アクセシビリティ

Adobe MAX 2010 - Sneak Peeks

Sneak Peeks は、アドビ社内で進行中の最新の製品開発への取り組みを紹介するセッションだ。他のセッションと異なり、まだ製品やサービスとして提供されるかどうかも分からない、素に近い状態のアイデアやプロトタイプを見ることができる。

残念ながらゲストとして予定されていた Leonard Nimoy が、体調不良のため (数日前に腹部を緊急手術) 出演できない、というアナウンスの後に紹介された代わりのゲストはなんと William Shatner。カーク船長を迎え、発表者は皆スタートレックのコスプレ、というマニアックなセッションとなった。

先行して行われた MAX Award の受賞式に続いて、10 組が登場して様々な取り組みの紹介が行われた。


Sneak Peeks に登場した William Shatner 氏

10 件の Sneak Peek プレゼンテーション

Flash to HTML5

最初に登場したのは、Flash アニメーションを HTML5 のアニメーションに変換する技術だ。タイムライン上のアニメーションを HTML5 のコードとして書き出せる。HTML になっても MovieClip の構造と名前が保持されるため、アニメーション内で使われている部品を HTML コード内から探してコピーすれば、アニメーションの一部だけを、他の HTML ページに表示することも可能だ。


Flash Player 上と同じアニメーションがブラウザー内で再生される

Pixel Bender 3D

Flash Player に搭載される予定の新しい 3D 機能の一部として、Pixel Bender も 3D オブジェクトの描画に対応する予定だ。今回は、Pixel Bender を使った 3D オブジェクトへのテクスチャーマッピングや、実際にコードを書き換えて、3D オブジェクトの表面を変える様子が実演された。


Pixel Bender 3D を使って描画された画面

Live Flex Design Development

これは、Flash Builder のデザインビューを拡張して、IDE 内で開発中のアプリを実際に操作できるようにしたものだ。Dreamweaver のライブビューに近い機能で、コンパイルしなくても、ブラウザ内でアプリを操作するように、ボタンを押してデータを読み込み表示する、といったことが可能だ。ブレークポイントを設定してデバッグ、という操作も、デザインビューから行える。


デザインビュー内に表示されたアプリケーション

Video Tapestry

ビデオ映像から生成されたタペストリー、そこにビデオ解析の技術が加わった興味深いアプリケーションとして紹介された。顔認識を使って映像から抜き出された画像がコラージュされてタペストリーとなる。個々の画像にズームが可能で、ズームすると画像の表示領域が広がって、人物の周囲の状況も見ることができる。さらに、ビデオ操作のインデックス指定としても使える、新しい形のビデオプレーヤーだ。


Android タブレット上で実行されるビデオタペストリー

Flash CPU Performance

SWF を再生してプロファイリングを行い、CPU とメモリの使用状況をグラフで表示するという技術のデモが行われた。グラフと再生状況から、何をチューニングすると良いかを判断することができる。デバイスを使ったデバッグができる様子も示された。


リソースの使用状況がグラフとして表示される

Developing ColdFusion Applications for Multiscreen Devices

ColdFusion に、アクセス中の端末情報を取得して表示するデモ、タグに属性を追加するだけで位置情報を取得して地図内に現在地点を追加できるというデモ、アクセス中の画面サイズに応じて生成する画面を自動的に変えるデモ、の 3 つのアイデアが披露された。

Photoshop Whirl Wind

新しい画像処理技術の紹介として、プロ並みの写真加工が簡単に行える様子がデモされた。お気に入りの写真をサンプルとして指定すると、サンプルと同様のコントラストやトーンが自分の写真にも実現されるというものだ。現在 Lightroom で使われている最適化アルゴリズムよりも、作品っぽい仕上がりが欲しいときに嬉しい機能となりそうだ。


別の写真のデータをもとに加工された写真

Typography of Code

コードエディターにも、スタイルを持ち込むことでコードの構造が見やすくなる、というアイデアだ。固定幅の表示に慣れた目には最初違和感があったものの、コードの構造や編集状態の理解を支援する機能としてのタイポグラフィーの利用には可能性も感じられた。


好きな色やフォントを設定できる

Noise to Meaning

音声認識技術を使い、映像のインデックスを生成する技術が披露された。例えば、電話のなるシーン、男性が話しているシーンなどを識別して、サムネール化したり、タイムラインに印を付けて、再生箇所を指定するために使うことができる。


タイムラインに特定の音が含まれる箇所が示されている

Stage Video

基調講演でも紹介された、Flash Player の新しいビデオ再生技術を、デスクトップ版で利用してみせた。ムービークリップと映像を重ねると、従来であれば駒落ちするような状況でも CPU 使用率が 10% 程度で再生できる。また、4K ビデオもステージ上で再生してみせた。


従来のビデオ再生。CPU 使用率が 80% 程度


StageVideo による再生。CPU 使用率は 10% 程度