DTPデザイナーとして数々の雑誌広告を手がけてきた新井氏。これまで日興證券、トヨタ自動車、ソフトバンク、富士通など大手有名企業のWebサイトを制作してきた。新井氏は、クライアントの様々な要望を忠実に表現し、さらに個性あるWebサイトをつくりあげていくという、Webクリエイターとしての姿勢にも定評がある。
4年前からWeb制作を始めた新井氏。当初はハンドコーディングだったが現在ではオーサリングツールを使うようになったと話す。GoLiveを選んだ理由は、もともとPhotoshopなどAdobe製品の使用経験がありインタフェイスに慣れていたこと、イメージしたものを簡単にデザイン化し、Web制作を進めていきやすいことをポイントとして挙げている。
実際にサイトをつくる上でGoLiveをどのように使用しているのか、株式会社クオンツ在籍時に作成したサイトの制作過程の例をみてみよう。
最初はIllustratorで完成形をデザインする。そのグラフィックやテキストレイアウトイメージを忠実に再現するため、ガイド線を引き、ガイドに沿ってテーブルを組み合わせるといった方法で、デザインを行う。次に組んだテーブルにテキストを入力。画像はPhotoshopでWeb書き出し(※2)を行い、それをGoLiveのテーブル上に配置するという方法をとっていた。つまり、Illustrator、Photoshop、GoLive 4.0の3つのソフトを切り替えながらフル活用して制作していたわけだ。しかし、これがGoLiveのバージョン5.0を使うことにより、作業効率が飛躍的に向上したという。実際にGoLive 5.0でつくられたのが、大和證券のサイトだ。
ソフトパブリッシング株式会社「べるまが」は、GoLiveのバージョン4.0で制作された
GoLive 5.0で制作された大和証券のWebサイト。グラフィックデザイナーから画面イメージデータを受け取り、そのデータを元に忠実にコーディングしていく。ソフト間の連携がよく、効率よく作業が進む
柳沢健司氏
401kb.com 所属 PEC スーパーバイザー
Web &サウンドデザイナー
新井美里氏
Webデザイナー
柳沢氏のセミナーを真剣に聞き入る来場者。実際にWebの制作過程をデモした
(※2)Web 書き出し:Photoshop の「Web用に保存」で、作成したグラフィックをWebに最適なファイルに変換して書き出す機能。JPEG、GIFなどのフォーマットや色数などを細かく指定して、最適化画像の複数のバージョンを比較しながら、表示品質とファイルサイズのバランスを調整できる
大和証券401kの制作行程をみてみよう。1.Photoshopデータにピクセル指定し、正確に位置を設定する。2.画像はブロック単位で、各画像のサイズに切り抜いて一つ一つ保存する。3.GoLive 5.0でスマートオブジェクトとして読み込んだあと、ポイント&シュートで確実に画像にリンクをはる。4.構文チェックして、間違いがないかチェックする。あとは完成したデータをGoLive 5.0のFTP機能でアップロードするだけだ
Photoshopでデザインされたデータの配置をピクセル指定(※3)。各画像は一つひとつレイヤーごとに分割して保存する。次にそのPhotoshopファイルを、GoLive 5.0のスマートオブジェクトとして目的の画像を選択すると、自動的にWebセーフコピーを生成し、GoLiveに読み込む。この時点で、デザイナーが指示したレイアウトを保持したまま、Webに最適な画像ファイルが完成したことになる。
今までは複数のソフトを連動させて作業しなければならなかったものが、GoLive 5.0を使うことにより短時間で制作が進められた。
またリンクの作業は、リンクウィンドウからサイトウィンドウにリンクしたい画像ファイルを、直接目で確認しながらポイント&シュートで簡単に設定することができる親切な機能だ。テキストリンクの色もカラーパレットから自由に指定できる点は、特に新井氏のお気に入りの機能だと言う。このように作業効率が飛躍的にアップし、リンクミスなども減らすことができるようになりクライアントの要求に着実に応えることができる。
そしてデザインが完成したら構文チェック。GoLive 5.0では、例えば「<OBJECT>タグはNetscape 4Xではサポートされていません」、などタグの不適当な部分を表示し、修正を促してくれる。ハンドコーディングでは、そのつどプレビューしてチェックし、ソースの不具合箇所を修正するという作業を繰り返し行い、エラーのチェックに時間がかかっていたのだが、今は非常に便利になったと話していた。また、サイトレポート機能を活用すれば、実際にアップロードする前に十分にテストでき、ミスを減らすことができる。
このように新井氏はGoLiveを古くから使っていたわけだが、5.0になって益々手放せなくなったと語る。他のAdobe製品との連携が強化されたので、かなりの作業過程が簡略化しWebデザインのクオリティが上がったのがその理由だ。サイトフロー構成からアップロードと、サイト構築におけるすべての作業ができるGoLive 5.0は、新井氏にとって欠かすことのできないオーサリングツールであるということは間違いないようだ。
(※3)ピクセル指定:ここでは、写真画像やテキスト、またバナーやロゴなどの配置位置を数値で計り、元のデザインを忠実に再現するための準備作業のこと
この記事は、3月23日、クリエイター・エイジェンシーの(株)クリーク・アンド・リバー社 プロフェッショナルエデュケーションセンターにおいて行われた『Adobe Special Night! vol.2』Webクリエイションセミナーを取材したものです