最後にシャープをかけて解像感を出します。奥行き感を消さないためグラデーションマスクを用い、写真の手前にくるほどシャープを強めにかけます。シャープの強さは写真全体を確認できる程度の拡大率で調整しますが、さらに大きく拡大して写真データに破綻が起きていないか、チェックすることも忘れないようにします。
4-1 グラデーションツールを使ってマスクを作成する
ポイント2で作った「覆い焼き・焼き込み 外壁」レイヤーを複製し、「フィルタ」>「スマートフィルタ用に変換」をクリックします。レイヤー名を「シャープ グラデーション」とします。
ツールパレットから「グラデーションツール
」を選択し、画面上部のグラデーションメニューで「
」をクリックします。
「クイックマスクモードで編集
」アイコンをクリックし、水平線付近から空の中央やや下辺りまでドラッグします。中央から上下に向かって段階的に弱まっていくグラデーションが作られます。
「画像描画モードで編集
」アイコンをクリックし、「選択範囲」>「選択範囲を反転」をクリックします。
「シャープ グラデーション」レイヤーを選択したまま、「レイヤーパネル」下部の「レイヤーマスクを追加
」アイコンをクリックしマスクを作成します。
「グラデーションツール」を使ったマスク範囲の作成
4-2 スマートシャープをかける
作成した「シャープ グラデーション」レイヤーでレイヤーサムネールをクリックし、「フィルタ」>「シャープ」>「スマートシャープ」をクリックします。
メイン画面とスマートシャープダイアログのプレビューウィンドウで確認しながら、強さを調整します。この場合は「量:118%」、「半径:0.9pixel」、「除去:ぼかし(レンズ)」に設定しました。シャープネスの強さは、最終的な解像度や印刷する大きさなどに合わせて調節しましょう。
拡大率を変えながら、強さを調整
レイヤーサムネールをクリック
モノクロにするときに、グレースケール変換するだけではうまくいかない理由として、各カラーの輝度の差を挙げることができます。例えば、輝度が高い(明るく見える)といわれている黄色をグレースケールに変換するとその特性が失われ、結果的に、実際に見た印象より黄色の部分を暗く感じてしまうことがその原因のひとつといえます。モノクロ写真を作るときは、個々の色が持つ印象を大切にしながら補正していくと深みのある仕上がりになります。
「白黒」でモノクロにしただけの状態
補正後。深みのあるモノクロ写真に仕上がった
一度深みのあるモノクロ写真に仕上げてしまえば、そこから下の2枚の写真のようにフィルタをかけたりセピア調にして、もとのモノクロ写真とはまったく違った印象をもつモノトーン写真に変えても、簡単に締まりのある写真に仕上げることができます。
幻想的な写真に加工
年月が経って色褪せた写真に加工
左の写真は「照明効果」フィルタで周辺光量を落とし、「レンズフィルタ」(グリーン)で幻想的な雰囲気に仕上げました。
右の写真は「不透明度:70%」、「描画モード」を「リニアライト」にしたスマートレイヤーに「ファイバー」フィルタをかけ、その上に「不透明度:75%」、「描画モード」を「スクリーン」にし「粒状」フィルタをかけたスマートレイヤーを重ね、「レンズフィルタ」で「イエロー」に着色し、古く色褪せた写真に仕上げました。
「アンシャープマスク」と「スマートシャープ」の使い分け
Photoshopでシャープネス処理をするときは、「アンシャープマスク」を重用していましたがPhotoshop CS2から「スマートシャープ」というシャープ機能が追加されています。「スマートシャープ」は、輪郭を過度に強調させることなくエッジを際立たせることができます。一方の「アンシャープマスク」は、全てのピクセルに対してシャープネス処理を行う印刷用向けの機能であるため、場合によっては輪郭が強く出すぎることがあります。印刷用の写真でない限りは「スマートシャープ」を使用するのが一般的になっています。また、過度なシャープネス処理をすると遠近感を損なう上に、意図せずデジタル感が出てしまうので注意が必要です。
アンシャープマスク。「量:200%」、「半径:1.0pixel」、「しきい値:0 レベル」
スマートシャープ。「量:200%」、「半径:1.0pixel」、「除去:ぼかし(レンズ)」
※わかりやすくするためシャープネスを強めにかけています。なお、「スマートシャープ」の「除去」を「ぼかし(ガウス)」に設定すると、「アンシャープマスク」と同じ結果になります。



