※ここではPhotoshop CS4の事例を紹介しています。
写真の本質を問い直す、
表現への覚醒がPhotoshopの魅力。
青木健二さんは、シンプルかつ説得力に溢れた作風で、国内のみならず海外でも高く評価されているスティルライフ(静物)専門のフォトグラファー。長く4×5inフィルム主体で撮影してきたスタイルを転換し、1年半ほど前にデジタルへと移行した。精緻な表現を生み出すスタジオワークで、Photoshopはどのように活用されているのだろうか。
スティルライフ専門になった経緯は?―
かつては人物や風景も撮る写真家でしたが、スペシャリストになりたいという思いから12年前に静物以外の撮影をやめました。もともと「きれいな夕陽の写真を撮りたい」などと思ったこともなく、目的を持った表現やデザインに惹かれて写真を始めたので静物が適していたのだと思います。動かない被写体にもちゃんとシャッターチャンスがあり、その瞬間を逃して少しでも照明を動かすと二度と後戻りはできない。そのような難しさにも、スティルライフを選んだ意味があるのかもしれません。
広告写真に必要なことは?―
僕の仕事は、製品を素敵に見せることで企業のブランディングをサポートすること。職人としての立場はキープしつつ、表現者として社会にどうアプローチできるかがテーマです。しかし訴えたいことが多すぎる製品を撮影すると、スペックを伝えるための写真になってしまいがち。僕が目指しているのはその正反対のことなので、被写体のアイデンティティを美的に評価できる地点まで研ぎすますことに集中します。デザインの素質を引き出し、その製品が社会に対して言いたいことをシンプルに提示するよう心がけています。
写真表現でこだわっていることは?―
例えばステンレスなどの難しいテクスチャーでも、やればやるほど上手く再現できるようになるのがブツ撮りの世界。しかし一見完璧な製品写真は、全体のバランスに欠けて不格好になっていることが少なくありません。ハイライトからシャドウまでの陰影には美的な急所があり、その部分にテクスチャーが出ていれば自然と良い写真になる。技術を見せようとするあまり、美しくない写真を撮る必要はありません。だから僕はテクニックよりも「そもそも何を目的として定めたのか」という出発点に立ち返ります。うまく撮れている写真と良い写真は違います。
デジタル導入でワークフローに変化は?―
ポラがモニターに代わったものの、望まれるビジュアルを突き詰めて1枚の写真を提供するという目的に変わりはありません。依頼の内容を吟味して自分なりにアウトプットの方法を考え、それを具現化すべく最初のワンショットを切るまでが、クリエイティブにおける最も重要な時間です。フィルム時代のラボの役割も引き受けることで、かつての1人仕事が3人仕事になった感じがありますが、あくまでフォトグラファー、レタッチャー、デジタルテックがそれぞれプロフェッショナルであるべきだと考えて業務を分担しているのが現在の環境。意図した表現をPhotoshopの操作に的確に落とし込むためのコミュニケーションも重要ですね。
青木健二/フォトグラファー
1968年、東京都生まれ。1990年に桑沢デザイン研究所卒業後、IIGURA STUDIO勤務を経て1993年にKENJI AOKIフォトグラフィーを設立。1997年には静物の写真制作に専念するため、スティルライフ専門を宣言。以来、数多くの企業のためにアーティスティックな商品広告写真を提供する。Michael Ash PartnersおよびArt Department Europe所属。
フォトグラファーが違和感なく使えるよう設計されたPohotoshopの、フォトグラフィーワークフローに特化した機能を紹介します。
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