葉のイエローが強すぎるので、グリーンが鮮やかになるように色調を個別に調整します。各色調を調整するのは「HSL/グレースケール」パネルです。HSLとは色相(Hue)、彩度(Saturation)、輝度(Lightness/Luminance)の略で、「基本補正」パネルでは補えない色調ごとの補正は、このパネルで行います。
※すべてCamera Raw 5での作業になります。
3-1 HSL/グレースケールで色調を個別に補正
まず、「HSL/グレースケール
」パネルで各スライダを左右に動かして、どの色相が写真のどの部分なのかを調べます。
「色相」タブで「オレンジ:+70」、「イエロー:+30」、「グリーン:+35」に設定します。
さらに、グリーンの輝度がやや弱いので、「輝度」タブで「グリーン:+50」に設定しました。
色調を個別に調整
今回のテーマはレタッチ前の下地作りです。よって、特に注意すべきはカラー情報を壊さないことです。必要以上にコントラストを上げたり、彩度を上げると、後にPhotoshopでレタッチする際に表現の幅が狭まり、思ったような仕上がりにすることができなくなる恐れがあります。この現像の段階でカラー情報を生かす補正をすれば、コントラストを強めて水の流れを際立たせたり、紅葉の季節に変身させたりとさまざまに演出することができます。
現像前
現像後。自然な階調と色調を再現
JPEGファイルで現像すると
RAWファイルはRGBそれぞれ12ビット以上の階調データを持ち、RGBすべて合わせて36ビット以上になります。これに対してJPEGファイルはRGB各8ビット、RGB計24ビットの階調データしかもっていません。この階調の差を十進法に言い換えると、4,096倍をも超えるとても大きな違いになります。そのためJPEGファイルで大きく色調や階調を補正しようとすると、白飛びやトーンジャンプなどの画像データの破綻が起きやすくなります。一方、RAWファイルの場合はJPEGファイルでは無理のある補正にも、十分に耐え得るだけの階調データをもっているため、撮影者の記憶色や期待色により近い、イメージ通りの表現が可能です。
また、RAWファイルの編集は完全に非破壊で行われるため、何度でも補正し直すことができます。一度現像したものを、あとで違うイメージに変更する際にも、RAWファイルであれば安心して手を加えられます。Camera RawおよびPhotoshop Lightroom 2は、現在200種類以上のカメラRAWフォーマットに対応しており、過去に撮りためた写真も最新の技術を使い、以前では実現できなかった仕上がりに新しくよみがえらせることもできます。
RAWファイルのデメリットは、データ量が大きい分ファイルサイズもJPEGファイルの何倍にもなってしまうことです。そのためRAWファイル撮影には大容量のメモリーカードと保管するためのハードディスクが必要になりますが、これらのメディアやストレージの高速化・低価格化が進み、手に入りやすくなっている現在、RAWファイルにはファイルサイズのデメリットを補ってあまりあるメリットがあるといえます。
| JPEG | RAW | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 8ビット (28 = 256色) |
8ビット (28 = 256色) |
8ビット (28 = 256色) |
12ビット (212 = 4096色) |
12ビット (212 = 4096色) |
12ビット (212 = 4096色) |
| 24ビット (224 = 1677万7216色) |
36ビット (236 = 687億1947万6736色) |
||||
JPEGファイルと12ビットRAWファイルの階調差




