アクセシビリティ対応の 1 つの大きな目標は、キーボードだけでコンテンツが操作できるという点だ。これは障害を持つ人だけの問題ではなく、出張先でマウスを忘れた場合にも助けてくれる。OS やブラウザは、基本的にキーボードだけで操作できるように出来ているのに、Flash コンテンツは、マウスがないと操作できないものが多い。これは非常に大きな問題といえる。今回は、キーボードだけでコンテンツを操作するための基本テクニックを紹介しよう。
もっとも簡単なのは、TAB キーによるボタンフォーカスの移動だ。これは、普段通り作成した Flash コンテンツを再生してみればわかるように、デフォルトで対応可能だ。しかし、フォーカスの順序は、ボタンの位置(おおよそ左上から右下の順になる)に関係しているため、制作者の意図どおりに動く場合は少ない。そこで、意図した通りにするため、アクセシビリティ用 ActionScript へ一歩踏み出す必要がある。
ムービークリップやボタン、テキストフィールドには、tabIndex というプロパティがある。これは、TAB キーを押されたときにフォーカスを受ける順位を決定するためのプロパティだ。たとえば、tabIndex=20 と 10 のボタンがあれば、そのボタンの位置によらず 10 のボタンが先にフォーカスを受ける。若い番号から順にフォーカスが当たり最後まで行けばまたはじめにもどって繰り返す。tabIndex の意味は、非常にシンプルだ。
ボタンが btn1~btn6 までインスタンス名として設定されており、その順番を、インスタンスの名前と同様に設定するには、次のようにすればよい。
btn1.tabIndex = 10
btn2.tabIndex = 20
btn3.tabIndex = 30
btn4.tabIndex = 40
btn5.tabIndex = 50
btn6.tabIndex = 60
tabIndex の値は、必ずしも 1 刻みの連番である必要はない。小さいものから大きいものへ順位が移動するだけなので、10づつ間を空けておく。そうすることで、将来ボタンが増えたときでも btn7.tabIndex=45 などと容易に追加設定できるようになる。
tabIndex を、Flash MX 2004 Professional では、[アクセシビリティ]パネルで設定できる。([ウィンドウ]-[他のパネル]-[アクセシビリティ] を選択)

どちらの場合も注意しなくてはいけないのは、tabIndex プロパティを持つムービークリップ、ボタン、テキストフィールドのすべてを、すべての階層をまたいで、まとめて順位を決定しておかなくてはいけないことだ。番号を振り忘れると、逆にアクセスできなくなってしまう。
tabIndex のプロパティのほかに、TAB フォーカスを強制的に無視する tabEnabled、ムービークリップの中の TAB フォーカスを制御するtabChildren がある。これらのプロパティについても、ヘルプなどを参照して使い方を学んで欲しい。
また、ショートカットキーなどのように Ctrl+A などのキーの組み合わせをチェックして Flash の制御をすることも可能だ。ただし、この場合は、Key イベントリスナーを利用することになる。[アクセシビリティ]パネルのショートカットフィールドでは、設定できないので注意しよう。
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