプログラムと、今後成果を出していくプログラムの明暗を分けることになるだろう。
 
確かに、顧客はポイントを集めたいとは思っている。しかし、ポイントはありふれた施策だ。真の価値を提供するには、基本的な期待値を超えて顧客を喜ばせる「何か」が必要だ。そのイノベーションを、企業自身の発想力で産み出せるかが重要である。
 
最後に、明るい側面から見てみよう。
 
顧客体験を真剣に追求すべき分野と捉えているマーケターにとって、リソースを投入すべき場所としてうってつけなものがすぐ目の前にぶら下がっている。それがロイヤルティプログラムだ。ロイヤルティプログラムの会員に望まれる体験を実現した場合、それと引き換えに得られるものは、計測可能な価値であり、顧客(および彼らの家族や友達)に長期にわたりリピーターとなってもらえるという極めて望ましい消費者行動だ。投資に値するビジネスケースとして、これほど説得力のあるものはないだろう。
 

 

 

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