CS4ワークフローから映画館のスクリーンへ
2009年8月1日から全国でロードショーされる映画「BLUE PACIFIC STORIES」は、パナソニックのP2システムやAVCCAMを活用し、編集にAdobe® Premiere® Pro CS4とAdobe® After Effects® CS4を用いたワークフローで制作されている。同作品はミュージシャンであるAI、Micro、土屋アンナの3人が初監督したオムニバス映画。音楽と映像を融合させ、自然や地球そして人への優しさを伝えるエコプロジェクトとして海をテーマに制作された意欲作だ。
この前身ともいうべき「R246 STORY」も国道246号線をテーマにしたオムニバス映画で、浅野忠信、中村獅童、須藤元気、VERBAL(m-flo)、ILMARI(RIP SLYME)、ユースケ・サンタマリアの6人が監督している。撮影にはパナソニックP2カムAG-HPX555を初め、P2モバイルAJ-HPM110やP2ストアAJ-PCS060GなどのP2システムを活用。フォーマットは720/24pネイティブを採用し、Premiere Proでカット編集、After Effectsで合成が行われた。なかでも浅野忠信監督の作品「224466」ではカラコレをほぼすべてAfter Effectsで行っている。
パナソニックのテープレス収録とアドビ製品によるワークフロー以外は考えられなかった
これらのオムニバス全9作品にわたって、技術プロデュースを手がけたソイ・ソース・クリエイティブの横川 圭希氏は、「各界の著名人が初監督するということで話題性は充分。宣伝効果も高い。しかし、低予算でしっかりとした短編を作ることを考えたとき、パナソニックのテープレス収録とPremiere Pro・After Effectsの編集によるワークフロー以外は考えられなかった」と語る。
AIの「TAKE ACTION」はロサンゼルスの完全ロケで制作され、メインの撮影にはパナソニックP2 VARICAM AJ-HPX2700Gを使用。サブカメラにはAVCCAM AG-HMC155、メイキングムービーではP2カムAG-HMC175が実景などのインサート映像で使用され、P2とAVCHDの画がPremiere Proで違和感なく編集されている。Microの「カモミールの羽」は、AJ-HPX3000GによるAVC-IntraコーデックとAG-HPX555によるバリアブル素材を併用。そして土屋アンナの「フィッシュ・ボーン」ではAJ-HPX2700Gを使用し、3DCGアニメーションとの合成シーンなどでAfter Effectsが活躍している。

ソイ・ソース・クリエイティブ 横川 圭希氏

Micro監督の「カモミールの羽」はAJ-HPX3000GによるAVC-IntraコーデックとAG-HPX555によるバリアブル素材を併用

土屋アンナ監督の「フィッシュ・ボーン」は撮影にP2 VARICAM AJ-HPX2700Gを使用し、3DCGアニメーションとの合成シーンなどでAfter Effectsが活躍
P2/AVCCAMネイティブ対応と強力なツール連携で制作をスピードアップするCS4
P2システム・AVCCAMを用いる際、中間コーデックを使わずにネイティブフォーマットで読み込み・編集・合成が可能となっている点がPremiere ProとAfter Effectsを使用する最大のメリット。
また、CS4になり、処理速度や作業時間の点でかなりのスピードアップが実感できているという。CS3ではPremiere ProのプロジェクトをまるごとAfter Effects側で読み込んでいたが、Dynamic Link機能の強化により、CS4ではPremiere Proのタイムライン上で選択した素材をAfter Effectsのコンポジションに置き換えることが可能となった。
「これは想像以上に便利」と横川氏もいうように、Premiere Pro上にリンクファイルをつくるようなお手軽なイメージだ。置き換え時にはAfter Effectsで適用したサードパーティプラグインのエフェクトもPremiere Pro上に反映されるようになったほか、OMFの書き出しにも対応したため、音声もProToolsへそのまま持ち込むことが可能となっている。ソフトウェア間の柔軟な連携や互換性の向上によって、さらにワークフローの収まりが良くなったことはCS4の特長だ。
「現在、パナソニックとPremiere Proの組み合わせが最もローコストでシームレス、そして画像に対して安定感がある」と横川氏はいう。ワークフローに対しての信頼性が得られているため、同様の案件も徐々に増えているとのことだ。
「低予算で良質な映像制作を成り立たせるには、オープンソースの活用とオープンマインドの精神が必要になってくる。多フォーマットに対応するPremiereが普及することは、だれもがその能力を使う可能性が持てることを意味する」と横川氏は語る。
技術力はもちろん、いかに連携力を高めるか。今後の映像制作に求められるスキルは、Premiere Proの進む方向性と同じ流れにあるのではないだろうか。

AI監督の「TAKE ACTION」はロサンゼルスの完全ロケで制作され、メインの撮影にはP2 VARICAM AJ-HPX2700Gを使用

「現在、パナソニックとPremiere Proの組み合わせが最もローコストでシームレス、そして画像に対して安定感がある」と横川氏は語る
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