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Video and audio
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プロダクション I.G April 2004
映画『イノセンス』で独自の映像世界を表現する
©2004 士郎正宗/ 講談社・IG, ITNDDTD 全国東宝洋画系で絶賛公開中
1995年に公開された劇場公開作品『GHOSTIN THE SHELL/攻殻機動隊』は、全米ビデオチャート1位に輝いたこともある押井守監督の人気作品だ。その続編となる劇場作品『イノセンス』がついに3月6日より公開された。この作品の炎や爆発などエフェクトやシーンをはじめ、近未来の街並みの景観を描いたシーンの随所が、驚く程の被写界深度の深さと圧倒的な臨場感で描き出されている。こうしたイノセンスのビジュアルエフェクトを先頭に立って担当したのがプロダクション I.Gの江面 久氏だ。
イノセンスでビジュアルエフェクツを
担当したプロダクション I.G.の江面氏
「私が使っているのはAdobe® After Effects® のProfessional版ですが、標準搭載されている4〜5個のプラグインだけしか使っていません。それもかなり平凡なものばかりです」。江面氏は日頃から使用しているプラグインについてこのように語る。一見すると、あのイリュージョンのようなシーンは、さまざまなプラグインを多用して生み出されるように思われがちだが、実は標準搭載されている単純なエフェクトと、緻密なレイヤリングによって生み出されている。

アニメーション制作支援ツール「Animo」から書き出された素材は、かっちりとしたディテールを持っているので、そこにAfter Effectsで「やわらかさ」や「暗さ」「まぶしさ」といった雰囲気を出すための質感を付けていく。具体的には、フッテージを適度にぼかしたり、描画モードや色補正ツールでレイヤーをコントロールすることによって表現するという。フワーとぼけた感じにすれば、霧っぽい湿気ぽい感じになるし、少なくすればクリアな感じになるわけだ。
プロダクション I.G
〒185-0021
東京都国分寺市南町3-22-31 南ビル

アニメーション制作会社。『GHOST IN THESHELL/攻殻機動隊』(1995年)、『人狼 JINROH』(2000年、沖浦啓之監督)、『BLOOD THELAST VAMPIRE』(2000年、北久保弘之監督) など、劇場用の高品質なアニメーション映画を中心に制作している。内容・技術ともに、日本だけでなく海外でも高く注目されるアニメ制作集団である。他に『機動警察パトレイバー』の2本の映画も制作するなど、押井監督との関わりが強い。
(上)制作過程の美術ボード
(右)本編のスチール

江面氏のアートワークを支えているのがキーフレームアニメーションの代わりにJavaScriptベースのプログラムで複雑な動作を自動化する「エクスプレッション」という機能だ。イノセンスのエフェクト作業では、かなりの負担が作業者にのしかかることが予想されていたので、映像を作る以外の作業はできるだけ自動化することを意識したという。つまり、単純な作業はAfter Effectsの機能に任せて、制作者はクリエイティブな作業だけに没頭するということだ。

「例えば、ビルの屋上にある航空警戒灯の点滅も数えると10個ぐらいあります。それを全てキーフレームを打っていったら大変ですよね。なおかつ、後工程で"もうちょっと強くしてください"と言われたら、全部やり直しになってしまいます。だけれども、エクスプレッションで行えば、どんな修正がきても親レイヤーのエクスプレッションを編集してやるだけで全てを修正することができます。エクスプレッションは、生産性を挙げるために欠かせない存在ですね」。