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ジョージ・ルーカス率いる「インダストリアル・ライト・アンド・マジック」を飛び出し、敢えて厳しいインディーズの世界に身を投じた3人のサンフランシスコっ子達の活躍

-ジョー・シェプター

エイリアンと戦ったり、ヘリコプターでトンネルをくぐったり、アパートを吹き飛ばしたり、何百万ドルという契約書にサインしたりする孤児は、そうそういません。親がたまたまジョージ・ルーカスだったというなら話は別ですが。

でも、ジョナサン・ロスバート、スコット・スチュワート、スチュワート・マシュヴィッツの場合はまさにそうでした。元「インダストリアル・ライト・アンド・マジック」(ILM)のSFXスタッフだった3人はジ・オーファネージという独立した映画プロダクション会社をつくって第2の人生を始めたのです。

すすけた感じのするある日のサンフランシスコ。3人に会えたのはマーケットストリートの近くにある彼らの仮のオフィスでのことでした。コンピュータが鎮座していたのはカフェテリアのテーブルですし、とまどいがちに光が射し込む窓がまともに拭かれたのは4年も前のことのようです。そうそう、オーファンたちはいくつかのクリップをデジタルカメラにおさめていました。

使用製品:
Adobe® Acrobat(R)
Adobe After Effects(R)
Adobe Photoshop(R)
Adobe Premiere(R)
「私たちはこれまでありえないものを本物のようにみせる仕事をしてきました」マシュヴィッツはそう切り出しました。

突然、ジュラシックパークの恐竜がカメラをのぞき込みます。「ツイスター」の家が道を転げていきます。宇宙船はエーテルを突き抜けていき、両手で抱えた武器がぶっ放されます。

ところが、ここでまったく予想もしていなかったものがやってきます。ロスバート、スチュワート、マシュヴィッツ(をはじめとするオーファンの面々)が立役者となった独自の映画です。

「私たちも美しい作品をたくさん手がけてきましたが、これまでの映画はシナリオ委員会が書いたもののように思えてしまいまして」とロスバートは言います。「私たちがILMを去ったのはなにより自分たちの物語を語りたいと思ったからです」

そして今、彼らは思い通りのことをやっています。この6ヶ月のうちに矢継ぎ早に発表した短編の、この世のものとは思えぬ 特殊効果や突拍子もないプロットは、ベルリンに始まりサンダンスに至るまで、世の喝采を浴びました。

マシュヴィッツは言います。「私たちが第1に考えているのは物語を語るための技術を使うこと、そして私たちの専門技術を同じ感覚をもっているパートナーに提供することです」。

マシュヴィッツの「最後のバースデーカード」はこの会社の折衷的なやり方の好例です。この映画はもがき苦しんでいる芸術家でもある殺し屋をテーマにしたもので、ヘリコプターがアパートを壊すシーンを売りにしています。

そのアプローチはロスバートが「デジタルフィルム革命」の次のステップとみなしているものです。「みんなは革命だと言っていますが、コンピュータを使って映画をつくるなんてもう何年も前からされていることなんです。『スター・ウォーズ』の最新作でコンピュータの手が入っていないショットなんてふたつしかないんですから。ただ、ようやく独立系の映画プロデューサーも同じ技術を使えるようになりました。そして、私たちはそういった技術を活かすお手伝いをできますよ、ということなんです」。

彼らは押し売りしているわけではないと言います。特殊効果を駆使したプロジェクトに興奮しているのは伝統的なインディーズメーカーだけではありません。ハリウッドもエサに食いついているのです。

「多くの大物ディレクターが熱中しているんですよ」とスチュワートは言います。「コンピュータを使えば、かつては考えられなかったほど大量のフィルムを所有することができますし、それでもまともに見られるんですから。前より安いから、というだけじゃないんですよ。前より簡単にもなっているんです」。

ただし、ひとつオーファンたちが克服しなければならない問題があります。ジョージ・ルーカスの母船から離脱した多くの人に共通する運命のことです。ILMが評判をとっているのは偉大な芸術家を輩出することで、陰気なビジネスマンを生み出すことではありません。とはいえ、オーファネージは自分たちの面倒はしっかり自分たちで見ているようです。「Mission to Mars」で使う4つのショットなど、お金のかかる特殊効果の仕事を続ける一方で、彼らはマジック・ブリット処理というものも開発しました。オーファネージは特許をとったこのポストプロダクション処理のおかげでデジタルフィルムに伝統的な監督たちが標準的な撮影テクニックを使って生み出しているものと同じ「らしさ」を与えることができるようになりました。ジ・オーファネージはそのために1,500万ドルとも2,000万ドルとも言われる、グリーンストリート・フィルムズ社の新しいデジタル部局を助ける取引に署名したのです。

「当面はやっていけますよ、ご心配なく」とマシュヴィッツは言います。

言葉をかえれば、すぐにでもこのオーファンたちを街角で見かけられなくなる可能性があるということです。もちろん、彼らが行く手をさえぎるビルを吹き飛ばしているうちは別ですが。

Adobe.comのシニア・エディター、ジョー・シェプターはブームになりつつあるものをしっかりと楽しんでいます。