CUDのための技術はどんな進化を?―
一般色覚者にとって色弱者が見ている世界を想像するのは困難なことでしたが、2001年に無料の色弱シミュレーションソフト「VisCheck」が発表されるとそれが可能になりました。その後、CUDOに加盟する学識者や色弱者らの研究によって、高精度の色覚シミュレーションができる液晶モニターや体験めがねが登場します。しかしいずれも安価なものではなく、一般ユーザーが関心を持つまでには至っていませんでした。
Photoshop CS4の感想は?―
トーンカーブやクイック選択ツールなど、高度に効率化された機能と組み合わせながら、誰でも簡単にCUDの検証ができることをみなさんに知ってもらいたい。「Photoshop CS4を使えば、従来の何倍かのスピードでデザインができる。だから余った時間でCUDチェックをしてくださいね」と、周囲の人にも購入を薦めています。ConnectNow(※スクリーンを他者と共有できる機能)を使って、遠隔地のクライアントに「色弱者にはこう見える」という状況を伝えるのも楽になりました。欲をいえば、印刷時における紙質の違いや、CMYK変換後の誤差などをより正確にシミュレーションできるようになったら嬉しいですね。
CUDで社会はどう変わる?―
世の中のデザインを作っているのは、主にデザイナーです。彼らが使うPhotoshopのような基本ツールに、CUD機能が標準装備されている状況がすばらしい。プロのデザイナーの人たちが「ある人々にとっての見分けにくさ」を意識することが当たり前になれば、色覚バリアフリーは大きく前進するでしょう。これを機に、デザイン学校、美術大学などでも、CUDについてきちんと教育してほしい。他人の見ている世界を理解しあうことが、社会をもっと豊かにするはずです。
CUDを満たすデザインを制作するコツは?―
アンカーカラーを基軸に優先順位を作り、様々なバリエーションを検証してみてください。捨てカンプを何種類も作って比較したり、パレットをプリントアウトしたり。CUDは色空間内における各色の距離の問題なので、正解は無数にあります。私自身は色を数値で細かく見ることに慣れていますが、CUDOではカラーバリエーションの提供や、色弱の人でも識別が容易な24色セットなどの開発協力にも取り組んでいます。「CUDを考えると格好悪くなる」と思われないよう、これからも啓蒙に務めたい。色弱のデザイナーも発掘中ですよ。
色覚バリアフリー社会を実現するカラーユニバーサルデザイン(CUD)の概要と、Photoshop CS4での実践例をご紹介します。

「校正設定」を切り替えると、色弱者がどう見分けにくいのか簡単にチェックできる。変換結果をPDFファイルとして保存することも可能





