
Adobe MAX 2009の翌日2009年10月8日、米国カリフォルニア州サンフランシスコにあるアドビオフィスにて日本人向け勉強会が開催された。
AIR 2.0
アドビ システムズ社 Adobe AIR シニアプロダクトマネージャー ロブ・クリステンセンが、AIR 2.0について、Adobe MAX 2009の基調講演で発表した内容より具体的に説明した。
今後のリリーススケジュールについて
- AIR 2.0 β版を公開する準備中で年内中を目安に作業が進行している (2009年10月7日時点)
- 同時に AIR 1.5 の修正版 (1.5.3) の公開の支度もしている
- AIR 2.0リリース版の公開は、2010年の上半期を予定
新機能の紹介
- Windows 7 上でのマルチタッチサポート
( Flash だけでなく、HTMLでもマルチタッチをサポート ) - Windows 7, Mac OS 10.6上でのジェスチャーサポート
- 大容量ストレージデバイスのサポート
- ドキュメントを開く方法を OS に指示して開くことができる
- ソケットサポートの強化
(ソケットをリスニングすることにより、AIRで軽量なローカルサーバがつくれる) - UDPサポート
(遅延の少ない通信が必要なアプリケーションに使える) - ネイティブプロセスAPI

アドビ システムズ社
Adobe AIR シニアプロダクトマネージャー
ロブ・クリステンセン
デモ
AIR自体にスクリーンキャプチャをとる機能はないが、AIRからOSに組み込まれているスクリーンショット機能を呼び出してキャプチャをとり、メーラーに埋め込むデモを行った。

Macのスクリーンキャプチャ機能を呼び出すAIRアプリケーション
次に、Webkitを使用してCSSでテキストを2D変形させるデモを行いながら、以下のことを語った。

- AIRのWebkitをSafari 4.0.3に近いものと置き換えようとしている。
- 既存のAIRアプリケーションでも、再コンパイルせずに50%くらい機能向上する。
- HTML 5 サポートについては、すべてはサポートせず、安定していそうなものから組み込む予定。
- 新しいSunSpiderを使用してパフォーマンス測定している。JavaScriptエンジン(SquirrelFish Extreme)を採用している。
LiveCycle ES2
アドビ システムズ社 ビジネスプロダクティビティビジネスユニット テクニカルマーケティングチーム コーポレートエバンジェリストのマーク・イーマンが、Adobe MAX 2009で発表されたLiveCycle ES2について、おさらいしながら説明してデモを行った。
おさらい
- LiveCycle ES2は、17 の機能を持ったモジュールのスイート(Suites)で、複雑なビジネスプロセスを自動化させるのに役立つ
- LiveCycle ES2は、主に、金融、政府、製造系の企業に使われている
- LiveCycle ES2を使用することのメリット
-
- リッチなPDFを作成できる
- Flashがアプリケーションのフロントになる
- ユーザー中心型のアプリケーションが提供できる
- 企業が既に投資したアプリケーションの資産を活用してアプリケーションを構築できる

アドビ システムズ社
ビジネスプロダクティビティビジネスユニット
テクニカルマーケティングチーム
コーポレートエバンジェリスト
マーク・イーマン
LiveCycle ES2 のモジュールは、大きく分けると4つに分類できる

- 開発 / 配信
- リッチインターネットアプリケーションのサービス
- プロセスマネジメント
- ドキュメントサービス
デモ
LiveCycle Launchpadのデモ
LiveCycleをクラウド上に配置する例として、AIRベースのアプリケーションLiveCycle Launchpadのデモを行った。
AIRを使うことにより、クラウド上にあるドキュメントに簡単にアクセスできるので、Word, Excel などのドキュメントとPDFとの相互変換ができる。(クラウドはAmazon EC2を採用している)
さらに、サーバーサイドでリッチなPDFを自動的に生成できるので、例えば保険会社は顧客ごとにカスタマイズされたインタラクティブな取引明細書を発行できる。

LiveCycle Launchpad
LiveCycle Mosaicのデモ
業務ポータルを生成するモジュール。画面全体は1つのSWFだが、それを構成するタイルはそれぞれHTMLでもFlashでも開発できる単一のアプリケーションである。これらのタイルは互いに通信することができ、IT管理者はこれらを画面上に自由に配置することができる。
画面を作成するとき、AIRアプリケーションの中で、事前に定義されたタイルの設定ファイルを読み込み、ユーザー権限にごとにレイアウトを変えて組むことができるのが特徴。

LiveCycle Mosaic
LiveCycle Workspace Mobile ES2のデモ
LiveCycle Workspace Mobile ES2は、iPhone, BlackBerry, Windows MobileなどのスマートフォンからLiveCycle Workspace ES2にアクセスできるアプリケーションで、現在App Storeで無料配布されている。
実際にiPhoneからタスクを消化する操作を行い、クライアントアプリケーションの自動更新を行った。

LiveCycle Workspace Mobile ES2
LiveCycle Workbench ES2のデモ
LiveCycle Workbench ES2 は、フォームやドキュメント、ビジネスプロセスの開発を共同で作業できるようにするEclipseベースの統合開発環境(IDE)で、UIはFlashで構築されている。

Eclipse上で動作するLiveCycle Workbench ES2

Flash Catalyst / Flash Builder 4
アドビ システムズ社Flex SDK シニアプロダクトマネージャーのマット・チョーティンが、Flash CatalystとFlash Builder 4について説明した。
Adobe MAX 2009開催中に、Flash CatalystとFlash Builder 4のベータ2が公開された。
主な追加機能は以下の通り。
Flash Catalyst
- パフォーマンスの大幅な改善
- ユーザーインターフェースの見直し
- ビデオのインポート機能と再生用コンポーネントの提供
- インタラクションに対するサウンドエフェクトの追加
- コンポーネントへの変換対象の追加 (Slider, RadioButton, ScrollBarなど)
- インタラクションの追加(指定されたURLを開く、ビデオ再生)
- AIR への書き出し機能
- モーションに対するイージング設定
- フィルター機能 (DropShadow, Grow, Blurなど)
- ブレンド機能
- SWFを特定のフレームから再生する機能
- フォントを埋め込んでパブリッシュ
Flash Builder 4
- SparkコンポーネントとHaloコンポーネントの連携
- 新しいSparkコンポーネントの追加
- Sparkコンポーネントのスタイリング機能の拡張
- Flex 3プロジェクトとFlex 4プロジェクトの支援機能の切り替え
- データセントリック開発用の新規パネル追加
- 生成するコードの改善により変更を容易に
Flash Catalystは、アプリケーションにインタラクティブな動きをつけるためのツールで、コーディングせずに画面を作成できるのが特徴。

アドビ システムズ社
Flex SDKシニアプロダクトマネージャー
マット・チョーティン
主なアウトプットは以下の二点
- デザイナーがコーディングせず、そのままクライントに納品する最終成果物
- デザイナーから開発者に画面を渡してロジックを実装してもらう中間成果物

Flash CatalystでコーディングせずつくられたSushi Finder
デモ
Flash Catalystで作成した画面をFlash Builderに移し、作成したUIとColdFusionのサービスとをバインディングさせるデモを行った。

Japan Session メンバーは、セッションが始まってから終了するまでの間、各スピーカーに対して盛んに質問をするなど、勉強会は大いに盛り上がった。
そして、Japan Session メンバーには、アドビのロゴ入りノートとペンのノベルティがプレゼントされた。

オフィス見学
セッション終了後は、サンフランシスコオフィスの見学にて各製品開発チームのブースを巡ったり開発の裏側を垣間見たり、充実したスペシャルイベントを堪能した。


