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レタッチのプロ達が注目するPhotoshop CS5の新機能

Adobe® Creative Suite® 5が発売されてから、早くも半年近くの時間が過ぎようとしている。以来、ハイクオリティな作品づくりには欠かせない64bitパワーのサポートを実現したPhotoshop CS5はクリエイティブの現場でどのように活躍しているのか。そして、最新のソリューションが作品に与える影響とはどのようなものなのか。日本を代表する企業とクリエイターの方々に伺った。

大日本印刷のスタッフが注目する「コンテンツに応じる」オプション。塗りつぶしコマンドを実行し、コンテンツに応じるのオプションを選択するだけで、周囲の画像に溶け込ませるように選択範囲を消去することができる

大日本印刷のスタッフが注目する「コンテンツに応じる」オプション。塗りつぶしコマンドを実行し、コンテンツに応じるのオプションを選択するだけで、周囲の画像に溶け込ませるように選択範囲を消去することができる。

Photoshop CS5の新機能、「コンテンツに応じる」オプションの詳細はPhotoshop Magazineで読むことができます。


印刷会社最大手の大日本印刷が期待するPhotoshop CS5の新機能とは?

先日、印刷業界最大手の大日本印刷がAdobe® Creative Suite® 5の入稿と出力に対応したとのアナウンスが報じられた。出力のインフラが整備されたことで、Creative Suite 5への移行は今後ますます加速していくことだろう。レタッチのプロ集団ともいえる大日本印刷の現場スタッフはPhotoshop CS5のどのような機能に注目しているのだろうか。同社技術第一部グループ長の平岡正旨氏と同じく技術第一部の西田佳那子氏にお話を伺った。

大日本印刷株式会社 技術第一部グループ長 平岡正旨氏

コンテンツ制作の新たなアイデアの実現や更なるクオリティーアップに期待できます。

大日本印刷株式会社
業界最大手の印刷会社。雑誌から電子機器のプリント基板まで、さまざまな印刷業務を請け負う一方、近年ではIT業界にも進出している。
http://www.dnp.co.jp/


Photoshop CS5を使ってみた感想は?―

大日本印刷では印刷業務の中で、顧客の要望に応じてレタッチ業務も請け負っていますが、画像処理を行っている部署では、Photoshopの新機能が話題になっています。今回のバージョンアップでは、画像選択の機能が強化されたと思いました。とくにスポット修復ブラシツールや選択範囲の塗りつぶしで追加された「コンテンツに応じる」オプションがインパクトが大きいですね。不足する背景を補う作業などに効果的だと思います。

Photoshop CS5で特に気になった機能は?―

自動的に画像範囲を作成するツールや機能は以前のバージョンと同じですが、Photoshop CS5では自動合成における精度が強化されたので、より自然な仕上がりが望めそうです。他にもCS5から追加された機能として「パペットワープ」にも注目しています。パペットワープは、電子コンテンツの制作などで、様々なアイデアの実現に期待できそうです。それと「境界線を調整」もかなり機能強化されているので、こちらも注目したい機能ですね。

Photoshop CS5に期待することは?―

Photoshop CS5の新機能が優れているからとは言え、それだけで仕事が終わるわけではありません。いずれの機能においても最終的な仕上げには、これまで培ってきたノウハウが必要になると思います。ですが、新たなアイデアの実現や更なるクオリティーアップに期待できます。

Photoshopの持つノウハウが創作活動に重要な役割を果たしている

レタッチを単なる修正ではなく、高度にクリエイティブな表現領域として捉え、マス広告のビジュアル制作に多大な影響を与えているフォートン株式会社。日本のレタッチャーの草分け的存在として知られる西山慧さんは、デジタル写真がまだ黎明期だった80年代から日本のデジタルイメージングの進歩を第一線で支えてきた。ハイエンドのレタッチャーは、Photoshop CS5の進化をどのように評価しているのだろうか。

ファインアートレタッチャー 西山 慧氏

レタッチのクリエイティビティーがPhotoshop CS5でますます進化する

フォートン株式会社 西山 慧/ファインアートレタッチャ
北海道大学法学部を卒業後、1988年に甲斐彰氏とともにフォートン株式会社を創業。現在はファインアート作品「フービズム」の制作や、写真の次の進化のステージである「写真が動く」Motion Photography の開発を通してデジタルイメージングの可能性を追求している。
hhttp://www.foton.jp/


「境界線を調整」の進化に驚き

何の構えもなしに、マスク作成やレタッチ作業に入れる快適さ。とりわけ「境界線を調整」などの進化は驚きです。ビギナーでも簡単にレタッチができるようになり、プロのレタッチャーたちが戦々恐々としているという話も聞きますが、私はそのようには感じません。

レタッチャーの命は、あくまで「目」。作品制作におけるゴールを見失わない限り、作りたいイメージに到達するまでの過程が短くなるほど嬉しいと感じます。既存のノウハウだけで生きていくのは不可能な時代。モノ作りの意識さえしっかり持っていれば、技術の進歩はいつも大歓迎です。

西山 慧さんのインタビュー記事を読む

 

作品2


64-bit化が劇的な変化ををもたらしてくれた

広告の世界では、すでに3DCGが一般的に使われるようになってきた。Photoshopユーザーにとっても、3DCGのスキルが必要とされる場面は今後増えてきそうである。そこで、ヴォンズ・ピクチャーズの片岡竜一氏と大槻昌平氏に、Autodesk 3ds MaxとPhotoshop CS5を使った3DCG制作について伺った。

ヴォンズ・ピクチャーズ 大槻昌平氏/片岡竜一氏

3DCGはこれからのフォトレタッチャーの第2言語

ヴォンズ・ピクチャーズ 大槻昌平氏/片岡竜一氏
1997年設立。数々の広告ヴィジュアルを手がけ、現在 12名のレタッチャーと 6名の web チームからなるデザイナーズグループ

http://www.vons.co.jp/


写真の境界部分がうまい具合になじんでくれる

大きな変化が訪れたのはこの数年でしょうか。以前だったら、複雑な工程が必要なだったCGとの合成処理もシステムの64-bit化が劇的な変化ををもたらしてくれたおかげで、普通に3DCGを画像処理の工程に入れられるようになりました。

実際にPhotoshop上で3DCGを合成する場合、色味や彩度などを調整し背景と3DCGをなじませていきます。Photoshopで難しいことがあれば、一度3ds Maxに戻って作業します。違和感がないように後からレンダリングした物体の影にボカシをかけて画面に加えています。それでもまだ3DCGっぽいな、という場合は、全体にノイズを加えるというのが定番のテクニックなのですが、これまでは「ノイズを加える」というフィルターを使っていました。

しかし、Photoshop CS5の「Camera Raw 6」には、フィルム的な粒子を再現する「粒子」という機能が追加されました。これは、私のようなフィルム時代から写真の仕事をやってきた人間にとっては、非常になじみやすい機能です。この「粒子」機能を使うと、CGと写真の境界部分がうまい具合になじんでくれます。さらに、全体をモノトーンにして、元のカラーの画像の上に重ねて濃度を調整すると、自然な雰囲気の画になります。

ヴォンズ・ピクチャーズのレポートを読む[Shuffleの記事へ]

 

「粒子」の効果を加えて全体をモノトーンにした完成画像