ここまでの補正でほぼ完成といえますが、最後に写真に奥行き感を与えてみましょう。「グラデーションツール」を使ったマスクを作成して彩度を上げます。水平線に向かって彩度がなめらかに強調されていき、その結果、奥行き感を演出することができます。
3-1 グラデーションツールを使ってマスク範囲を選択する
ツールパレットから「グラデーションツール
」を選択し、「クイックマスクモードで編集
」アイコンをクリックします。
水平線付近をクリックして、まっすぐ写真上端までドラッグします。グラデーションに沿って段階的に選択範囲が着色されたことが確認できます。
このままでは空以外の部分も選択範囲に含まれてしまっているので、水平線以下を選択解除します。
「ブラシツール
」を選択し、「マスター直径:200px」、「不透明度:100%」 に設定します。ブラシの色が白になっていることを確認し水平線以下をなぞり、選択を解除します。
「グラデーションツール」を使ったマスク範囲の作成
3-2 彩度を上げる
選択範囲が決まったら「画像描画モードで編集
」アイコンをクリックします。破線で選択範囲が囲まれている状態のまま、「色調補正」パネルから「自然な彩度
」アイコンをクリックします。マスクが作成され、「自然な彩度」は自動的に調整レイヤーとして適用されます。レイヤー名は「彩度 水平線」とします。
「自然な彩度」パネルで「自然な彩度:+35」に設定します。
「自然な彩度」を調整
補正前
補正後。水平線付近の彩度が増し、奥行き感が出た
今回のレタッチのポイントは光を意識したハイライトの調整です。この写真のようにネムい写真になってしまっても、少しでも光が差し込んでいればそれを生かしてハイライトを調整することで、ただ全体のコントラストを上げただけでは表現できない立体感を生み出すことができます。
また、この写真の場合コントラストや彩度をさらに上げても、白飛びやトーンジャンプなどの欠陥症状は出ません。しかし、そうすることでこの写真の特徴である霧がかった早朝の浜辺の雰囲気を壊すことになりかねません。レタッチを「どこまでやるか?」ではなく「どこでやめるか?」という感覚も自然な写真に仕上げるためには必要です。
「彩度」と「自然な彩度」の違い
Photoshop CS4の色調補正に新しく「自然な彩度」が追加されました。従来の「彩度」が適用範囲の彩度を均等に調整するのに対して、「自然な彩度」は彩度が高いカラーへの影響を抑えながら、彩度が低いすべてのカラーの彩度を調整します。特に複雑なカラーを保持する写真や、肌色を補正する場合に有効です。
元画像
「彩度:+100」
「自然な彩度:+100」



