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B2Bコンテンツマーケティングの現状と課題:「コンテンツの量と質」を両立するには

2017年05月30日

【POINT】
  • B2B企業でコンテンツマーケティングの予算が削減される兆候はない
  • コンテンツマーケティングは、B2B企業のマーケターにとって必須の手法として広く認識されるようになった
  • コンテンツ制作を急ぐマーケターは、良かれと思って完成度の低いコンテンツを提供してしまいがちだ

 

コンテンツマーケティングに有効性を感じつつも、自社の取り組みには不満足

 
コンテンツマーケティングに有効性を感じつつも、自社の取り組みには不満足
 
医療情報管理システムの業界団体、HIMSSの最近の調査によると、ヘルスケア分野におけるB2B企業のマーケターの74%が、コンテンツ制作の増加を計画している。しかし、自社のコンテンツが非常に効果的であると感じているマーケターは、まだ全体の4%に過ぎないという。
 
上記の調査結果は、B2Bコンテンツマーケティングの2016年トレンドについて、CMI(Content Marketing Institute)が行った調査と一致している。この調査では、76%のB2Bマーケターが、2016年にコンテンツ制作の増加を計画していると回答した。CMIの調査では、さらに以下のような詳細が報告されている。
 
  • 「自社が、高度で成熟したコンテンツマーケティングを行っている」という回答者は、全体の3分の1(32%)に留まる
  • コンテンツマーケティングに割く予算の割合は前年度と同じ(28%)だが、「コンテンツマーケティングが効果をもたらしている」と回答したマーケターの割合は前年の38%から30%に減少した。
 
こうした調査結果から、コンテンツマーケティングはまだ初期の段階にあり、「大きな伸びしろがある」という見方ができる。これは、どの企業もコンテンツマーケティングの予算を削減してはいないという事実からも明らかだ。さらに、コンテンツマーケティングの有効性に関して最も低い回答をしているマーケターであっても、今後、調査対象全体の平均よりも多くのコンテンツ制作を計画しているという点からも、これからの可能性がうかがわれる。
 
 

B2Bにおける2015年以降のコンテンツマーケティングの変化

 
B2Bにおける2015年以降のコンテンツマーケティングの変化

 

筆者は2015年、CMO.comのコラムで、B2B企業がコンテンツマーケティングに苦戦している理由について書いた。新しい調査結果と、複数の企業でコンテンツマーケティング戦略支援を行ってきた経験を踏まえ、前回の考察を振り返ってみよう。

 

ひとつ、以前から変わっていないことがある。それは、B2Bマーケターの主要目的は、リード(見込み客)獲得であるという点だ。HMISS調査の回答者のうち58%が、コンテンツマーケティングの第一目標はリード獲得であるとしている。その次に多かったのは、「ソートリーダーシップ」、すなわち、業界を牽引する第一人者として認知されるべく、企業の理念やアイデアの発信するために、コンテンツマーケティングを利用しているという回答だ。

 

しかし、残念な変化も見えている。制作にじっくり手をかける時間がなくなり、コンテンツがまるでインスタントコーヒーの如く扱われるようになってきている、という点だ。

顕著な新しい傾向としては、以下の2点が挙げられる。
 
  1. B2B企業のマーケターにとって、コンテンツマーケティングが「必須の手段」として広く認識されるようになった。アクセンチュア、コグニザント をはじめ、テクノロジーコンサルティング企業が、デジタル対応のための企業買収を世界中で行っている。この動きを見ても、デジタルマーケティングやデジタル戦略がB2Bでも重要視されるようになったことがわかる。デジタルを重要視する企業は、その他大勢とは一線を画す優れたコンテンツ戦略とデジタルマーケティング戦略を展開しており、市場競争で明暗をわける要因となりつつある。
  2. コンテンツマーケティングにサイエンスが適用されるようになっている。相変わらずリード獲得が重視されているということは、コンテンツマーケティングでデータサイエンスをもっと活用できるよう、テクノロジー側の対応を進める必要があることを意味している。CRMシステムの上流に新たに配置されるコンテンツ管理システムやマーケティングオートメーションは、リード獲得とコンテンツパフォーマンスの相関を可視化し、より質の高いリードを営業に提供することができる。
 
 

「継続的なコンテンツ制作」という課題

 
「継続的なコンテンツ制作」という課題
 
B2Bマーケターが、コンテンツ制作量の増加を目指している理由は明白だ。結局のところ、B2Bバイヤー(取引先)がコンテンツを求めているからである。多くの調査から、B2Bバイヤーが業者を選定する際、業者候補が出しているコンテンツをじっくり調べてから営業担当にコンタクトを取る傾向があるとわかっている。しかし、現在コンテンツマーケティングの目標と実績の間には、大きなギャップがある。その一大要因として「継続的なコンテンツ制作」という課題があることを、HIMSS調査は示している。
 
購買サイクルに遅れを取らないようにコンテンツ制作を急ぐマーケターは、バイヤーの購買決定に間に合うことを願い、良かれと思って完成度の低いコンテンツを提供してしまう。この慣行は、ホワイトペーパー制作において最もひどい形で現れ、「無用の長物」とも言えるコンテンツが出回ることになる。
 
まったくインパクトをもたらさないコンテンツの制作に労力を費やすほど無駄なことはない。筆者の経験から言うと、B2B企業のホワイトペーパーの質には、ピンからキリまで大きな幅がある。質の高いホワイトペーパーは、よく考え抜かれ、綿密に考察された内容をまとめてある。業界アナリストの参考資料としても使われるような、長期的に使用可能な資産となり得るものがある。その一方で、出来の悪い営業用資料を「ソートリーダーシップ」コンテンツに焼き直して展開しているお粗末なホワイトペーパーもある。
 
しかし同時に、B2Bマーケターは、「いいコンテンツがひとつあれば、結果を出せて当たり前」と考えている営業リーダーからのプレッシャーに抵抗しなければならない。コンテンツマーケティングでは、一貫して質の高いコンテンツを、途切れることなく供給していく必要がある。企業ブランド戦略、コンテンツ展開/拡充その他の様々な施策も同じく重要だ。
 
コンテンツは、マーケティングミックスのひとつの要素であり、これがすべてではない。しかし、コンテンツは一番大切な「有効成分」だ。コカコーラにおけるコカのようなもので、いかにマーケティングをがんばろうと、コカがなければコカコーラは作れないのである。
 

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