RED ONE+CS4 による、ビデオ品質を超えた映像制作
映像の企画・構成、台本、MA、CG合成など、Web映像から4k映像までをトータルプロデュースするマリモレコーズは、RED ONEカメラとAdobe® Creative Suite® 4 Production Premiumを活用した映像制作を提案している。
4k収録に注目が集まるRED ONEだが、マリモレコーズの得意とするCMやミュージックビデオ、企業ビデオにおいては3k 60fpsや2k 120fpsに魅力があると話すのは、映像制作プロデューサーを担当する江夏 由洋氏だ。
2K 120fps収録素材でフィルム撮影のような自然なスロー映像
「RED ONEでの収録は、発売後の早い段階からテストを行ってきました。現在のファームウェアはビルド17がリリースされており、安定して動くようになっています。本格的に業務へ活用し始めたのは、今年に入ってからです。1月にCM制作の企画が立ち上がり、2月と3月に撮影を行いました。2k 120fpsで収録し、After Effectsでピクセルモーションを2倍にしてやると、4倍スローが自然な感じで表現できるんです。2倍以上では不自然になってしまうようですが、240fpsまでであれば非常に効果的で、フィルムで撮ったと間違われるような感じでした」
サラダドレッシングの撮影でシズル感を表現するために、この手法を用いたという。「RED Digital Cinema純正のREDCINEを使用してカラーコレクションを行い、その後、1kプロキシ素材を使ってPremiere Proで粗編集を行いました。15秒CMということだったので、収録現場でRGB出力でTIFF連番ファイルに書き出し、After Effectsでピクセルモーションを2倍にしてスーパースロー映像を作成しています」
制作作業も大幅にスピードアップ
同CM制作の事例では、ここまでをクライアントが収録に立ち会っている段階で行い、AJA Video Systems製入出力デバイスIo HDのHDMI出力を利用して液晶ディスプレーにリアルタイム出力することで、クライアント確認も済ませてしまった。そのため、映像のバリエーションも4パターンと少なめで、しかも収録翌日には撮影素材の編集は完了していたという。
R3Dネイティブ対応の編集ソフトが出てきたのはラッキー
RED ONEカメラとCS4 Production Premiumを組み合わせた映像制作について、マリモレコードの江夏 正晃代表取締役兼サウンドプロデューサーは、つぎのように話す。「サウンドでもそうですが、アナログとデジタル、どちらが優れているという常に両極端な話題で議論されているような状況もあります。しかし、フィルム撮影とRED ONEでの収録を比較することはナンセンスだと感じています。なかなか大規模な予算がかけられないなか、それでもハイパフォーマンスな映像を制作しなければならない状況で、RED ONEというカメラがあって、そのファイルにネイティブ対応してくれる編集ソフトウェアが出てきたということはラッキーですよね。こうした新しい製品が生まれてくる過渡期に作品制作へ携わっているのは、とても嬉しいことです」

マリモレコーズの代表取締役兼サウンドプロデューサー江夏 正晃氏(写真右)と映像制作プロデューサー江夏 由洋氏(写真左)

マリモレコーズではRED ONEカメラとCS4 Production Premiumを活用した映像制作を提案。CMやミュージックビデオ、企業ビデオにおいては3k 60fpsや2k 120fpsが魅力と語る

サラダドレッシングの撮影では、RED ONEによる2k 120fps収録素材を、After Effectsのピクセルモーションを使用して240fpsにし、自然な4倍スローを表現
HPワークステーションZ800とVista 64-bit版の環境で、CS4 Production Premiumは抜群の安定性
ポストプロ作業には、日本ヒューレット・パッカードの協力で、Intel Xeon W5580をデュアル搭載した64ビットワークステーションZ800(メモリー12Gバイト)とプロフェッショナル液晶モニターDreamColor LP2480zxを利用。
「Z800については、最新のCS4 Production Premiumワークフローでは抜群の安定性でした。Dynamic Link機能を活用するためには、Premiere ProとAfter Effectsなど、複数のアプリケーションを常に立ち上げておく必要がありますが、64ビット/12Gバイトの環境ということもあり、レンダリング処理速度も別次元という感じを受けました。Premiere ProとAfter Effectsで連携をするかどうかはともかく、使っていないアプリケーションを閉じずに立ち上げたままにしておいたほうが、処理が速いんです。アプリケーションをどれだけ立ち上げたままにしておけるPC環境であるかということは、今後のワークフローで重要な部分を占めてくると思います」(江夏 由洋氏)
「DreamColorは、30分ほどのアイドリングをする必要はありますが、色再現はとてもいいですね。カラーマネジメントデバイスで追い込むと、さらに良好な結果が得られると思います。写真修正やDTP制作においても活用できると感じました」(江夏正晃氏)
Z800の筐体は、BMW Group Designworks USAによるスタイリッシュなデザイン。直接の性能ではないが、こうしたクールなPCの存在がクリエイティブ性をかき立てるのだと江夏 正晃氏はいう。
「Windows PCは性能重視で、これまでは筐体デザインは重要視されてきませんでした。しかし、クリエイターにとってクリエイティブな空間や構築できるか、作品を生み出したくなるような雰囲気を作れるかはとても重要なことです。ラックマウントができたり、筐体を動かしやすいということも必要です。そういう意味では、Z800では、ようやくそこに目を向けてくれたと感じます」(江夏 正晃氏)
RED対応が強化されるPremiere Pro 4.1アップデートに期待
江夏 由洋氏は、今後もRED ONEカメラによる映像収録を積極的に活用していくと語る。「今回、5月末リリース*予定のPremiere Proバージョン4.1で、RED ONEとCS4 Production Premiumによるワンストップ・ワークフローが確立し、いよいよ編集しやすい環境が構築できてきたと期待しています。RED ONEの3k 60fpsや2k 120fpsを活用し始めたので、今後はフィルム撮影をすることはないのではないかと思います」(江夏 由洋氏)
*5月29日に公開しました。Premiere Pro CS4正規ライセンスをお持ちの方は、ネットワーク経由でアップデートが利用できます。

Z800の64ビット/12Gバイト環境はレンダリング処理速度も別次元。スタイリッシュなデザインもクリエイティブ性をかき立てる
