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急速にHD化が進む中、劇場公開映画をDTVで仕上げるという画期的な試みで制作された、窪田 崇監督作品『ハミングライフ』。「フルHDの作品を、使い慣れたDTVで制作できたメリットは大きかった」と語る窪田監督に、その制作手法を聞いてみた。
窪田 崇(Takashi Kubota)
映画監督、クリエイターチームPIPPIN代表。2001年にフジテレビが実施した映像作家発掘プロジェクト「ID」にて、23歳の若さで演出家デビュー。その後、民放などでショートフィルム、PV、CMを精力的に作り続けている。代表作は、『MemoiR
-メモワール-』『きみの秘密、僕のこころ』、スガシカオ『June』PVなど多数。最新作の『ハミングライフ』は、昨年度の東京国際映画祭で特別上映された。
低予算を支えたデジタルによる制作
SDからHDへの移行でデータ量は4倍になったと、よく言われているが、劇場公開を視野に入れた場合、そのHDが最低基準になる。そんな中、オフラインのみならず、オンライン編集までDTVベースで製作された画期的な作品が登場した。窪田 崇監督の最新作『ハミングライフ』である。
本作は、ゴーイング・アンダー・グラウンドの同タイトルの楽曲にインスパイアされた窪田監督をはじめとする有志たちの手で、いわば「手弁当」の形で製作された。そのためローバジェットの制約があったことから、撮影から編集までの全行程をデジタルで制作したという。そして窪田監督が選択したのが、HDシネアルタ・カムコーダーによる撮影と、Matrox
Axio HD(以下、Axio)によるフィニッシングであった。
「カメラについては、アクセサリの多さと十分にノウハウがあったことからシネアルタを選択しました。次に編集システムを何にするかを考えた時に、『画作り』に必須のカラコレ機能に着目しました。そして思いついたのが、リアルタイムでカラコレが可能なAxioだったのです」。
HD制作の場合、インフェルノのようなハイエンドシステムでもカラコレをはじめとするエフェクト処理には膨大なレンダリング時間を要する。しかしAxioは、その優れたリアルタイムエンジンによって、カラコレなどのエフェクトをリアルタイムで処理できる。さらにAdobe
Premiere ProをベースにしたDTVシステムのため、コストパフォーマンスにも優れている。まさに本作品にとって理想的な編集システムであった。
デジタル制作の恩恵を最大限に引き出す
Axioの恩恵は、リアルタイム性能以外にもあったという。「使い慣れたDTVで制作できたことで、カラリストなどの専門スタッフに頼ることなく、自分たちだけでトーンを作り込むことができました」。
また本作では、公開直前に追撮を行うアクシデントがあった。しかし、Axioの直感的なインターフェイスによって、監督がオフライン編集を進めるのと並行して、カメラマンがカラコレ作業を進めることができたため、無事に間に合わせることできたそうだ。これこそ、デジタル制作の恩恵だろう。
「今回、DTVをベースにした制作システムを採用したことで、最大の目標だったDLPシアターでのカラコレを実現することができました。これにより、自分たちが目指す『画作り』を納得のいくまで追求することができました」。
DTVのメリットを考えた場合、どうしてもコストパフォーマンスに目が向けられがちだが、クリエイティブワークに費やせる割合を増やせるメリットの方が、はるかに大きなものなのだ。
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窪田 崇氏
映画監督、クリエイターチームPIPPIN代表。2001年にフジテレビが実施した映像作家発掘プロジェクト「ID」にて、23歳の若さで演出家デビュー。その後、民放などでショートフィルム、PV、CMを精力的に作り続けている。代表作は、『MemoiR -メモワール-』『きみの秘密、僕のこころ』、スガシカオ『June』PVなど多数。最新作の『ハミングライフ』は、昨年度の東京国際映画祭で特別上映された |
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