ローランド株式会社では、高性能な電子楽器を提供し続け、世界のミュージシャンから支持を受けている。その背景には、“如何にして自社の製品を楽しく使ってもらうか”という、作り手の思いを伝えるためのマニュアル作りに力を注いでいる職人達がいた。自社の製品を世界へ送り出すために日夜努力するマニュアル制作の現場をレポートする。
古くから音楽産業の盛んな地域として知られている静岡県浜松市では、現在も“音楽”との繋がりが強く、国際的なピアノコンクールやコンサートが開催されるなど「音楽のまち」としての市制を広く内外にアピールしている。その浜松市に本社を置くローランド株式会社は、1970年代にリズムマシンの開発を成功させると、デジタルピアノやシンセサイザーなどの電子楽器を次々に発表し、現在では世界的なシェアを誇る電子楽器メーカーとして知られるようになった。世界中のミュージシャンから愛用される製品を作り出す現場では、マニュアル制作にAdobe InDesign CS4が活躍 していた。今回は、浜松市のローランドを訪れ、マニュアル制作におけるInDesignの役割とその利点を伺った。

ローランド株式会社
静岡県浜松市
URL:http://www.roland.co.jp/

FrameMakerからInDesignへの移行
楽器と言えどもデジタル器材である限り、操作ガイドなどのマニュアルが必要だ。ローランドでは、以前よりAdobe FrameMakerのMac OS版を利用してマニュアルを社内で制作してきた。マニュアル制作用のDTPアプリケーションとしてFrameMakerを選び、長く使われ続けてきた理由は、FrameMakerが相互参照機能など大量のページ管理を得意としており、マニュアル製作に向いていたからだ。
しかし、FrameMakerのサポートOSがWindowsへと一本化されたときから、ローランドでも次世代のDTP環境への移行を検討することになった。 「それまでにもInDesign CS2を使って、ページの少ないガイドブックやチラシなどを作成してはいたのですが、大量ページの印刷物では、Mac OSのクラッシック環境で動作する FrameMakerに頼っていました。しかし、Windows環境へ移行するか、ちょうど迷っていたときに“InDesign CS4では、相互参照機能が追加される”というニュースを聞きつけ、これなら使える!と思いました。」と、同社のマニュアル制作を担当するスタッフは、当時を振り返り語ってくれた。
「SP-404SX」のマニュアル制作に採用
追記や仕様の変更に伴う修正が多いマニュアル制作において、相互参照機能は欠かすことのできない機能のひとつだ。InDesign CS4がリリースされるやいなや体験版をダウンロードし、相互参照機能の検証を行ってみると、マニュアル制作で使用できる手応えを得ることができたため、本格的にマニュアル制作へと利用することを決めたという。InDesign CS4は、早速、最新のサンプラー『SP-404SX』のマニュアル制作に採用された。
「InDesignでは、Unicodeを標準でサポートしているので、ローカライズをスムーズに行うことができ、日本語版と多国語版のマニュアルを製品発売時からリリースすることができました。また、OpenTypeが標準となったことで、WindowsとMac OS間の互換性が高くなり、翻訳会社とInDesignデーターのままやりとりが可能となったことも大きなメリットに繋がりました。」
また、ローランドでは以前からPDFによる入校を導入してきたが、InDesignではPDFを直接書き出すことができるようになり、デザインから製本まで一括したワークフローが実現したことで、生産性の向上と経費の節減に貢献したそうだ。

InDesign CS4によって制作された最新のサンプラー「SP-404SX」のマニュアル。左が日本語版で右が多国語版だ。多国語版では、7カ国もの言語をサポートしている

ローランドが開発した最新のサンプラー「SP-404SX」。同製品のマニュアルはすべてInDesign CS4によって制作された。製品URL:http://www.roland.co.jp/club/sp/
