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増える顧客接点、求められる体験の一貫性。鍵を握るクロスチャネル戦略のアプローチ

2016年12月01日

【POINT】
  • 「クロスチャネル」に取り組むことで、企業側と顧客側の双方に大きな価値をもたらすようなマーケティング施策を実現できる
  • 無闇にあらゆるチャネルに手を出すより、少数のチャネルをきっちり統合して一貫性のある体験を提供する方が望ましい
  • 顧客を深く知れば知るほど、個人の関心やニーズと関連性が高いクロスチャネル体験を提供できる

「潜在顧客」「見込み客」が「購入」へと至る過程を模式化した「マーケティングファネル」という考え方がある。ファネルとは「漏斗」のことだが、これは対象者が最終地点に向かうに従い少数に絞られていくさまを指す。この考え方は今や、時代遅れとなった。昨今の消費者は、店舗、webなどの「チャネル」と、スマートフォン、タブレットなどの「デバイス」を頻繁に切り替えて使っている。購入までの過程では、別の製品を検討したり、よりお得な購入方法を別の場所で見つけたりできる。このため、最終的な購入に至るまでの道のりは、さらに複雑化してきている。見込み客にいつどこでどう働きかけるべきかは、もはや企業主導でコントロールできることではなくなり、消費者の行動に左右されるようになった。しかも消費者は、自身のあらゆる動きを企業側で把握しており、これに即した対応が得られて当然、と思うようになってきている。 
 
今や企業にとって、顧客との関わり合いにおいて優れた体験を提供できるかどうかは、市場競争力と直結している。そのためには、多様なチャネルでの対応を総合的に考える「クロスチャネル」という新たな考え方が不可欠になってきた。「マルチチャネル」という考え方は、企業の視点に立って「様々なチャネル」を指すのに対し、「クロスチャネル」とは顧客が任意のチャネルを任意に使い分けるさまを前提にしており、顧客の視点に立った考え方だ。このアプローチは、企業がマーケティング施策として顧客に届けたい体験を、複数チャネルにわたって一貫性のあるものにする。そうすることにより、企業と顧客の双方に大きな価値をもたらすだろう。
理想的なアプローチに見える一方、実現はきわめて困難に思われるかもしれない。しかし、いきなり高度なことに着手する必要はない。ここではクロスチャネルに取り組む上でのポイントを5つ紹介しよう。
 
 

クロスチャネルに取り組むポイント1.
企業の風土に合ったチャネルを選択

 
あるチャネルが存在しているからといって、必ずしもそれを使うべきとは限らない。企業側と顧客側、双方にとって最も理にかなったチャネルから始めるべきだろう。今すぐ、人気のチャネルを使わなくていいのだろうかと不安になったら、まずは顧客の身になって考えよう。なにか問題があったとき、顧客はどこにヘルプを求めて来るだろう?
購入を決めたときに向かう場所は?アフターサービスが必要なときは? ブランド体験をどこでシェアするだろう? 無闇にあらゆるチャネルに手を出した結果、すべて中途半端にしてしまうよりは、少数のチャネルをきっちり統合して一貫性のある体験を提供するほうがずっと望ましい。
 
 

クロスチャネルに取り組むポイント2.
主役となるプロモーションコンテンツの効率活用

 
マーケティング施策で使用するプロモーションコンテンツの役割は、ブランドのストーリーを伝えるだけでは十分とは言えない。見込み客一人ひとりの嗜好と関連性が高く、個人に最適化(パーソナライズ)された体験を、カスタマージャーニー全体を通じて提供することも、プロモーションの役割として重要になってくる。これには大量のコンテンツが必要となるが、恐れる必要はない。作業量を軽減する手立てとして、既存コンテンツ資産の再利用を考えてみよう。レポートやホワイトペーパーを元に、情報をわかりやすく図解にした「インフォグラフィック」を作成してソーシャルメディアに展開したり、webサイトやYouTube向けに作った動画をネイティブ広告キャンペーンにも使用したりできないだろうか?
このアプローチは、コンテンツ統合を改善できるだけでなく、スムーズな顧客体験の実現にも貢献する。
 
 

クロスチャネルに取り組むポイント3.
顧客に関する知見を磨く

 
顧客を深く知れば知るほど、高度な“個人化”(パーソナライゼーション)が行われたクロスチャネル体験の提供が可能となる。会社の複数の部署で別々に顧客データを集めているが連携されていない場合、すべてのデータを統合して全体的な顧客像を掴む必要がある。まずは、基礎的なCRMデータと、顧客行動の計測から得られた分析データや行動データを統合することから始めるとよい。これにより、顧客に汎用的なキャンペーンの匂いがする“万人向け”アプローチよりも、ずっと狙いを定めた商品提案ができることになる。この後さらに、顧客のニーズをより深く理解すべく、関連会社やサードパーティからの様々なデータも連携させることを検討しよう。つきつめると、大量に集めた「ビッグデータ」を、いかに「使えるデータ」にするかという話になるだろう。
 
 

クロスチャネルに取り組むポイント4.
一貫性のあるメッセージを発信する協力体制の構築

 
顧客接点のすべてにおいて一貫性のあるメッセージを伝えるには、社内のあらゆる部門、そしてキャンペーンを担当する代理店の協力が必要となる。ひとつの策として、「バーチャルチーム」の結成が考えられる。これは、社内外に横たわる組織の壁を取り払い、特定プロジェクトに向けたチームを作り、顧客との関係構築に集中させるという方法だ。組織連携にありがちな滞りを回避してプロジェクトをスムーズに進め、マーケティング施策を統合的に推進することができる。
 
 

クロスチャネルに取り組むポイント5.
クロスチャネル戦略がもたらすビジネスの成功

 
「私が広告に費やした金の半分は無駄になった。問題は、どの半分が無駄になったのかわからないという点だ」というジョン
ワナメーカーの有名な言葉がある。マーケティング予算が本当に役に立っているのかという疑問は、かつて多くの経営者を悩ませてきた。顧客接点は劇的に増加したが、過去数年で「アトリビューションモデル」すなわちチャネルごとの貢献度を測定する方法が大幅に普及し、どのチャネルが実績を上げているのかわかるようになってきた。しかし、ROI(投資回収率)だけが、マーケティングにおける成功を意味するのではない。クロスチャネル戦略の成功は、マーケティングコストの削減にもつながる。また、クロスチャネル体験を実現する技術への投資からも、大きな見返りが得られる可能性がある。米調査会社Forrester Research (フォレスター社)とアドビによる最近の調査によると、ある小売企業では、(技術への投資により)2600億ドルの増収と338%のROIを実現したという。
 
 
顧客体験が競争力を左右する世界では、効果的なクロスチャネル戦略が、マーケティングの成功、ひいては会社全体の成功の鍵を握ることになる。

 

 

顧客の購買に至るまでの道筋が多様化するなか、企業やマーケターは顧客とどのようにつながりを保ち、適切な方法で一人ひとりとコミュニケーションしたらよいか、また、そのための顧客データの活用方法とは何かを解説します。
 
 

(2016年10月10日 CMO.comの記事より)
Simon Morris(アドビシステムズ ヨーロッパ デマンド&コンテンツマーケティング担当ディレクター)
 

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