UNITE

 

 

 

 

 

「顧客中心」の先進企業事例から解き明かす、エクスペリエンスビジネスへの戦略

2016年12月08日

【POINT】
  • 一貫性と継続性がある魅力的な顧客体験の重要性については、多くが語られているが、実現することは非常に難しい
  • マーケティングリーダーはまず経営会議で発言し、自分たちのビジョンを会社全体に示そう
  • 企業がすぐ対応してくれることを顧客が求めている世の中では、いかに機敏に動けるかが重要となる

2016年、マーケティングリーダーの課題としてナンバーワンのトピックは、「エクスペリエンス ビジネス」に向けた変革の取り組みだった。しかし、これはどう実現していったら良いのだろう。
 
このテーマは、アドビが3月に主催したAdobe SummitとAd Weekでの恒例フォーラムシリーズでも、2回にわたり取り上げられている。マーケティングのオピニオンリーダーであり、CMO.comのコラムニストでもあるトーマス バータが司会を務めた同フォーラムでは、マーケティングとビジネスのリーダーたちが、エクスペリエンスの変革を企業内で進めていくためのアイデアを出し合った。
 
一貫性と継続性がある魅力的な顧客体験の重要性については、多くが語られているが、実現することは非常に難しい。これは企業全体として対応し、従来的な縦割り型の組織を変えていかないことには実現できない課題だ。経営トップの影響力がなくては、この変革を行うのはほぼ不可能と言っていいだろう。
 
マーケティングが社内を先導していくこと、すなわち「インターナルマーケティング」の重要性も、近年注目されている。これもまた、難しい仕事ではある。フォーラム参加者らは自らの経験をもとに、社内的な障害を克服して、自社を顧客中心型のビジネスモデル、すなわち「エクスペリエンス ビジネス」へと変革していくための6つの戦略をまとめた。
 
 

変革への戦略1.
経営会議の発言権を確保する

 
マーケティングリーダーとしては、自社を顧客中心主義へと変革させるために、社内で先導する立場を確立したいと考えるだろう。しかし、「会社がマーケティングを重要視するとは限らないので、マーケターが会社を説得しなければならない」と、UKTVの重役としてコマーシャルディレクターを務めるサイモン マイケリデス氏は言う。バークレイズ銀行でグループブランドとマーケティングを統括するエマ アイザック氏も同様に感じており、マーケティング部門はビジネスのビジョンを示す術に長けてはいるが、ビジョンと経営目標を明確に関連づけることを忘れてはならないという。「会社としての経営目標値と、その根拠となるデータとビジョンを結びつけてこそ、しっかり地に着いたビジョンとして社内に受け入れられる。」
 
 

変革への戦略2.
メッセージを簡潔に表現する

 
経営会議での発言権確保に成功したら、マーケティングリーダーは自分たちのビジョンを会社全体に示さなければならない。UKTVのマイケリデス氏は、マーケターは専門用語を使いすぎる傾向があるので、マーケティング用語の多用はやめて経営陣の使う言葉を学ぶべき、としている。同様に、ビジョンはシンプルにまとめ、現場のスタッフから経営トップにまで理解できる言葉で表現しなければならない。Telegraph Media GroupのCIO(最高情報責任者)であるクリス テイラー氏の経験談によると、ビジョンを極めて簡潔に表現するという取り組みは、最初は「不安に思うマーケターも多かった」という。しかし、誰にでも理解できる2つか3つの重要ポイントに絞るという作業は、究極的にはスタッフを既成概念から解放することになったという。
 
 

変革への戦略3.
アクションにつながる知見を得る

 
エクスペリエンス ビジネスへの変革を促進する上でカギとなるのが顧客データだ。ブリティッシュ エアウェイズの市場調査マネージャーであるノア マイケル氏は、データをマーケティングの中心に据えるにとどまらず、企業組織の全体へと知見を共有することによって、変革の促進に努めたという。一方、ボーダフォンのアイルランド法人でデジタル部門を率いるブライアン コリッシュ氏は、経営陣にビジョンを伝達する際には、いっけん瑣末(さまつ)に見えるデータと知見が、時として大きなインパクトをもたらすこともあるという。また、Tesco社のオンライン製品ディレクターであるショーン オニール氏は、「データは客観的で公正な経営判断をもたらす」と述べている。関係者の賛同を勝ち取る結果を生み出し、会社が目指す成功とは何かを明確にする上でもデータが役に立つ。
 
 

変革への戦略4.
許可を待たずに動き、後で謝る勇気を持つ

 
企業がすぐ対応してくれることを顧客が求める世の中では、いかに機敏に動けるかが重要となる。RBS(ロイヤルバンク オブ スコットランド)でアナリティクス部門を率いるジャイルズ リチャードソン氏は、上からの指示として「スタッフによる自律的な改革」を承認することが必須だという。しかし、重要なアイデアを実現させるには、時にはリーダーが会社の許可を待たずに動かざるを得ないこともある。これは、「特に上級管理職にとっては少々恐ろしい話」だが、究極的には、殻を破る自由を尊重し改革の実現につなげることができる。
 
 

変革への戦略5.
変革の仕掛け人となる

 
マーケターはビジネスの改革を推進していく上で中心的な役割を果たすが、ビジョンを行動に移すには障害に突き当たることもあるだろう。中間管理職にアイデアを認めてもらえれば、経営陣に働きかけてもらうことも可能となる。変革の最初の音頭を取るのがマーケターであっても、その後は社内の別の適任者に実際の仕事を任せる度量も、時には必要だ。Future Foundationのケリー ラインスタイン氏によると、マスターカード社では、社内の変革を進めるにあたり、優秀なデジタル起業家を引き入れて問題解決の支援を要請したという。
 
 

変革への戦略6.
柔軟性を身につける

 
変革を進めていく上では、敏捷性という新しいビジネス要件が発生する。速いスピードで状況の変化に対応することが求められ、それは会社の中でのマーケターの役割も決定づける。レノボで全世界のブランド戦略を指揮するジョー ムーア氏いわく、レノボ社員は「変化への適応性」が必要であるという。社員の役割や製品が頻繁に変わり、即戦力として動かなければならない状況が頻繁に発生するからだ。しかし、「常に変化しつづける業界では、会社全体として変化に適応する文化がなければ、適応性に優れた社員は育たない」と同氏は述べている。
 
アドビでは今後のフォーラムシリーズでも、業界リーダーからのさらなるインプットを元に、変革のためのアイデア収集を継続していく。
 
イギリスの大手新聞社Telegraph Media Groupの事例をご紹介します。Adobe Experience Managerを活用し、新たなデジタル資産を迅速に展開できる体制を構築。新たな収入機会を創出しました。
 

(2016年5月23日 CMO.comの記事より)
Simon Morris(アドビシステムズ ヨーロッパ デマンド&コンテンツマーケティング担当ディレクター)

優れた顧客エクスペリエンスを提供するために

効率的で安心できる基盤を構築したい

さらに詳しく ›

コンテンツマーケティングを効率化したい

さらに詳しく ›

 

 

顧客を知り、関係を築く、総合マーケティングソリューション

顧客を理解し、顧客を魅了するために、あらゆるデータとコンテンツを集約し、一人ひとりに最高のエクスペリエンスを提供します。
 

 

関連記事

 

顧客に寄り添う3つの視点で、カスタマージャーニーを理解せよ
カスタマージャーニーを本質的に理解するうえで非常に重要な考え方、それは、期待を上回る対応で顧客に喜んでもらうこと。快適な顧客体験へと導くために必要な3つの視点を、ブランド企業の事例を挙げながら見ていこう。
 

 

デジタルとリアルをつなぐ小売業界の今と未来を見通す良品計画
消費者の購買行動は急速に変化し、モバイルの重要性が増している。早急な対応を求められている小売企業にとって、実現すべき顧客体験とはどのようなものか。現在の消費者の動向と株式会社良品計画の事例から、デジタルとリアルをシームレスにつなぐ真の顧客体験向上の進め方を紐解いていく。
 

 

基礎から押さえる:「エクスペリエンスビジネス」の時代に向けた企業変革4つのポイント
デジタル技術の進展により顧客と企業の関係は変わり、主導権は顧客のものとなった。企業は自らを新たな事業構造「エクスペリエンスビジネス」へと変革しなければならない。企業変革を推進するマーケティングリーダーが押さえるべき4つのポイントを挙げる。
 

 

  • Adobe Marketing Cloud

    顧客を知り、関係を築く、総合マーケティングソリューション

    さらに詳しく